体の部位や姿勢などの変化は、猫の気持ちを正しく理解するためのヒントになります。そこで今回は、耳・目・しっぽ・姿勢をピックアップし、猫の気持ちを読み解く際にチェックしておきたいポイントを解説します。
【耳】動きや向きをチェック
約270度動かし、情報をキャッチすることができる猫の耳。聴覚は、猫の五感のなかでもっとも優れているといわれています。そんな耳に力が入って向きが変わるときは、猫の気持ちにも変化がある証拠です。
平常心のときは耳がまっすぐ立っている
耳がまっすぐに立っているときはニュートラルな状態。無心で座っているときによく見られます。
恐怖を感じると耳は平らに
一方で、嫌な音が聞こえたり、強い相手ににらまれたりして恐怖を感じたときは、耳を平らに伏せるでしょう。
【目】黒目(瞳孔)の大きさをチェック
猫の黒目(瞳孔)は、まわりの光の量によって変わりますが、気持ちによっても変化します。
リラックスしているときは黒目が細くなる
猫が安心・リラックスして体の力が抜けていると、黒目は縦に細長くなり、いわゆる“猫目”と呼ばれる形に。高所など、猫が安心できる場所にいるときに、よく見られる表情です。
興奮・緊張状態のときは黒目が開いて丸くなる
一方、黒目が開いて丸くなるのは、興奮・緊張状態にあるとき。遊んでいるときや、獲物に見立てたおもちゃに狙いを定めているとき、猫の黒目が大きくなればなるほど、興奮度・緊張度は高いといえます。
【しっぽ】向きや動きをチェック
しっぽは豊富な動き・変化を示すので、猫の気持ちを読み取りやすいパーツといえます。
恐怖や緊張を感じるとしっぽを体に巻きつける
猫のしっぽは、とくに恐怖や興奮などの気持ちがあらわれやすい傾向にあるようです。たとえば、恐怖や緊張を感じると、しっぽを体に巻いたり引き寄せたりします。また、怒りをアピールするときはしっぽが弓なりに垂れ、相手を威嚇するときはしっぽが膨らむことも。
猫が上機嫌のときはしっぽが上向きに
一方で、猫が上機嫌のときはしっぽの先まで力が入り、上向きに立てることが多いようです。ちなみに、平常時のしっぽは、猫が立っているときは水平かやや下方に伸び、座っている姿勢のときは床に伸びた状態であることが多いでしょう。
【姿勢】動きやすいかどうかをチェック
猫の気持ちは、座り方にもあらわれます。いつでも動ける座り方かどうかで、猫の緊張度やリラックス度が推測できるでしょう。
「エジプト座り」をしているときは緊張度高め
「エジプト座り」は前足をそろえ、上半身を起こした座り方。エジプトの神話に出てくる「バステト」という猫の姿をした女神が由来とされています。この座り方は異変を察知したらすぐに動ける姿勢。また、周囲に関心・注意を向けていることもあるでしょう。
「香箱座り」をしているときはリラックス度高め
「香箱座り」は前足と後ろ足を折りたたみ、おなかの下にしまった座り方。見た目が香箱のような長方形になっていることから、このように呼ばれるようになりました。この座り方は、足をおなかの下に入れているため、すぐには動けない状態。リラックスしているからこそとれる姿勢でしょう。
愛猫の体のパーツや姿勢をよく観察し、そのときの気持ちを正しく理解してあげられるとよいですね。
参考/「ねこのきもち」2024年7月号『写真がとらえた、その瞬間… しぐさ ポーズ 表情が語る 猫の気持ち』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。