日々、成長を実感する!大切な「子猫期」
初めて猫を飼育する場合は成長の過程がよくわからず、不安になってしまうことがありますよね。猫の気持ちを理解し、仲良く暮らしていくためには体の成長と心の成長を把握しておくことが大変重要です。
そこで今回は、猫の成長過程を詳しく解説!
成長過程で「飼い主さんがやってはいけないこと」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
子猫期はいつまで?
体の成長は?
生まれたばかりの子猫の体重は、およそ100~130gほどですが、生後1週間も経つと220~280gほどに成長します。その後は生後1カ月で体重430~500gほど、生後2カ月で550~700g、生後3カ月で1kg前後になります。そして、生後6カ月を過ぎると、生まれて間もない頃のような急激な体重の増加は見られなくなり、生後12カ月頃には3~5kg程度の体重で落ち着き始めます。個体差もありますが、生後12カ月の頃の体重は、その子の基準になる体重だといわれているので、その後に大きく増減がないようにしていけるようにしましょう。
歯の成長は?
猫も人間と同じで、初めに乳歯が生え、その後永久歯に生え変わります。乳歯は生後3週間くらいから生え始め、生後2カ月ほどで生えそろい、その後、生後3カ月頃から生後6カ月頃にかけて永久歯になっていきます。
ちなみに猫の歯は乳歯のときは切歯(人間でいう前歯に当たる部分)が上下に6本ずつ、犬歯(尖っている歯)が上下に2本ずつ、臼歯は上に6本、下に4本の計26本ですが、永久歯に生え変わるときは後臼歯が上下に2本ずつ加わるため、計30本になります。
心の成長は?
猫の心の成長に一番影響を与えるのが、生後2~3カ月の頃です。この時期は、社会性を身につける時期だといわれているため、様々な猫や人間と触れ合わせるのがよいとされています。人間や猫と関わり社会性を身につけた子は、成猫になっても人間社会の中でストレスを感じにくくなり、そそうやかみつきなどの問題行動が見られにくく、穏やかな性格に育ちやすくなります。
成長の過程でやってはいけないこと
フードを自己判断で調節する
子猫がフードをたくさん欲しがるけれど、肥満予防のために控えてしまうという飼い主さんもいるかもしれませんが、それはNGです。子猫期は活動量が多く、体の成長のためにも多くのエネルギーが必要ですので、欲しがるだけ与えてあげましょう。
生後半年を迎えるころになると成長が落ち着いてくるため、その分のエネルギーは必要なくなってきます。去勢や避妊手術を行った場合は、性欲が薄れた分食欲が強くなることが多いため、フードやおやつを与えすぎないようにしましょう。肥満予防として、低カロリーフードへの変更を検討するのもおすすめです
生後3カ月までは親猫やきょうだい猫とできるだけいさせる
猫の心を健やかに成長させていくには、生後3カ月まではできるだけ親やきょうだい猫と暮らせるように努めましょう。社会性が育まれるこの時期は、同じ年頃の猫と過ごさせるのもよいです。猫はほかの猫たちと過ごす中で、猫社会のルールを学んでいきます。「どのくらいの強さで相手をかめばいいのか」「どうほかの猫にじゃれればいいのか」といったことを猫が学んでくれたら、多頭飼いもしやすくなり、猫自身も穏やかな気持ちでほかの猫や人と暮らしていくことができます。
手や足を使って遊ばない
子猫の時期はじゃれる姿がかわいくて、自分の手足を使って遊ぶ飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし、そういった遊び方をしていると、人間の手をおもちゃだと認識し、かみ癖のある子に育ってしまうことがあります。ですから、子猫のうちから遊ぶときにはしっかりと猫用のおもちゃを使用していきましょう。
まとめ
猫の心身を健やかに成長させるには、飼い主さんのサポートが欠かせません。子猫を育てていくときは体重や毎日の健康状態だけではなく、心の成長にも目を向けながら、適切なお世話をしていきましょう。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。
監修/白山聡子先生(獣医師)
獣医師資格取得後、小動物臨床に従事。主に犬猫の臨床に携わる。現在は育児と仕事を両立させながら、愛猫と暮らしている。
取材・文/大口亜紗