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決断から飼い始めまで 猫初心者のための「子猫の飼い方」手引き

これから猫との暮らしを始める飼い主さんへ

これから初めて子猫を迎えようという飼い主さんのために、事前に何を準備すればよいのかや、基本的な飼育方法などをご紹介します。猫も人も幸せに暮らすために、ぜひ参考にしてみてください。

猫を飼うために準備するもの

猫を迎えたその日から必要となる猫グッズがたくさんありますので、事前にそろえておきましょう。

1.猫用フード

猫は完全肉食動物(植物性の物は全く必要としない)であり、人間とは必要な栄養素が異なります。手づくりフードでは猫が必要な栄養素をすべて満たすことは難しいため、基本的にはキャットフードを利用することをおすすめします。キャットフードには総合栄養食、療法食、おやつなどの種類があります。年齢別になっていることもありますので、それぞれ目的に応じて与えましょう。

2.猫用トイレとトイレ砂

猫は同じ場所に砂を掘って排せつする習性があるため、トイレのしつけは比較的楽です。猫用トイレにはさまざまな種類があります。またトイレ本体以外にも、その本体に入れる砂が必要です。

トイレ本体

・トレーだけのトイレ
猫砂を入れるトレーだけのトイレ。中に猫砂を敷いて、排せつごとに砂を取り除きます。
狭い空間での排せつが苦手な猫にはこのタイプがよいでしょう。ただし、砂が飛び散りやすいという面があります。

・フードつきトイレ
トレーをすっぽり覆うフードのついたトイレ。閉じた空間で排せつしたい猫にはこのタイプがおすすめです。砂が飛び散らず、臭いも拡散しづらいですが、中に臭いがこもるため嫌がる猫もいます。最近は出入口が側面ではなく、上面にあるものもあります。

・システムトイレ
トレーが上下二重構造になったトイレ。下段には専用の尿取りシートを敷き、上段はメッシュ状になっていて、そこに専用の猫砂を敷き、尿はメッシュを通って下段のシートに吸収される仕組みです。シートは1週間に1度取り換えればよいので、お掃除は一般のトイレよりは楽です(糞はほかと同様その都度お掃除が必要です)。

猫砂

猫砂の種類はたくさんあります。代表的なのは、鉱物系、紙系、木系、おから系、シリカゲル系などです。それぞれ特徴や処理方法が違いますので、愛猫に合ったものを選びましょう。

3.その他に最低限用意すべきもの

食器類、キャットタワー、猫ベッド、キャリーバッグ、爪とぎなどがあります。愛猫の好みなども見極めながら用意していくとよいでしょう。

猫に安心・安全な環境を整えましょう

猫はその習性や身体能力から、思いもよらない事故が起こることがあります。また、脱走にも配慮しなければなりません。猫にとって安心かつ安全な環境についてご紹介します。

1.脱走防止

猫は頭さえ入れば、ちょっとした隙間から脱走してしまうため、実際毎年かなりの数の猫が迷子になっています。そうならないためにも、玄関前には脱走防止扉(猫用に背の高いもの)をつけたり、窓には柵や金網を設置したりするなど工夫が必要です。

2.閉じ込め事故防止

知らない間に部屋に入ってしまい、閉じ込めてしまうことは猫によく起きる事故です。夏場でクーラーも効かない場所であれば、熱中症の危険もあります。ドアストッパーをうまく活用し、猫が出入りできる場所は閉まらないように、反対に出入りできない場所は開かないようにすることが大切です。

3.誤飲事故防止

猫は、舌の構造から一度口に入ったもの、特にひも状のものを吐き出すことが難しく、誤飲事故の多い動物です。場合によっては緊急処置が必要なことも。ふだんから猫が誤飲しそうな小さなもの、ひもや糸、おもちゃなどはしまっておきましょう。

4.転落事故防止

マンションなどで飼育する場合、ベランダや窓からの転落事故も少なくありません。まずはベランダに出さないことが先決ですが、例えば網戸ごと転落しないよう網戸自体を固定したり、手前に金網ネットをつけたりするなどの工夫が必要です。また、お風呂の浴槽に転落して溺れる事故も起こります。浴槽に水を張っている時は必ず蓋をし、さらに風呂場自体に入れないようにしましょう。

5.火傷事故防止

キッチンや暖房器具での火傷も猫に多い事故です。誤飲事故などの防止のためにも普段からキッチンに近づけないようにしましょう。暖房器具も、エアコンなどをメインにするなど火を使わないものに変えましょう。

6.高い所をつくる

猫は立体的に生活する動物です。広さよりも高さが重要で、キャットタワーなど、高い所との上下運動ができる空間を用意してあげましょう。

猫とよい関係を築くために

人とは違った社会性やルールで生きる猫と上手にコミュニケーションをとるにはちょっとしたコツがあります。
anurakpong/gettyimages

おもちゃを使ってよく遊ぶ

猫は遊び好きで、遊んでくれる相手を好きになります。おもちゃを使ってできるだけ遊んであげましょう。

かまって欲しい時だけかまう

猫が寝ている時や一人でいるときに、無理にかまうと嫌がられます。猫から甘えにきたときに、好きなだけ甘えさせてください。そして「もういい」というそぶりを見せたらすぐに引きましょう。

信頼されるまで目を合わさない

目をじっと見つめられることは猫にとって敵意の表れでもあります。信頼関係が築かれる前はあまり目を直視しないようにしましょう。一方、猫がうっとりとした目で見つめてきたときは信頼の証です。

いつも穏やかでいる

大声を出したり、ドタバタとうるさく動く仕草をしたりすることは、猫は苦手とし、恐怖を感じることもあります。いつも穏やかな声と動作を心がけましょう。

猫の感情を読み取る

猫は耳としっぽによく感情が表れます。耳を伏せたり、しっぽを素早く振ったりする動作は嫌な気分の表れです。そのようなときは、していることを中止し、一人にしてあげましょう。

まとめ

猫は私たちにたくさんの幸せを与えてくれます。もちろん大変なこともありますが、それさえもかけがえのない大切な時間になるでしょう。飼い主さんは、最後のその時まで愛猫が幸せであるように、きちんと責任を持って飼育してあげなければなりません。猫を飼い始めるときには、ぜひそのことを忘れないようにしてください。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。
監修/白山聡子先生(獣医師)
獣医師資格取得後、小動物臨床に従事。主に犬猫の臨床に携わる。現在は育児と仕事を両立させながら、愛猫と暮らしている。

取材・文/大口亜紗
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