子猫を見つけることは誰にでもありうることなので、適切な対応を知っておく必要があります。今回は、子猫を保護したときにすべき対応について「一般社団法人アニマルハートレスキュー」代表理事の山本りつこさんにお話を伺いました。
まずは体の状態を確認
子猫を保護したら、まずは動物病院で身体検査を受けましょう。猫の状態によっては入院が必要になるため、できるだけ早めの受診をおすすめします。
動物病院では、ケガや病気を調べるのと同時に、年齢や性別の確認もしてもらいます。
生後6ヶ月後をめどに再検査を
ウイルス感染の血液検査もおこないますが、子猫は母猫から抗体をもらっているため、ウイルス反応が正しく出ない場合があります。
生後6ヶ月後をめどに再検査を受け、結果が出るまではほかの猫と接触させないようにしましょう。
こんなときはすぐに病院へ!
見つけた子猫が次のような状態のときは、すぐに動物病院を受診しましょう。
へその緒がついている
へその緒がついた猫は生後5日以内と考えられ、2時間おきの授乳が必要な状態です。また、へその緒は無理やり取ると細菌感染を引き起こすおそれがあります。動物病院で適切に処置をしてもらいましょう。
体温が低下している
子猫は自分で体温調節ができず、放っておくと体温が急速に低下してしまいます。健康な子猫の体温は38℃程度なので、もし自分のおでこよりも冷たい状態であれば危険です。湯たんぽやカイロをタオルで包んで、子猫の体を温めながら動物病院を受診してください。
ケガをしている
子猫は免疫力が低いので、ケガの程度によっては処置が遅れると障害が残ってしまうことがあります。猫の体勢や状態をできるだけ変えないように保護をして、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
成猫を見つけた場合の対応
見つけたのが成猫だった場合は、捕獲器で保護します。動物保護団体や保健所によっては、事前に連絡をすれば捕獲器を貸してくれることがあるので、問い合わせをしてください。
捕獲器は、猫の全身が入るように一番奥にフードを置いて、猫の通り道に設置しましょう。保護したあとは、子猫と同じように動物病院を受診してください。
むやみに保護してはいけないケースも
猫が首輪をしている場合は、飼い猫が外に出ているだけということもあります。ただ、飼い主さんが捜している可能性もあるので、一時的に保護をして保健所や警察に連絡してもよいでしょう。
また、耳の先がカットされている場合は、不妊治療を終えて管理されている地域猫のしるしという可能性もあります。
ケガなどの緊急時以外は、保護をせずにそっとしておきましょう。
迎え入れが難しいなら新しい飼い主を探す
保護した猫を動物病院に受診させたあとは、週齢や月齢に合わせてお世話をします。自宅に迎え入れるなら、必要なお世話グッズを用意しましょう。
迎え入れが難しい場合は、新しい飼い主を探す必要があります。飼育環境が整っていること、譲渡先の家族が全員同意していること、また、面談の上、最期まで責任を持って飼う意思があることなどを確認してから譲渡しましょう。
子猫を保護したら、健康状態を確認することが大切です。できるかぎり早めに動物病院に連れていき、適切な処置を受けましょう。
お話を伺った先生/ 山本りつこさん(一般社団法人アニマルハートレスキュー 代表理事)
参考/「いぬのきもち」2019年4月号『春は誕生の季節、出会ったときのために もしも子猫を保護したら…』
文/江村若奈
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。