猫と暮らす
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猫も「うつ病」や「パニック障害」になる? 心の病気に関するQ&A
ふだんよく耳にする病気について、獣医師の菊池亜都子先生に教えてもらいました。
①うつ病
うつ病は、人ではこんな病気
最悪の場合、自ら命を絶ってしまうことも。
Q.猫にもうつ病はあるの?
「うつ病は、じつは人でもまだきちんとした定義がなされていないそうです。また、猫に感情を尋ねてみることができないため、あるかどうかわからない、というのが正直なところ。
現状においては、猫に『ある』と明言することは難しそうです」(菊池)
②五月病
五月病は、人ではこんな病気
Q.猫も五月病になるの?
「猫の場合、新たなスタートを切る飼い主さんの影響を受けたり、それに伴い環境が変わったりしたときに心のバランスを崩すことはあるかもしれません。
ですが、人のようなうつ状態にまで陥ることはないでしょう。ですから、五月病はないと考えられます」(菊池)
③パニック障害
パニック障害は、人ではこんな病気
Q.猫もパニック障害になるの?
「何かに刺激され、興奮状態からそばにいる人や猫を噛んだり引っかいたりする『転嫁性攻撃行動』は、パニック状態に近く、比較的似ているといえるかもしれません。
ただ、人の『パニック障害』の定義に当てはまるかというと、難しいでしょう」(菊池)
④不眠症
不眠症は、人ではこんな病気
Q.猫も不眠症になるの?
「近所で大きな工事をしていたり、知らない人の話し声が聞こえてきたりすると、物理的に継続して眠れないということは猫にもあるでしょう。
ただし、猫と人の睡眠時間や状態はそもそも異なるので、似た症状でも『不眠症』とはいえないかもしれません」(菊池)
⑤PTSD
PTSDは、人ではこんな病気
Q.猫もPTSDになるの?
「たとえば体罰や地震など、猫にもトラウマ的な体験はあります。過去のトラウマ体験が蘇ったり、その体験を思い出す場所を避けたり、警戒心が異様に強くなり背後の物音にも過敏に反応したりすることはあるので、『PTSD』は『ある』と考えられるでしょう」(菊池)
(監修:獣医師、東京大学附属動物医療センター行動診療科にて、犬猫の治療に従事。 菊池亜都子先生)
イラスト/mollydomon
文/sorami
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