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【獣医師監修】子猫に与える餌(エサ)の月齢別の正しい量・回数・おすすめの種類
子猫は成長とともに必要なエサの種類や栄養量が変わってくるため、飼い主さんがしっかり管理してあげる必要があります。そこで今回は、子猫の月齢ごとに必要なエサの種類や量をはじめ、与え方の注意点やトラブルが起きた場合の対処法について解説します。
子猫のエサは成長期段階で量や与え方が異なる
哺乳期(授乳期)
離乳期
離乳後の成長期
月齢ごとに必要なミルク・エサの量の目安
哺乳期(授乳期)~離乳期までのミルク・エサ量の目安
月齢 | 平均体重 | 1日に必要なエネルギー量 | 1日に必要なミルク量 | 1回分のミルク量 | 授乳回数/時間間隔 | 離乳食熱量 |
---|---|---|---|---|---|---|
1週齢 | 75g | 18kcal | 22ml | 3ml | 7回/3~4時間 | - |
2週齢 | 300g | 72kcal | 87ml | 12ml | 7回/3~4時間 | - |
4週齢 | 500g | 120kcal | 116ml | 20ml | 6回 | 24kcal/g(離乳食割合20%) |
5週齢 | 620g | 150kcal | 90ml | 25ml | 4回 | 75kcal/g(離乳食割合50%) |
6週齢 | 750g | 180kcal | 54ml | 30ml | 2回 | 135kcal/g(離乳食割合75%) |
乳歯が生えそろう6週齢に近づくにつれ、ミルクの量が少なくなり、離乳食の割合が多くなっていることがわかりますよね。とはいえ、上記の表はあくまでも目安なので、以下の数値を参考に、愛猫の体重に合った量を計算してみてください。
- 1日の必要エネルギー量(熱量)・・・0.24kcal/g(体重)
- 1日分のミルク量・・・・必要エネルギー量(熱量)÷ミルク濃度
- 1回分のミルク量・・・胃の容量
- ミルク濃度・・・0.83kcal/ml
- 胃の容量・・・4ml/g(体重)
7週齢以降のエサ量の目安
- 1日の必要エネルギー量・・・24kcal/100g
- 1日の必要水分量・・・13~22ml/100g
- 胃の容量・・・4ml/100g
なお、このころには固形フードに慣らすことも考える必要があります。子猫のあごが鍛えられるよう、徐々にふやかす水の量を調整して、離乳食を本来のフードの固さに近づけるようにしましょう。
離乳後のエサ量の目安
ただし、性別や体の大きさによっては、フードの記載量では足りない、もしくは多すぎるということも考えられます。以下の表と計算式を参考に、愛猫に適したフード量を調整してみてください。
フード量の求め方
1日に必要なフード量を求める計算式は以下の通りです。フードには100gあたりの代謝エネルギーが記載されているので、1gあたりの数値に直してから計算するようにしましょう。
DER(1日あたりのエネルギー要求量) ÷ 食物の代謝エネルギー(kcal/g)
DERの求め方
体重 | 1日あたりの安静時エネルギー要求量(RER) | 生後4カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量) | 生後4~6カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量) | 生後7~12カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量) |
---|---|---|---|---|
1kg | 70kcal | 210kcal | 175kcal | 140kcal |
2kg | 117.7kcal | 353kcal | 294kcal | 235kcal |
3kg | 159.6kcal | 479kcal | 399kcal | 319kcal |
4kg | 198kcal | 594kcal | 495kcal | 396kcal |
5kg | 234.1kcal | 702kcal | 585kcal | 468kcal |
6kg | 268.4kcal | 805kcal | 671kcal | 537kcal |
7kg | 301.2kcal | 904kcal | 753kcal | 602kcal |
8kg | 333kcal | 999kcal | 832kcal | 666kcal |
月齢ごとのミルク・エサの与え方や注意点
ミルクの与え方・注意点
ミルクを無理に流し込むと誤嚥する(気管に入ってしまう)危険性があります。最初は子猫の様子を見ながらスポイトで数滴ずつ舌に垂らすようにして与え、子猫が自分で飲めるようになったら哺乳瓶で飲ませるようにしましょう。
自力でミルクを飲めない場合は動物病院へ相談を!
離乳食の与え方・注意点
前述したように、最初のうちは離乳食とミルクを半量ずつ与えるようにし、子猫の様子を見ながら徐々に離乳食の量を増やしていきます。吐き戻さないよう最初は小さじ1杯程度から始め、最終的に1日6回を目安に与えるようにしましょう。
離乳食をなかなか食べない場合は?
今まで飲ませていたミルクを上にかけてあげると、飲み慣れたニオイや味にひかれて食べてくれる場合もあるので、試してみてください。
固形のフードの与え方・注意点
なお、空腹時間が長いと、体が脂肪をためこもうとして肥満につながるおそれがあるので、1日3回以上、体がしっかりしてきたら2回くらいにわけて与えてください。
1才を過ぎたら成猫用フードにチェンジ
子猫用のフードは少ない量で必要な栄養素がとれるよう高カロリーなため、成猫になった後も同じように食べていると、肥満を引き起こすおそれがあります。1才を越えたあたりのタイミングで、成猫用フードへの切り替えを検討しましょう。
その際、子猫の成長には個体差があるため、かかりつけの病院で体格をみてもらい、切り替えの時期を決めることをおすすめします。また、1才前に避妊去勢手術をした場合もこの限りではありませんので、かかりつけ医に相談してみてください。
なお、いきなり新しいフードに切り替えると食べない猫もいるため、それまで食べていたフードに少しずつ混ぜながら与えていくようにしましょう。徐々に量の割合を増やしながら与えていくと、フードの切り替えがスムーズに進みますよ。
子猫のエサでトラブルが起きた場合の対処法
急にエサを食べなくなる
体調に異常がないか観察する
猫の様子に異常が見られ、1日以上エサも食べないようであれば、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。
エサの与え方や分量を変えてみる
下痢や嘔吐をする
子猫の成長に合ったエサを与えてあげよう!
しかし、子猫が健康に成長するためにはどれも必要不可欠な工程なので、愛する子猫のためにもしっかり手順を覚えて、おいしいエサを準備してあげましょう。
「ねこのきもち」特別編集『愛猫の栄養学事典』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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