猫が好き
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「おかしい…バッグが異常に重いんです…」ねこばなし3つのエピソード 【連載】渋ネコししまるさん #62
今回は、ししまるのちょっとしたエピソード「ねこばなし」をお送りします。

いつの日か、蚊取り猫に…
夕方、外から帰ってくると、蚊を家の中に引き入れてしまうことがあります。
「蚊め、どこいった…」
動体視力の衰えか、最近はすぐに見失うのですが、そんな時はししまるの出番です。
突然、天をキッと見上げる、ししまる。
そして短く鳴くあの声「カカカカカ」。
私の頭の中では「蚊蚊蚊蚊蚊」と変換されています。
「でかしたぞ、ししまる」
こうしてししまるは、蚊がいる場所を教えてくれるのでした。
今年もししまるのセンサーは、大活躍です。

こんな日に限って…
コロナ禍前の夏の話です。
自動給餌機を導入してから、1泊2日の家族旅行をするようになりました。
荷造りをしていると、いつもししまるが旅行バッグの上に座ってきます。
おもちゃでししまるの気をそらすのですが、頑なにバッグから降りようとしないのです。
「旅行に行ってはいけないという合図だったりして」
何気ない妻の一言に、思い出すのは、怖いテレビ番組。
『あなたの知らない世界』や『ほんとにあった怖い話』が頭をよぎりました。
「猫しか知らない世界…なんちゃって…」
ししまるは、そんなビビりな私に気がついたのか、のびぃ~っとしながらバッグから離れてくれたのでした。

箱猫ししまるの誕生
ししまるを迎え入れて間もない頃、寝室がししまるの部屋でした。
ある日ししまるは、ベッドの上で飛び跳ねたり、下に潜り込んだりと大興奮。
呆れるくらいしつこく走り回っていましたが、突然、ガッという音とともに、静かになりました。
ベッドの下では、ぼうっとしたししまるが、鼻をペロペロ。
引っ張り出してみると、鼻からは鮮血が垂れ、ベッドの足には血がついていました。
初めての経験でてんやわんやの私たち。血はすぐに止まり、特に何も無かったのでほっとしました。
その後ベッドの足は取り外し、ベッド下の隙間をなくしました。
潜り込む場所がなくなってしまった、ししまる。
その代わりでしょうか、それ以後は部屋の隅に置かれた箱に入るようになりました。
これが、『箱猫ししまる』の始まりかも知れません。


登場人物

Taco(たこ)プロフィール
東京在住の漫画家・イラストレーター・キャラクタデザイナー。
「ちいさな猫を召喚できたなら」「3匹のちいさな猫を召喚できたなら」「ぷっちねこ。」(徳間書店)など、好評発売中。「ちいさな猫を召喚できたなら」は重版後、韓国版・インドネシア版も発売。今年は中国版が出版。
現在、Web上では不定期に新作漫画を更新中。詳しくは以下のSNSへ。
・Instagram
Tacoのインスタ: @tacos_cat
ししまるのインスタ: @emonemon
・Twitter:@taco_emonemon
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