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【獣医師監修】猫の健康はうんちでわかる!チェック方法と病気の発見方法

猫は不調を感じても訴えることがないので、体調の変化には気付きにくいもの。しかし、猫の体から排泄されるうんちの状態が、健康状態を教えてくれることもあります。うんちのチェック方法や、うんちの異変でわかる病気についても知っておきましょう。

白畑 壮 先生

 獣医師
 プリモ動物病院相模原中央院長

 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
 麻布大学腎泌尿器専科研修修了

●資格:獣医師/日本小動物歯科研究会 歯科認定レベル全過程修了

●所属:日本獣医腎泌尿器学会日本小動物歯科研究会日本獣医エキゾチック動物学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/歯科・口腔外科/消化器科/腎泌尿器科/エキゾチック診療

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愛猫のうんち チェックポイント

きちんと出ている?

毎日、「健康なうんち」が出ているかをチェックしましょう。猫の体質やフードの種類によってうんちにも個体差がありますが、「健康なうんち」の目安は以下の通りです。
・量:人の人差し指1~2本くらい
・回数:毎日、1~2回あるのが理想
・硬さ:適度に水分を含み、表面にツヤがある
・色:食べているフードの色に近い色
・ニオイ:うんちのニオイの臭さならOK
・混入物:多少、毛が混じっている程度でほかには入っていないのが普通
・様子・ポーズ:1回の排泄につき30秒くらいまで

量と回数が少ない場合は便秘かも

うんちの量や回数は、猫の体質や食べているフードの種類によって違います。明らかに量が少ない場合や、いつものペースで排便していない(または3日以上排便していない)場合は、便秘を疑って早めに受診しましょう。

硬い?柔らかい?

表面がカチカチ、または長さが短くコロコロしているのは、硬過ぎる便秘気味~便秘のうんち。飲水量が足りず脱水している可能性もあります。
逆に、柔らかいうんち(軟便)や、ドロドロ・ユルユルのうんち(泥状・水様便)はどちらも下痢。フードを替えた直後になることもありますが、続く場合は腸が炎症を起こしていたり、寄生虫に感染していたりする可能性もあります。早めに受診しましょう。

食べているものと明らかに違う色なら注意!

愛猫のうんちの色が、食べているフードと比べて明らかに黒いなら、消化管の上部(小腸など)で出血している可能性があります。逆に白っぽいなら消化酵素を分泌する膵臓や、胆汁を分泌する胆のうなどの異常が疑われます。さらに、血が混じっているのは大腸で出血しているサイン。うんちの出口である肛門に近い部分で出血し、うんちに付着したと考えられます。

猫のうんちに異物が混じっていたら動物病院へ

うんちの中に、見慣れないものが混じっていたら要注意です。白い動くもの(寄生虫の全体やその一部)が混じっていたら、確実に腸内寄生虫に感染しています。すぐに受診してください。また、誤食した異物が混じっていたら、猫の様子をよく観察して、元気・食欲がない、吐くなどの様子が見られる場合はすぐに受診をしましょう。
そのほか、ゼリー状のものがのっていたり、混じっていたりすることもありますが、これは腸内の粘液で、健康でも時折出ることがあります。ただし、繰り返し出るなら腸炎の可能性があります。

酸っぱいニオイや腐敗臭は受診して

うんちとしての臭いニオイではなく、酸っぱいニオイや腐ったニオイなど、明らかに異常なニオイがする場合は腸内環境が乱れているのかもしれません。動物病院で相談を。

うんちをしている時間が長かったり鳴いたりするのは注意

猫がトイレに入ってから30秒以上たっても踏ん張っている場合は、便秘気味でうんちが出にくい可能性大。また、落ち着かない様子でトイレを何度も行き来する、排便姿勢で鳴く場合は、痛みやうんちが出にくい違和感があるのかもしれません。

異変が見られたら疑われる病気は?

うんちの変化で見つかる病気はたくさんあります。毎日観察し、少しでもおかしいと感じたら早めに動物病院にうんちを持参して、原因を調べてもらいましょう。

腸炎…腸が炎症を起こして下痢などをする

小腸~大腸のどこかに炎症が起きる病気。急に激しい下痢や血便をする急性腸炎と、長期にわたって下痢気味になる慢性腸炎があります。
原因は腸内細菌のアンバランス、細菌・ウイルス感染、アレルギー、自己免疫疾患、中毒、リンパ腫などさまざまです。症状もいろいろあり、下痢になるほか、色やニオイが変わったり、ゼリー状のものが混じったりすることもあります。

腸内寄生虫…猫の腸に寄生虫が感染する

猫の腸内にすみついて栄養を横取りする寄生虫に感染する病気。回虫、鉤虫、条虫などさまざまな寄生虫がいます。子猫では栄養状態が悪くなったり下痢をしたりして命に関わることもありますが、成猫ではとくに症状が出ないことも。駆虫薬を複数回にわたって投与し、治療するのが一般的です。

便秘…腸の動きが弱まり排便できない

うんちを外に出せず、腸内にたまっている状態。何度もトイレに行って排便姿勢を取るのにうんちがまったく出ないか、少ししか出ない様子が見られます。水分摂取量が少なく、消化管の機能が衰えた高齢の猫に多いですが、若い猫でも、誤食をした異物や飲み込んだ毛の塊、腫瘍などが腸の動きを阻害している原因になることがあります。重症になると、嘔吐をすることもあるので、早めに受診しましょう。

巨大結腸症…ひどい便秘が続く

ひどい便秘が続き、大腸の大部分を占める結腸のはたらきが低下して拡大し、そこに大量のうんちがたまる病気。もしくは便秘を繰り返すうちに大量のうんちがたまり、それによって結腸が拡大してしまう病気です。過去に交通事故などに遭い、骨盤の間が狭くなっていることが原因となっているケースもあります。便を柔らかくする薬を投与するほか、獣医師が手で便を掻き出す処置を行うことも。重症の場合は開腹手術で結腸の拡大した部分を取り除きます。

膵臓・胆嚢の異常…消化液の分泌がうまくできなくなる

腸内での消化・吸収を助ける消化液を分泌する膵臓や胆のう・胆管に異常が起きると、下痢をする、色が白っぽくなるなどうんちに異変が見られます。この病気の状態によっては、同時に発熱、食欲不振、嘔吐、黄疸など複数の症状が現れることも多く、緊急の対応が必要になるケースもあるので、症状に気づいたらすみやかに受診しましょう。

うんちは愛猫の健康のバロメーター

猫はキレイ好きなので、排泄物の処理は迅速にしてあげたいもの。その際にじっくり観察することで、体調の異変にすぐ気づけることになります。色や硬さ、ニオイ、異物…そして排泄のしぐさまで、よくチェックして、愛猫の健康維持に努めたいですね。
参考/『ねこのきもち』2017年6月号「体からのお“便”り 大切なことはウンチが教えてくれる」(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
監修/白畑壮先生(プリモ動物病院相模原中央院長)
文/紺道ゆあん
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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