1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 寿命が伸びて増加傾向にある猫の認知症 気をつけたい猫の行動の変化とは

猫と暮らす

UP DATE

寿命が伸びて増加傾向にある猫の認知症 気をつけたい猫の行動の変化とは

人と同じように、猫も認知症になることがあります。猫が認知症を発症してしまったら、いったいどのような変化があらわれるのでしょうか? 今回は、獣医師の小宮山典寛先生に、猫の認知症の基本知識と、認知症で起こる行動の変化についてお話を伺いました。

猫の認知症とは?

ベッドにいる猫
krblokhin/gettyimages
猫の認知症(認知障害)は、脳の老化と関係して発症します。しかし人のアルツハイマー病と同様に、正常な加齢の変化とは異なる脳の組織構造変化と、脳内化学物質の変化によって生じます。
通常10才以上の猫に症状があらわれ、近年猫の寿命が延びているのにともなって、認知症を発症する猫は増加傾向にあります。しかしすべての猫が発症するわけではなく、約半数の猫は発症することなく一生を終えるようです。

猫の認知症かもしれない行動とは?

ひざでくつろぐ猫
Tunatura/gettyimages
猫の認知症が疑われる行動としては、「鳴き続ける」ということがあげられるでしょう。猫の認知症の特徴的な症状で、周囲の環境や状況に関係なく、何の目的もなく、昼夜を問わず鳴き続けることがあります。かなり進んだステージでみられる症状です。

また、自分がどこにいるのかわからなくなり、周りの環境に対応できなくなることも。たとえば、閉まっているドアに向かって歩く、飼い主さんを無視するなどの行動が見られることも。

活動性が変化する

活動性が増す場合と、逆に減る場合があります。増した場合は、何にも興味を示さない様子で目的なくうろうろと歩き回ることが。
一方、認知症によって活動性が減った場合は、ほとんど動かなくなるほか毛づくろいなどもしなくなることも。そのため、毛がボサボサとした状態になることがあります。

行動サイクルが変わる

それまでと睡眠・覚醒のサイクルが変わることがあります。たとえば、夜中に眠らず鳴きながらうろつく、昼間に長時間眠っているなど。
また食欲に関しても、異常に増したり、逆に低下したりすることがあるようです。増した場合は、つねに食事を要求することから、食べたことを忘れているように見えることも。

興奮しやすくなったり、攻撃的になったりする

脳の機能が充分に発揮されないため、興奮しやすくなることがあります。興奮すると、人に対して攻撃行動をとったり、家具や物に噛み付いたりすることも。

また、それまでは普通に接することができた人や物、特定の場所、騒音などに対して不安そうな様子を見せたり、恐怖を感じて怯えたりするようになることもあります。
今現在飼っている愛猫が、まだ子猫や若い猫であっても、早くから認知症の予防を取り入れていれば役立つこともあります。猫も長寿となった時代。少しでも長く、愛猫が元気に健康でいられるように、サポートしてあげたいですね。
お話を伺った先生/小宮山典寛先生(日本動物病院協会(JAHA)認定獣医内科認定医 NPO法人小動物疾患研究所理事長)
参考/「ねこのきもち」2018年8月号『認知症チェックシート付き 愛猫のこんな症状、もしかしたら認知症かも!?』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る