1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 病気の予防
  5. 発症しないまま元気に過ごす猫も! 猫エイズの特徴や予防法などを獣医師が解説

猫と暮らす

UP DATE

発症しないまま元気に過ごす猫も! 猫エイズの特徴や予防法などを獣医師が解説

感染するとすぐ命に関わるというイメージを抱く人も多い「猫エイズ」。しかし実は、感染しても発症しないまま、長く元気に過ごせる猫も多いのだといいます。

今回は、猫エイズの特徴や予防法などについて、獣医師の小林清佳先生伺いました。

猫エイズはどんな病気?

香箱座りをする猫
Photo by Getty Images
猫エイズはFIV(猫免疫不全ウイルス)によって感染する病気ですが、感染するとすぐに発症するわけではありません。

感染直後に数週間~数カ月、発熱やリンパ節腫大などのカゼのような症状があらわれる「急性期」を過ごしますが、その期間を過ぎると「無症候キャリア期」と呼ばれる期間に入ります。

これはウイルスの潜伏期間で、何も症状はあらわれず、感染していない猫と変わらない生活を送ることができます。その長さには個体差がありますが、数年から10年以上にもわたります。

このため、猫エイズキャリアであっても、発症しないまま平均寿命を超えて元気に過ごす猫も少なくありません。

猫エイズはおもに猫同士のケンカで感染

猫エイズは、おもに猫同士のケンカ時の噛み傷から感染します。ウイルスは感染した猫の唾液中に存在し、ほかの猫を噛んだ際に傷口から体内へと入り込みます。外で暮らす未去勢のオスは、縄張りやメスの猫を巡って激しく争うことが多いため、比較的感染率が高い傾向にあります。

ただ、ウイルスは体外に出るとごく短時間で感染力を失う特性をもち、空気感染や食器・猫トイレなどを介した感染はほとんどありません。感染した母猫から子猫へ母子感染をすることはありますが、母猫が感染していても、子猫が感染していないケースも多くあります。

猫エイズを発症するとどうなる?

猫エイズを発症すると徐々に免疫機能が失われ、もともと患っていた口内炎や歯周病が悪化したり、さまざまな感染症にかかりやすくなって下痢、気管支炎、皮膚炎を起こしたり、腫瘍ができやすくなったりします。

また、骨髄が破壊されるため貧血を起こしやすくなり、やがて食事をとれなくなって衰弱します。

猫を複数飼いしている場合は感染猫と居場所を分けるのが理想

猫エイズキャリアの猫は、できれば1匹だけで飼うのがベスト。居場所の共有で感染することはほとんどありませんが、可能性がゼロとはいいきれません。複数飼いの場合は、キャリアの猫とそうでない猫の居場所を分けるのが理想です。

また、仲がよい猫同士でも、甘噛みをしたときに傷ができて感染する可能性も。感染リスクを減らすためにできる対策はしておきましょう。居場所を分けることで、キャリアの猫にとってもストレスの少ない環境を整えやすくなります。

猫エイズは予防できる? 検査・治療方法は

足を伸ばしてくつろぐ猫
Photo by Getty Images
猫エイズの感染予防にもっとも有効なのは、猫を外に出さないことです。完全室内飼いを徹底し、感染猫とのケンカ、接触の機会をつくらないようにしましょう。

また、オスは去勢手術も感染予防につながります。未去勢のオスはメスの発情に誘発されて発情し、脱走・ケンカをしやすくなるからです。

猫エイズの検査方法は?

猫エイズに感染しているかどうかを調べるには、血液検査でウイルスに対する抗体の有無を調べるのが一般的です。動物病院で検査用キットを用いて調べ、結果も数分でわかります。

感染初期のまだ抗体ができていない時期に感染の有無を調べる必要があるときや、キャリア猫が発症したかどうかを調べる場合は、血液を外部機関に送ってよりくわしい検査(ウイルス量の測定やウイルスの遺伝子検査など)を行います。これらは結果が出るまでに数日かかるのが一般的です。

猫エイズの治療法は?

猫エイズは根治できる治療法がなく、発症後は症状をやわらげる対症療法が中心となります。たとえば、口内炎が悪化した場合は、炎症や痛みをやわらげる治療を行います。

また、免疫力を高める目的で、薬、サプリメント、インターフェロンなどを用いる場合もありますが、そもそも免疫が機能しなくなる病気なので、効果は限定的です。

迎えた猫が猫エイズキャリアだったときはどうすればいい?

布団の上でくつろぐ猫
Photo by Getty Images
猫エイズキャリアだとしても、キャリアのうちはほかの猫と変わらず元気に暮らせます。

発症を防ぐためには、ストレスを与えないことが大切。穏やかに快適に過ごせる環境を整え、寒暖差への配慮も万全にしましょう。また、ほかの病気予防のためのワクチン接種や、免疫を刺激する治療には注意が必要なので、かかりつけの動物病院で相談するようにしてください。

ただ残念ながら、飼い主さんがどんなに配慮しても発症してしまう場合も。そのときは、できる限りのケアをしてあげましょう。
猫エイズは、発症しないまま寿命をまっとうするケースも少なくありません。感染しても悲観しすぎず、健康な猫と同じように日々の生活を楽しみましょう。
お話を伺った先生:小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2025年12月号『“キャリア”ってどんな状態? 正しく知ってほしい猫エイズのこと』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る