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予防できない怖い病気「猫の心筋症」 早期発見のための習慣2つ

猫の心臓病の中でも、特に発症率が高いといわれる心筋症。かかると命にかかわるケースが多い、怖い病気です。気づきにくいという点もこの病気の恐ろしいところ。早期発見に役立つ習慣とともに、心筋症についてくわしくご紹介します。ぜひ参考にしてください。

命を失う危険のある病気、心筋症とは?

首をかしげてこちらを見つめる猫
Photography by Adri/gettyimages
猫の心筋症とは、心臓の筋肉に異常が起こり、心臓の機能が低下する病気です。
気づかないうちに病状が進行すると、心臓内の血のめぐりが悪くなって血の塊(血栓)ができ、それが全身へ流れたときに細い血管に詰まる「大動脈血栓塞栓症(ATE) 」という合併症を引き起こして、突然死を招くことがあります。

かかりやすい年齢や猫種は?

猫の心筋症について、はっきりとした原因はまだ解明されていません。生後3カ月から17才までの幅広い年齢で発症例が報告されており、年齢にかかわらずどの猫でもかかる危険がある病気だといえるでしょう。

なお、心筋症を発症しやすい猫種についてはわかってきています。メインクーン、アメリカンショートヘアー、ブリティッシュショートヘアー、スフィンクス、ペルシャ、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャット、ヒマラヤンはかかりやすいとされており、特に注意が必要です。

予防や検査、治療法は?

残念ながら、猫の心筋症は予防できません。ただし、心臓超音波(エコー)検査での早期発見が可能です。治療については、心臓の収縮機能を高める強心薬や血栓を予防する抗血栓薬などを投薬し、病気の進行を遅らせて症状をやわらげる内科的治療が中心となります。

早期発見のための習慣1:心臓の検査を定期的に受ける

頭をなでられながら横たわる猫
krblokhin/gettyimages
このように予防ができない心筋症では、通常の定期検診だけではなく、心臓に特化した検査を定期的に受けることが大切です。
心臓マーカー(NT-proBNP)という検査は少量の血液を採血するだけでよいので、定期健診に追加することをお勧めします。この検査で異常があった場合に、超音波検査を受けるようにするとよいでしょう。

早期発見のための習慣2:心拍数をできるだけ毎日測る

やわらかな日ざしの中でやさしく抱きかかえられる猫
undefined undefined/gettyimages
そしてもうひとつお勧めしたいのが、心拍数をできるだけ毎日測ることです。
安静にしているときの猫の心拍数は、1分間につき通常は130〜160拍。運動したり興奮したりしたときには240拍程度まであがることもありますが、安静時も200拍以上の状態が続く場合は、心臓に異常がある可能性が考えられます。猫によって個体差があるので、日頃から愛猫の通常時の数値を把握しておくと、異常があったときに気づきやすいでしょう。

測り方:抱っこして、あるいは立ったままでもOK

心拍数を測るときは、猫の背後から両脇の下に両手を入れて抱っこして、トクトクと手に伝わってくる鼓動を数えるとよいでしょう。20秒間の心拍数を数えて3倍にすれば、ちょうど1分間あたりの数値になります。
抱っこを嫌がる猫の場合は、立ったままでも大丈夫。左右の脇の下から両手を入れて、同じように測りましょう。

心筋症は、とにかく早期発見を心がけて!

前足にあごを乗せ、アンニュイな表情の猫
chie hidaka/gettyimages
愛猫を突然失う悲しみは計り知れないもの。心筋症はとにかく早期発見することが大切です。
まずは心拍数の測定を毎日の習慣にして、少しでも異変を感じた場合は、動物病院で診察を受けるようにしましょう。
参考/「ねこのきもち」2020年10月号『どの猫にも、突然死の危険が 怖い心臓の病気 猫の心筋症』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
文/朱音
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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