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【ねこのきもち|猫を飼いたい人に!】お留守番・費用・爪とぎの疑問に回答!
もし猫を飼いたいと思っていても、実際に飼うとなると心配なことがたくさんありますよね。たとえば、お留守番時の心配や費用面、部屋を荒らされないかなど、まだ一歩踏み出せない方も多いでしょう。今回は、そんな疑問にお答えします。
この記事の監修

佐藤 貴紀 先生
目黒アニマルメディカルセンター 東京ベイ動物病院顧問
株式会社FORPETS 代表取締役、JVCC動物病院グループ 代表取締役を経て、株式会社WOLVES Hand 取締役
麻布大学獣医学部卒業
西荻動物病院副院長
日本獣医生命科学大学獣医内科学教室研修生
dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長
株式会社FORPETS設立
●資格:獣医師/獣医循環器認定医
●所属:日本獣医循環器学会
●主な診療科目:循環器科
●書籍:『いぬのココロがわかる本』ぶんか社文庫/『お仕事熱血ストーリー 感動する仕事!泣ける仕事!第2期』学研/『教えて!獣医さん 犬の悩みなんでも相談室』学研プラス/『猫の急病対応マニュアル』鉄人社/『動物たちのお医者さん』小学館ジュニア文庫/『犬の急病対応マニュアル』鉄人社
●SNS:公式Facebook/公式ブログ/公式Twitter/YOUTUBE「名医のいる相談室
生き物を飼う上での責任

猫を飼う人が増えている一方で、年間3万頭もの猫が殺処分されているのをご存知でしょうか。それらの猫は「引越し先がペット禁止」「成長して可愛くなくなった」「猫が言うことを聞かない」などと、飼い主さんの勝手な都合で持ち込みされているとのこと。
負担になった猫を動物愛護センターへ持ち込みすると、最期まで面倒を見てもらえると思っている方も多いかもしれませんが、動物愛護センターや保健所に持ち込まれた猫のうち、およそ60%以上の猫が殺処分を受けているのです。まずは猫を飼う前にこういった事実をよく理解し、責任持って最期まで見届けられるようしっかりと検討してください。
一人暮らしだけど、猫は飼えるの?

一人暮らしでお仕事をしていると日中家を空けることも多く、猫を飼えるかどうか気になりますよね。飼い主さんが不在の間、猫がどんな行動をしているかというと、熟睡していたり、毛づくろいしていたりと、意外にも寂しがっている様子はないでしょう。猫は一日のうち15時間程度寝ていると言われており、飼い主さんがいない間はほとんど寝ていると言っても過言ではありません。
そう、猫はお留守番するにはぴったりの動物なのです。不安ならば「お留守番カメラ」を利用すると安心です。7,000円程度から購入できますし、不在時の猫の行動を外出先からスマホで確認できたり、部屋の温度が設定より高くなると通知する機能があったりするので、お留守番中も安心できそうですね。
個体差はあるものの、猫は犬のようにお散歩に行ったり、トリミングに行ったりする必要もありません。犬よりも飼育に手間がかからず、忙しい一人暮らしの方にもオススメです。それでも家に帰ったら、しっかりと甘えさせてあげてくださいね。
猫を飼うのにかかる費用は?

