猫は日ごろからさまざまなしぐさを見せていますが、じつは野生の猫には見られない、飼い猫だからこそするしぐさがあるのをご存じですか? そこで今回は、イマドキの飼い猫によく見られるかわいいしぐさについて、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。
目が合うと見つめ返す
イマドキの飼い猫は、飼い主さんをじっと見つめ返すことがあります。これは、飼い主さんが願いを叶えてくれるとわかっているから。たとえば、食事が用意されたり、なでてもらえたり、呼びかけてもらえたり。これらがうれしくて覚え、目が合ったら見つめることを繰り返すのでしょう。
オテをする
要求があるときに犬がするオテ。野生の猫は基本的に単独で行動するため、ほかの猫に要求することはありませんが、イマドキの飼い猫は、望みがあるときにオテをすることがあります。
たとえば、オテをするとフードなどイイコトを得られると覚えた場合は、オテを繰り返すことはあるでしょう。
人の体にのってくる
猫が体にのってくるのは、飼い主さんに存在をアピールしたいから。飼い猫にとって、日ごろお世話をしてくれる飼い主さんは母猫も同然です。成猫になっても、子猫気分で飼い主さんに甘えたいのではないでしょうか。
おもちゃをくわえて持ってくる
猫が何かをくわえて持ってくるのは、野生界では狩りに出た母猫が子猫に獲物を持ち帰り、狩りを学ばせる行動です。飼い猫がおもちゃをくわえて持ってくることがあるのは、飼い主さんを子猫のように感じて、「はい、どうぞ」というような気持ちになっているのでしょう。
名前を呼ぶと鳴いて返事をする
野生の猫は自身の気配を消すことに徹しています。しかし、子猫時代は別で、母猫に捜されているとき、「ここにいるよ!」と伝えるために鳴いてお返事をします。その名残から、飼い猫も飼い主さんから名前を呼ばれたときに鳴くことがあります。
猫は自身が生きていけるよう、環境に順応する能力が高い動物です。人との暮らしが長くなるほど、よりかわいがられる術を身につけているといえます。
今回ご紹介したしぐさも、イマドキの飼い猫が身につけた、飼い主さんにかわいがってもらうための術のひとつ。ぜひやりすぎない範囲でかまったり、要求を叶えたりしてあげましょう。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2018年5月号『「本来の猫」とのギャップがすごい!イマドキ飼い猫の真実』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。