猫はまわりの状況を敏感に察知し、ポーズやしぐさなどでそのときの気持ちをあらわしています。そこで今回は、飼い主さんからよせられた「ちょっと不思議な猫のポーズ」を4つ取り上げ、そのとき猫がどのような気持ちでいるのか、獣医師の入交眞巳先生に解説していただきました。
ちょっと不思議な猫のポーズ(1)ヘソ天で体をくねらせる
床にゴロンと転がって、体をクネクネさせる愛猫。私が家を出ようとするとき、私が家に帰った直後は、ほぼ必ずします。私は「かわいいね」と声をかけたり、なでたりしてかまっています。
(Yさん/愛猫 トニーくん・オス・3才)
飼い主さんにかまってほしいのでしょう
猫がおなかを見せるのは、相手に気持ちを許している状態。また、愛猫はこのポーズをとると、飼い主さんがかまってくれることを学習し、甘えたい気持ちを表現しているのでしょう。
(入交先生)
ちょっと不思議な猫のポーズ(2)15秒間くらい二足立ちをする
愛猫が15秒間ほど二足立ちをしていました。おそらく、ほかの猫たちが追いかけっこする音に驚いたのだと思いますが、「ずいぶん器用に立つな」と感心してしまいました。
(Hさん/愛猫 クムちゃん・メス・3才)
好奇心や警戒心から、視野を広げるために立ったのでしょう
ニオイや物音など、猫はいつもと違う気配を察知すると、二足立ちをして視点を高くすることがあります。好奇心や警戒心から、広い視野で周囲を見ようとするのです。
(入交先生)
ちょっと不思議な猫のポーズ(3)前足を前に出して座る
前足を前方に差し出して、そこに顔をうずめるようにして座っていることがあります。前足は組んでいることもあれば、組んでいないことも。そのまま眠ることもあるので、眠りに入りやすいポーズなのかもしれません。
(Sさん/愛猫 朔くん・オス・1才)
安心してリラックスしているのでしょう
前足を前方に投げ出したまま座るポーズは、急に立つことができない体勢なので、リラックスしているといえます。前足の筋肉がゆるんでいるなら、安心していると考えてよいでしょう。前足を組む、片方だけを伸ばすなど、伸ばし方は猫によってさまざまです。
(入交先生)
ちょっと不思議な猫のポーズ(4)首を傾げながら飼い主さんを見る
私がソファで寝ていると、愛猫が首を傾げながら見つめてきます。なでてあげるとなでられるがまま。また、扉の隙間の向こうで同様のポーズをすることがあり、私が扉から離れるそぶりをすると追いかけてきます。
(Kさん/愛猫 リンちゃん・メス・生後3カ月)
飼い主さんの気を引きたいのでしょう
前後の行動から判断すると、飼い主さんの気を引きたいのではないでしょうか。このポーズをとると、飼い主さんがなでてくれたり、追いかけっこのような反応をしてくれたりするので、そうした反応を期待しているのかもしれませんね。
(入交先生)
猫のポーズに込められた気持ちを正しく理解し、上手に対応してあげられるとよいですね。
お話を伺った先生/入交眞巳先生(獣医師 東京農工大学特任准教授 米国獣医行動学専門医)
参考/「ねこのきもち」2024年7月号『写真がとらえた、その瞬間… しぐさ ポーズ 表情が語る 猫の気持ち』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。