猫の平均寿命を15年として仮定すると、生涯費用は100万円程度だと言われています。それでは「猫を飼う時にかかる初期費用」「ランニングコスト」「医療費」の3つに分けて説明します。
猫を飼う上でかかる初期費用
猫を飼う際に必要になるグッズは、フードやお水用のお皿、トイレ、トイレの砂などです。必要に応じて、ゲージ、キャリーバック、ペット用のベッド、ブラシや爪切り、爪とぎ、キャットタワー、おもちゃなどを買いそろえてあげましょう。今は100円ショップで購入できるものもあるので、比較的安く手に入りますよ。また、迷子予防のためにマイクロチップの装着も検討してください。
もし猫をペットショップで飼うとなると、数万〜数十万円ほどかかりますが、「里親」制度を利用するという方法もあります。「里親カフェ」には、動物保護センターなどから譲り受けた猫が在籍しており、気に入った猫を譲り受けられることも。それらの猫は血液検査やエイズなどのウイルス検査もされていて、予防接種や避妊手術も終わっている猫もいるので、その場合は手術などの心配もせず、さらに保護猫を助けることにもつながります。ただ、きちんと育てていけるか厳しい審査もあります。
また、保護団体や保健所から譲り受ける方法や、最近では保護団体を統括しているポータルサイト(マッチングサイト)もあるので、購入という以外の選択肢も活用できると良いですね。
ランニングコスト
毎月かかるのは、フードとトイレの砂程度です。大体月に3,000円前後と、さほど高くありませんが、ノミ・ダニ、フィラリアの予防などにもコストがかかります。もしペット保険に加入するなら、プラス3,000円〜5,000円程度見積もっておいてください。ちなみに、ペット保険は予防などには適用されません。
治療費
予防接種は3種混合ワクチンが一番多く接種されているものですが、これが一回5,000円程度です。他に追加でワクチン接種を行う場合には別途かかります。去勢・不妊手術は1万〜3万円程度ですが、付随してかかる費用もあり、手術代とは別に1万〜3万円かかることがあります。
東京都生活文化局が発表した「ペットに関する調査報告書」によると、猫の生涯にかかる医療費は70万3055円と報告されています。もちろん全く病気のしない猫もいますが、場合によっては医療費が高額になることもあるので、ペット保険に加入しておくのも一つの手かもしれませんね。
家がボロボロになりそうで不安…

猫の困りごとの一つに「爪とぎ」があります。爪とぎには、マーキングや爪のメンテナンス、気持ちを落ち着かせたいなどの意味が込められています。これは猫の本能なので、無理にやめさせるとストレスがかかってしまうことも。上手く対策を取って、猫も人もストレスないよう工夫しましょう。
爪とぎを置く
爪とぎとは別の場所で爪とぎしてしまうのは、その爪とぎが猫の好みの素材ではないからかも知れません。ダンボール素材のものや布製のものなど種類も豊富なので、愛猫の好みの素材を探してあげましょう。また、爪とぎの置き方や置き場所も色々と試してみてください。垂直に置いたり、縄張りの境目に置いたりすると爪とぎしやすくなります。その際は、滑らないようにしっかりと固定することも大事です。
爪とぎをよくする場所に対策を
猫は寝床付近では爪とぎしない習性があるため、爪とぎされたくない場所に猫ベッドなどを置くと効果的です。また、爪とぎされたくない場所にツルツルとした素材のカバーやシートをかけておくと、猫の爪が引っかかりにくく爪とぎ防止になります。
ストレス発散させる
爪とぎをよくするのは、ストレスが溜まっているからかもしれません。高いところに猫の居場所を作ったり、爪とぎをしそうな素振りを見せたときに遊びに誘ったりと、ストレスを発散できるような工夫をしてみてください。爪とぎの回数が減るかもしれませんよ。
仕事で疲れて帰ってきても、猫がお迎えしてくれれば疲れも吹っ飛びます。しかし猫を飼うということは、色々な問題点もあります。そういったこともしっかりと考慮し、最期まで責任を持って面倒をみてあげてくださいね。
ねこのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師監修】猫に長生きしてもらうための年齢に合わせた飼い方」
ねこのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師監修】初心者さん必見!飼い主が知っておきたい猫の飼い方とは|ねこのきもち」
出典元/『ねこのきもち』15年11月号「ビデオカメラが捉えた愛猫の知られざる行動は…」(監修:小野寺温先生)
『ねこのきもち』15年11月号「里親募集猫カフェってどんなところ?」(監修:藤屋かおるさん、吉井美穂子さん、秋山順子さん)
『ねこのきもち』16年7月号「爪とぎしたくなる!そのココロは?」(監修:今泉忠明先生)
『ねこのきもち』16年9月号「治療費事情のホント」(監修:弓削田直子先生)
監修/佐藤貴紀先生(目黒アニマルメディカルセンター東京ベイ動物病院顧問)
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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