猫がノミに刺されたときの症状とは?
猫がノミに刺されると、被毛に黒い砂粒のようなノミのフンがつき、かゆみを感じるようになります。もし猫が後ろ足で頻繁に体をかいたり、毛繕いをしたりしている様子を見かけたら、ノミの寄生を疑って全身をチェックしましょう。
アレルギー体質の猫は要注意!
猫のかゆがり方には個体差があり、何百匹ものノミが寄生しても、軽いかゆみ程度の症状しか見受けられない猫もいます。その一方でアレルギー体質の猫の場合は、わずかなノミの寄生で「アレルギー性皮膚炎(FAD)」を発症するケースも。
アレルギー性皮膚炎を発症すると、かき傷ができるほど激しく体をかいたり、腰や尾の付け根部分を中心に脱毛を起こしたりすることがあります。猫がノミに刺されると、このような症状の他に病気になることがあります。なかには人にもうつる病気もあるので注意しましょう!
ノミを媒介して猫と人にうつる病気とは?
「瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)」
毛繕いの際に寄生したノミを食べてしまい、そのとき猫の体内に入った「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)」が、小腸に寄生して発症する病気です。瓜実条虫が成長すると、その片節の部分が切れて肛門周囲やフンにつきます。片節は米粒程度の大きさなので肉眼でもはっきりと見え、飼い主さんの発見によって感染が発覚することがほとんどです。
「猫ひっかき病」
「猫ひっかき病」は、猫が引っかいたり噛んだりしたときに、人にも感染する可能性があります。この病原体である「バルトネラ・ヘンセレ」は、猫に対して病原性はないので、猫が感染しても症状は一切出ませんが、18か月以上も感染が続くとされています。
この他にも、ノミが媒介して猫と人に感染する病気は多くあります。猫と人が健康的に共存するためにも、ノミの予防と駆除は飼い主さんとしての義務と言えるでしょう。
猫がノミに刺されたときの対処法とは?
動物病院でノミを駆除する
ノミを駆除する方法で効果が高いのは、動物病院で処方してもらう駆除薬です。この薬は大きく分けて3種類あります。
【駆除薬の種類】
① 背中の皮膚に直接つけて皮脂腺に有効成分を蓄積させ、徐々に皮膚や毛の表面に放出することで効果を発揮するタイプ
② ①と同じ成分でスプレー式のタイプ
③ おやつ感覚で食べて、血中から皮膚の毛細血管に有効成分が届いた効果を発揮するタイプ
どちらも効果は1~2か月ほど持続します。成虫を殺虫するのはもちろん、薬によっては卵の孵化を抑制し、幼虫からサナギへの変態を阻止する成分が入っているものもあります。
市販薬でノミを駆除する
市販でも皮膚につけるタイプや、首輪タイプなどの駆除薬が発売されています。しかし市販薬の中には、猫には刺激が強いピレスロイド系の殺虫剤などに使用される成分が含まれているものもあるので、選ぶ際には注意しましょう。
ノミ取りシャンプー、ノミ取りくしでノミを駆除する
ノミ取りシャンプーという手もありますが、これにもピレスロイド系の駆除剤が使われているケースがあります。ただしノミを殺すほどの濃度ではないため、効果が感じにくいこともあるでしょう。また、ノミ取りシャンプーは肌荒れの原因になる場合があるので、導入する際は注意が必要です。
猫と飼い主さんの健康のためにもノミ予防に取り組んで!
このように猫がノミに刺されると、人にも病気を感染させる可能性があります。まだノミが寄生していない猫には、定期的に駆除薬を投薬することが予防につながります。かかりつけの獣医師に相談の上、愛猫のノミの予防に取り組んでみてはいかがでしょうか?
参考/ねこのきもち WEB MAGAZINE『愛猫がノミに寄生されていたら?~原因、症状、対策』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。