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猫が舐めると危険な液体とは? 具体例と症状について獣医師が解説

猫が誤って舐めてしまうと危険な液体があるようです。ものによっては、命にかかわる恐れもあるといいます。

猫にとって危険な液体にはどのようなものがあるのか、ねこのきもち獣医師相談室の藤井亜希奈先生が解説します。

猫が舐めると危険な液体とは?

ベロを出す猫
getty
界面活性剤系の洗剤を猫が舐めると、口腔内をはじめ消化管を刺激し、腹痛、下痢、嘔吐、消化管出血、まれに痙攣や肝障害などが起きる可能性があります。

酸性・アルカリ性の洗剤であれば、組織の腐食性が高く、口腔粘膜・食道・胃などの粘膜を損傷する可能性があり、下痢、嘔吐などの症状を示します。また、目に入れば失明する場合も。

界面活性剤系の洗剤、酸性・アルカリ性の洗剤とも、台所で食器のつけ置きなどをしているときに猫が水を舐めてしまったり、お風呂場などの掃除の際に目を離した隙に舐めてしまうことで、事故が起こることが多いです。

同様のケースで、猫が舐めると危険な液体としては…
  • シャンプー(軽度の下痢)
  • タバコの吸い殻を水に浸したもの(ニコチン中毒として下痢、嘔吐、流涎、興奮、痙攣などの神経症状、亡くなることも)
  • 香水(急性アルコール中毒を呈するため、意識障害や酩酊など)
  • エッセンシャルオイル(肝障害や腎障害)
  • 園芸用の農薬(嘔吐、下痢、腹痛などの症状を中心に、薬剤の系統によって痙攣や呼吸困難、低血圧、昏睡などさまざまな症状)
  • 防水スプレー(肺障害)
  • ユリを飾っている花瓶に入っている水(急性腎障害)
  • 車の不凍液、保冷剤に含まれるエチレングリコール(嘔吐、元気食欲の消失、痙攣、急性腎障害など)
なども、猫にとって危険な液体として知られています。

多くの場合、飼い主さんが見ていないうちに猫が舐め取ってしまったり、イタズラによって落とし舐めたりして起こる事故が多いと思われます。

猫が危険な液体を舐めたら、どうすればいい?

見つめる猫
getty
上記のような危険な液体を猫が舐めてしまった場合、中には死に至る中毒性の高い液体もあります。猫が舐めてしまったなどの可能性が高い場合、まずはかかりつけの動物病院に連絡をし、指示を仰ぐことをおすすめします。

ごく少量であればそこまで症状が出ずに済むこともありますが、中には少量でも重篤な症状を出すものもありますので、まずは病院へ連絡をしましょう。

その間、飼い主さんが自宅でできることとして、猫の被毛に付着しているかもしれない液体があれば拭き取ってあげてください。
また、周囲に液体や物が散らばっていたり、イタズラした形跡があるなど、猫が口にした物が残っていることもあるでしょう。その場合は、猫が摂取した物、摂取した可能性がある物を動物病院に持参する準備をしてください。

猫が危険な液体を舐めたとき、動物病院でどのような治療をするの?

診察を受ける猫
getty
病院での治療は、摂取した物、量、時間経過、状態によって処置は異なります。猫の口にまだ液体が残っている場合は、さらに吸収するので拭き取ったり、飲み込まないように洗い流します。体に付着している場合も、残っていると舐めるので取り除きます。

吐かせたほうがよいと判断された場合、催吐処置をします。血液検査やレントゲン検査などをして全身状態を把握し、摂取物の解毒剤があれば使用して、点滴をします。

状況は時間とともに変わりますので、症状に合わせて治療をしていくことになります。
前足を舐める猫
getty
猫が舐めると危険な液体には、さまざまな物があるようです。猫が誤って舐めてしまわないよう、飼い主さんは日頃から管理には十分注意しましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・藤井亜希奈先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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