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「よっこいしょ」の声が聞こえる?はかない夢のキャットタワーのお話【連載】渋ネコししまるさん #89
ししまるの渋さは年を追うごとに加速し、おじさんを通り越しておじいさん。
ちょっと動いただけで「よっこいしょ」の声が聞こえてきそうです。
そんな訳で、平均的なワイルドキャットよりは安全な暮らしになるよう、心がけてきました。
そんな私でも、どうしても捨てきれなかった夢が”キャットタワー”。
引越のタイミングも後押しして、購入したのは5年前。
私がいないときは登れないようにしていたので、ししまるは「低地ときどき高地」でリラックスしていました。
そんなししまるの様子に、私も大満足でした。
健康診断のため、ししまるを動物病院へ。
結果は特に問題も無く、先生と雑談。
「ししまるちゃんは足腰が弱いから。これからも気をつけないとね」
『そうそう、そうだよね』
…と、心で同意はしたものの、ふとあのキャットタワーが頭をよぎりました。
そして先生は続けてひと言。
「キャットタワーとかは使わない方が良いよね」
獣医師の「いし」を「意思」と変換するならば、先生は『獣の意思を知るもの』か。
間違いなく、私の心を見透かしたに違いない…。
気をつけて使っていたとはいえ、キャットタワーがきっかけでししまるが怪我でもしたら、その後に残るのは、ししまるのつらさと私の後悔の思い。
改めてししまるとキャットタワーを観察してみると、それほど使用してはおらず。
た~まにイライラしたときに支柱を羽交い締めにするだけだったので、キャットタワーは撤去となりました。
ししまるのイライラ解消は私の手足への猫キックに戻りました。
その後、ソファーやベッドなどの段差にはステップを付け、リラックス出来る場所を増やしました。現在の部屋の箱だらけは、これも一つのきっかけだったと思います。
ししまる『上へ上へを目指すのもええ。じゃが、大事なモンは、足下にあるもんじゃて』
いつか階段の段差にも、ステップを付ける日がくるかも知れません。
そのタイミングは、ししまるの「よっこいしょ」と相談しながら考えることにします。
プロフィール
東京在住の漫画家・イラストレーター・キャラクタデザイナー。
「ちいさな猫を召喚できたなら」「3匹のちいさな猫を召喚できたなら」「ぷっちねこ。」(徳間書店)など、好評発売中。「ちいさな猫を召喚できたなら」は重版後、韓国版・インドネシア版も発売。昨年は中国版が出版。
現在、Web上では不定期に新作漫画を更新中。詳しくは以下のSNSへ。
Tacoのインスタ: @tacos_cat
ししまるのインスタ: @emonemon
・Twitter:@taco_emonemon
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