愛猫を見て、「もっとフレンドリーだったらいいのにな」と感じたことはありませんか? じつは、人好きな猫にするのにもっとも重要な時期は子猫期なのだとか!
今回は「人好き猫」にすることのメリットと、子猫を飼い始めた人が知っておきたい「人好き猫」への育て方について清澄白河アニマルクリニック院長 本池俊仁先生にお話しを伺いました。
「人好き猫」にするメリット5つ
人なれをしている猫だと、いろいろなメリットがあります。ここでは5つ紹介します。
①爪切りや歯磨きなどのお手入れをしやすい
健康管理や事故防止のためにも、爪切りや歯磨きは日頃からしておきたいお手入れです。ただ、体を押さえつけられるのを怖がり、お手入れ自体が嫌いな猫も。
人好き猫であれば、体を拘束されてもあまり怖がらず、お手入れしやすくなります。
②知らない人が家に来ても、恐怖やストレスを感じにくい
猫にとって、家のなかは大切な縄張りです。来客があると、「見知らぬ人に縄張りを荒らされるのではないか」と不安になり、ストレスを感じてしまうことに。
家族以外の人に対しても恐怖心を抱かないようになると、たとえ来客があってもマイペースに過ごせて、ストレスを感じにくくなるでしょう。
③泊まりで家を空けるとき、他人にお世話を頼めるようになる
家族以外の人でもなれやすい人好き猫であれば、飼い主さんが留守にするときも知人やペットシッターに安心してお世話を頼むことができます。遊んでもらったりして、猫も留守中に退屈せずにすむでしょう。
④家族が増えたときに早くなれやすい
新しい家族が増えることも、猫にとっては大きな変化で一大事! 人好き猫であれば人に対して好奇心が強いので、自らアプローチをしようとします。警戒心の強い人見知りの猫に比べて、新しい家族とも早くなれることができるでしょう。
⑤一緒に過ごす時間が長いため、飼い主さんが体調不良に気づきやすい
人好き猫は、飼い主さんに近づきたがる傾向があるため、一緒に過ごす時間が長くスキンシップもとりやすいです。そのため、猫のちょっとした体調不良にもいち早く気づくことができ、病気の早期発見にもつながることがあります。
人になれている猫だと、お世話の面でもやりやすいなどメリットがあるのです。愛猫もそんなコになってくれたらいいですよね!
ふだんのお世話で子猫を「人好き猫」にする4つのコツ
ここからは、今まさに子猫を飼っている飼い主さんが知っておきたいスキンシップについて紹介します。飼い主さんは、母猫になったつもりでスキンシップすることが大切に。飼い主さんでも実践できる日常のスキンシップのコツを覚えて実践してみてくださいね。
①顔周りを歯ブラシでブラッシングしてみよう
歯ブラシは、猫の舌のザラザラ感とよく似ています。そのため、子猫は歯ブラシでブラッシングをされると、母猫に舐められているように錯覚して、うっとり気分に♪ 猫同士がよく舐める顔周りをやさしくブラッシングしてあげてみてください。
歯ブラシのタイプは、幼児用やコンパクトサイズの歯ブラシで、毛のやわらかいものを選びましょう。
②足先を軽く握り爪を出す練習をしよう
爪切りが苦手な猫は、爪切りをする人のことを嫌うことがあります。そうならないよう、子猫のときから爪を切られる感覚にならしておきたいですね。
子猫がリラックスしているときに前足と後ろ足の先をやさしく握って、肉球を軽く押してみるのが、ならすためのコツです。
③全身を触られることになれさせよう
人と猫も触れ合うことで絆が強まって、お互い好きな気持ちが高まります。また、体を触ることは健康チェックにもなります。子猫のうちから全身を触られることになれさせておきましょう。
子猫の顔周りを触りながら、お腹も撫でてあげてみてくださいね!
④多くの人に会う機会をつくろう
子猫は9週齢頃までに、人や猫、異種動物と楽しく触れ合うことで、フレンドリーな性格になりやすいといわれています。子猫が怖がらないようであれば、知人を家に招いてみたり、キャリーケースに入れて外出したりして、ならしていきましょう。
やりがちだけど逆効果! やってはいけないスキンシップ2つ
最後に、じつは飼い主さんはやりがちだけれど、猫が嫌がる逆効果なスキンシップがあります。下記の2つのようなことをしていないでしょうか?
- 人の手を使って遊ばせること
- 嫌がられても抱っこすること
手を使って遊ばせてしまうと、猫にとって手が「攻撃の対象」となり、噛みグセにつながることがあります。
また、抱っこは本来、猫にとって不自然な体勢なので苦手なコも多いです。嫌がる猫には無理強いはしないようにしましょうね。
参考/「ねこのきもち」2017年10月号『3人のプロが教えてくれたとっておきのコツ タイプ別 人好き猫の育み方』
(監修:東京都江東区の清澄白河アニマルクリニック院長 本池俊仁先生)
文/sorami