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【獣医師が監修】猫ってネズミを食べるの? もし食べたら……?

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猫の好物といえばネズミ……ですが、本当に捕まえてきたり、食べてしまったらどうしたらいいのでしょうか? 猫がネズミを食べたがる理由から、もし食べてしまったときの対処法まで解説していきます。

ネズミを狙う猫

なぜ猫はネズミを食べたがるのか?

猫は基本的に、ほかの動物を捕らえて食べる肉食動物です。体の大きさからいって、猫が捕まえるサイズの獲物として最適なのがネズミ。小さくて、カサカサ動き回るネズミは、猫の狩猟本能を刺激する動物なのです。

野良猫や放し飼いの猫にとって、ネズミは獲物の一つ。おなかがすけば、ネズミを食料と見なし、追いかけて捕まえ、食べてしまうことは当たり前のことなのです。

もしネズミを食べたら病気・感染症に注意

猫にとってネズミが獲物だということは当たり前……だといっても、実際に食べてしまったときは飼い主さんにとって注意が必要。なぜかというと、ネズミはさまざまな寄生虫や病原菌を持っていることがあり、ネズミを食べることで猫が病気に感染したり、食中毒を起こしたりする可能性があるのです。

食中毒を起こした猫は、丸くなってじっとしていることが増えたりぐったりとして元気がなくなります。また、嘔吐と下痢を繰り返すようになります。もし愛猫がネズミを食べたことが分かったら、すぐにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

また、殺鼠剤を食べているネズミを誤食することで起こる殺鼠剤中毒にも注意が必要です。

ネズミを食べた猫が注意したい病気

ネズミをくわえる猫

ネズミを食べることによって、猫にはさまざまな病気がうつる可能性がありますが、とくに注意したい病気を3つ紹介します。そのうち2つは、猫を通じて人に感染し、重大な症状を引き起こす病気です。

トキソプラズマ症

猫がネズミを食べて感染する可能性のある病気の一つが、トキソプラズマ症です。トキソプラズマ症はネズミだけでなく生肉を食べることでも感染のリスクがあります。トキソプラズマ症は、猫の排せつ物に含まれる原虫を口にすることによって人にも感染しますが、猫が初めて感染した場合だけ、感染後数日たってから10日間ほどの期間虫体を排泄する、猫の便に含まれる虫体が感染力を持つようになるのは24~72時間たってから、などの特徴があるため、猫から直接人への感染はまれであると考えられています。ただし、便に含まれた虫体はそのままだと数ヶ月間は生きているため、便の処理やトイレの衛生管理には注意が必要です。

トキソプラズマ症に感染しても、多くの猫や人は自然に治癒しますが、注意したいのが人の妊婦。初めてトキソプラズマに感染した猫から、人が妊娠初期に初めてトキソプラズマ症に感染した場合、流産や、胎児の重篤な障害(TORCH<トーチ>症候群)につながる可能性があるのです。妊娠を考えている猫の飼い主さんは、愛猫がネズミに接したりしないような環境づくりを考えたり、猫との接し方、排泄物やトイレの片づけなどの正しい知識を身につける必要があります。

実際に猫から人にトキソプラズマ症がうつることはまれですが、心配な場合は病院に相談してみましょう。もし猫がトキソプラズマ症に感染している場合は駆虫薬などで対応します。

エキノコックス

もう一つ、注意したい病気がエキノコックス症。北海道のキタキツネや犬に感染することで知られている病気ですが、最近猫にも感染することが分かってきました。エキノコックス症は、エキノコックスに寄生されたネズミを食べることで猫に感染します。人には、猫の排せつ物に含まれたエキノコックスやその卵を口にすることで感染します。猫に感染した場合は駆虫薬で対応できるのですが、いったん人に感染すると5~20年の潜伏期間を経て全身に寄生し、無治療の場合、最終的には死に至ります。早期診断ができれば予後良好とのことなので、予防に重点を置く必要があります。

いままでは北海道のキタキツネがエキノコックスの寄生虫を持っていることで知られていましたが、最近、愛知県で野犬のふんからエキノコックスが検出されました。愛猫への感染を防ぐためには、ネズミを食べないよう注意をすることが必要です。

ネコ条虫

ネコ条虫は、猫の小腸に寄生し、長さは30~60センチメートルに達します。感染猫の便に含まれている卵をネズミが食べるとネズミの体内で孵化し、そのネズミを食べることで猫に感染します。この条虫は頭を小腸の壁に深く食い込ませるため、腸に穴が空くこともあります。

感染しても症状が現れることはまれですが、猫の肛門からはいだしてうごめく条虫をかゆがって、猫がお尻を地面にこすりつけるなどのしぐさを行うことがあります。

また、多数の条虫が寄生すると猫は食欲や元気がなくなり、嘔吐や下痢、腹痛などの症状を現します。

治療には駆虫薬を使用して対応します。

食べたかな?と思ったら……

もし飼っている猫がネズミを食べた可能性がある場合、飼い主さんと猫の関わり方を改めて見直す必要があります。

●猫トイレのお世話をした後、しっかり手指を洗う
●口移しでフードを与えたり、口周りをなめさせるなど過度な接触は控える
●爪でひっかかれた場合はすぐに洗って消毒する
●獣医師に相談して、必要に応じて駆虫薬を使用する

このような点をしっかり改善して、猫から人への感染を防ぎましょう。

ネズミを食べることを防ぐには?

ネズミを見つめる猫

もし屋外に出入り自由の飼い方をしているのだったら、外で愛猫がネズミを食べたとしても飼い主さんには分かりません。完全室内飼いにすれば、ネズミを口にする可能性は十分低く抑えられますが、ネズミのほうから家の中に入ってくる可能性もないとはいえません。

ただ、ネズミを見つけたからといって全ての猫が食べてしまうわけではありません。猫にも好みがあるでしょうし、普段からしっかりフードを与えられて栄養が十分であれば、わざわざ捕まえようとしないかもしれません。

まとめ

猫がネズミを狙うのは、狩猟する動物としての本能。なかなか抑えられるものではありません。とはいえ人に感染する重大な病気の原因になりかねませんから、なるべく愛猫にはネズミを口にしてほしくないところです。100%とはいえないかもしれませんが、室内飼いにすることである程度対応は可能。逆に愛猫を外に出している飼い主さんは、ネズミを口にする可能性を考えて、愛猫との接し方に問題がないかどうか、いま一度見直してみましょう。

監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/コージー根本
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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