片前足だけ伸ばす、後ろ足を投げ出すなど、猫はふだんさまざまな座り方をして、そのときの状態や感じている気持ちを表現していることをご存じでしたか? 今回は、哺乳動物学者の今泉忠明先生に、座り方からわかる猫の気持ちについて教えていただきました。
かわいく頭を傾ける「首かしげ座り」
座りながらかわいく頭を傾げるのは、物事を正確に見極めようとするときにする座り方です。不思議なものや気になるものを見つけたときに、首をかしげることによってさまざまな角度で凝視し、確かめようとします。相手の出方によっては、すぐに動き出せる体勢でもあります。
正座の体勢で片足を浮かせる「片足上げ座り」
前足に体重がかかっておらず、今にも立ち上がってパンチかジャンプをする直前のように、片足を浮かせて座ることもあります。はたく、逃げるなどのアクションをいつでも起こせるように、”正座”の体勢で身構えています。緊張感をもちながら相手の出方を待つ、猫らしい座り方といえます。
後ろ足を完全にリラックスさせる「横座り」
横座りは、後ろ足を投げ出してリラックスしている座り方です。後ろ足は完全に脱力状態ですが、上体は起こして周囲に注意を配っています。休みながらも、何かいいことが起きるのを期待して待っているのでしょう。
気になるものに前足を伸ばす「前足伸ばし横座り」
後ろ半身の力は抜いて休んでいますが、目の前に何か気になるものがあるのか、片方の前足で地面を押してふんばり、もう片方の前足を伸ばして何かに触れようとしている座り方。両前足ともに力が抜けているときは、完全にリラックスしているときのポーズです。
ものに前足をかける「箱のり座り」
ものに前足をかけて座ることもあります。これは角などを利用して前足首を気持ちよく曲げ、ストレッチをしています。猫にとってとても楽な姿勢でありながら、前に飛び降りたり、すぐにパンチしたりもできる、アクティブな気分のときによくする座り方です。
何気なく座っているように見えて、じつはさまざまな気持ちが込められている猫の座り方。どのような体勢で座っているか、足の状態はどうなっているかをよく観察して、愛猫が今どんな気持ちなのかを読み取ってみてくださいね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2022年10月号『いつものポーズから気持ちがわかる!? 注目!猫の座り方』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。