ストレッサーとは、ストレスの原因となる体外・体内のあらゆる刺激のこと。猫のストレッサーは日常のあちこちに存在しているので、ストレッサーについて正しく理解し、猫にとって極力ストレスの少ない生活を心がけることが大切です。今回は、愛玩動物看護師の小野寺温先生に、6つの猫のストレッサーについて解説していただきました。
猫のストレッサー(1)お手入れ
爪切りや歯磨き、投薬を行う際など、猫は体を長く拘束されることでストレスを感じます。とはいえ、これらは猫の健康を守るために必要なこと。なるべく短時間で終わらせ、少しずつ慣れさせてあげると、ストレスも軽減できるでしょう。
猫のストレッサー(2)体の不調
体の不調自体が猫のストレスになります。とくに猫は不調を隠す動物なので、“いつもと同じ様子”を装おうとする行為そのものも大きな負担に。飼い主さんが愛猫の不調に気付けず体調が改善されないと、さらにストレスを募らせてしまうでしょう。
猫のストレッサー(3)頻繁な来客
日常の変化を嫌がる猫にとって、自分の見慣れない人が突然来ることは、大きなストレスになります。さらに、来客中は飼い主さんの動きがせわしなくなって生活音が増えることも、猫の負担になることが。頻繁に来客がある場合は、注意が必要です。
猫のストレッサー(4)聞き慣れない音
ふだんの生活では聞くことのない花火や工事の大きな音は、聴覚の優れた猫にとって一層怖いものに感じます。猫によってはパニックになってしまうことも。同様の理由で掃除機を嫌う猫も多く、ロボット掃除機の場合は、予測不能な動きも怖がる原因のひとつと考えられています。
猫のストレッサー(5)生活環境の変化
縄張り意識の強い猫にとって、意図しない環境の変化はストレスになります。たとえば、引っ越しや家族構成の変化、自分のトイレの位置が変わるといったことが負担に。また、飼い主さんがかまってくれない時間が増えるなども、猫にとってはストレスになることがあります。
猫のストレッサー(6)仲の悪い同居猫やノラ猫
苦手な同居猫がそばにいると、トイレや寝床でも落ち着けません。また、知らないノラ猫については、自分のテリトリーから見えるというだけで脅威に。窓を介していても「安全な場所を取られるかも」と、猫は不安に感じてしまうのです。
猫のストレッサーについて知っておけば、愛猫のストレス対策に役立つはず。ぜひ参考にしてみてくださいね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2024年9月号『気付けるのは飼い主さんだけだから。不調につながる 猫のストレスサインって?』
文/長谷部サチ
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