愛猫が飼い主さんのひざの上などに、チョコンとのることはありませんか? とてもかわいらしいしぐさですが、これにはどのような意味が込められているのでしょうか。
今回は、獣医師の藤井仁美先生が、猫がチョコンとのるしぐさをする意味や理由について、詳しく解説します。
猫がチョコンとのるのはなぜ?
「のる」という行動は、身をあずけて密着するということ。警戒心が強い猫がのるのは、信頼している人だけです。
ですから、猫がのってきたら、それだけで愛情表現といえるでしょう。さらに、猫がのる位置や体勢、状況などからも、愛情の度合いや猫が求めていることを測ることができます。
のる位置や体勢別に見る「猫の気持ち」とは?
飼い主さんと向かい合っている場合
飼い主さんの表情がわかる向きでのるということは、猫は飼い主さんに話しかけられるなど、コミュニケーションを取りたがっているのかもしれません。顔の距離が近いこのしぐさは、愛情が強いしぐさといえます。
飼い主さんのひざの上にのる
ひざは猫がのりやすく、また飼い主さんは猫にのられると身動きがとれなくなる部位。ですから、ほかの猫から独占できるという意味で、同居猫のいる猫に見られやすいしぐさかもしれません。
顔まわりを飼い主さんにのせる
体の一部しかあずけない=愛情が少ないというわけではありません。この場合、顔を飼い主さんの体によせて信頼を示しているほか、飼い主さんのニオイをダイレクトに感じることができるので、猫はそのニオイでリラックスしていると考えられます。
飼い主さんの衣服にもチョコンとのる
脱いだ服やカバンなど、飼い主さんが身に着けていた物にのる猫もいます。
これは、その物に残る飼い主さんのぬくもりやニオイを感じてくつろぎたいということ。「離れている間も飼い主さんを感じていたい」と、留守にしがちな家の猫に見られやすい行動かもしれません。
このように、猫は何気ないしぐさで飼い主さんに愛情を示しています。愛猫からの愛情を受けとったら、ぜひ飼い主さんからも返してあげてくださいね。
お話を伺った先生/藤井仁美先生(獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー)
参考/「ねこのきもち」2018年6月号『愛情表現のしぐさが丸わかり 毎日は猫からのNyamore(ニャモーレ)に溢れてる!』
文/宮田あゆみ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。