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【獣医師監修】子猫に与える餌(エサ)の月齢別の正しい量・回数・おすすめの種類

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子猫は成長とともに必要なエサの種類や栄養量が変わってくるため、飼い主さんがしっかり管理してあげる必要があります。そこで今回は、子猫の月齢ごとに必要なエサの種類や量をはじめ、与え方の注意点やトラブルが起きた場合の対処法について解説します。

子猫のエサは成長期段階で量や与え方が異なる

子猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
動物にはそれぞれ、体がつくられる時期である「成長期」というものがあります。子猫の成長期はさらに「哺乳期(授乳期)」「離乳期」「離乳後の成長期」の3つにわけられ、それぞれで必要栄養量や栄養のとり方が異なります。

哺乳期(授乳期)

生後2週までを哺乳期(授乳期)といいます。この期間、子猫は高脂肪・高たんぱくの栄養豊富な母乳を飲んで育ち、細菌などから身を守るために必要な移行抗体など、体に重要な物質を体に取り入れるといわれています。

離乳期

乳歯が生え始める生後3~4週ごろを離乳期といいます。このころになると子猫は母猫が食べているものに興味を示すようになり、母乳とともに、離乳食なども口にするようになります。

離乳後の成長期

母乳を卒業してから体の成長が完了するまでの期間を、離乳後の成長期といいます。子猫は生後6週ごろになると乳歯も生えそろうため、徐々に離乳食から固形のフードを食べるようになります。

月齢ごとに必要なミルク・エサの量の目安

子猫
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ではここからは、それぞれの成長段階と月齢ごとに必要なエサの量や回数の目安量について見ていきましょう。

哺乳期(授乳期)~離乳期までのミルク・エサ量の目安

哺乳期(授乳期)~離乳期までのエサ量の目安は以下の通りです。

月齢平均体重1日に必要なエネルギー量1日に必要なミルク量1回分のミルク量授乳回数/時間間隔離乳食熱量
1週齢75g18kcal22ml3ml7回/3~4時間-
2週齢300g72kcal87ml12ml7回/3~4時間-
4週齢500g120kcal116ml20ml6回24kcal/g(離乳食割合20%)
5週齢620g150kcal90ml25ml4回75kcal/g(離乳食割合50%)
6週齢750g180kcal54ml30ml2回135kcal/g(離乳食割合75%)


乳歯が生えそろう6週齢に近づくにつれ、ミルクの量が少なくなり、離乳食の割合が多くなっていることがわかりますよね。とはいえ、上記の表はあくまでも目安なので、以下の数値を参考に、愛猫の体重に合った量を計算してみてください。


  • 1日の必要エネルギー量(熱量)・・・0.24kcal/g(体重)

  • 1日分のミルク量・・・・必要エネルギー量(熱量)÷ミルク濃度

  • 1回分のミルク量・・・胃の容量

  • ミルク濃度・・・0.83kcal/ml

  • 胃の容量・・・4ml/g(体重)

7週齢以降のエサ量の目安

7週齢以降はミルクを使わず、離乳食と水のみの食事に切り替えていきます。体重ごとに必要な離乳食の量については、以下の計算式で求めてみてください。

  • 1日の必要エネルギー量・・・24kcal/100g

  • 1日の必要水分量・・・13~22ml/100g

  • 胃の容量・・・4ml/100g



なお、このころには固形フードに慣らすことも考える必要があります。子猫のあごが鍛えられるよう、徐々にふやかす水の量を調整して、離乳食を本来のフードの固さに近づけるようにしましょう。

離乳後のエサ量の目安

生後3ヶ月~5ヶ月ごろ、180日齢くらいになるとすべての乳歯が永久歯へと生え変わり、ドライフードも問題なくかみくだけるようになります。このころには、フードに記載された目安量を参考に与えていくとよいでしょう。

ただし、性別や体の大きさによっては、フードの記載量では足りない、もしくは多すぎるということも考えられます。以下の表と計算式を参考に、愛猫に適したフード量を調整してみてください。

フード量の求め方


1日に必要なフード量を求める計算式は以下の通りです。フードには100gあたりの代謝エネルギーが記載されているので、1gあたりの数値に直してから計算するようにしましょう。

DER(1日あたりのエネルギー要求量) ÷ 食物の代謝エネルギー(kcal/g)

DERの求め方

DER値は、RERと呼ばれる安静時エネルギー要求量などを使って求めます。以下の表に、月齢・体重ごとのDER値とRER値を記載していますので参考にしてみてください。

体重ごとのRER&DERの早見表














体重 1日あたりの安静時エネルギー要求量(RER) 生後4カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量) 生後4~6カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量) 生後7~12カ月のDER(1日あたりのエネルギー要求量)
1kg70kcal210kcal175kcal140kcal
2kg117.7kcal353kcal294kcal235kcal
3kg159.6kcal479kcal399kcal319kcal
4kg198kcal594kcal495kcal396kcal
5kg234.1kcal702kcal585kcal468kcal
6kg268.4kcal805kcal671kcal537kcal
7kg301.2kcal904kcal753kcal602kcal
8kg333kcal999kcal832kcal666kcal

月齢ごとのミルク・エサの与え方や注意点

子猫
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ミルクの与え方・注意点

ミルクは35度くらいまで温め、皿に入れるのではなく、哺乳瓶またはスポイトで与えるようにしましょう。ミルクや哺乳瓶は、ペットショップや動物病院などで販売されている、子猫専用のものを用意するようにしてください。

ミルクを無理に流し込むと誤嚥する(気管に入ってしまう)危険性があります。最初は子猫の様子を見ながらスポイトで数滴ずつ舌に垂らすようにして与え、子猫が自分で飲めるようになったら哺乳瓶で飲ませるようにしましょう。

自力でミルクを飲めない場合は動物病院へ相談を!

満腹じゃないのにミルクを飲まない場合は、体調が悪いことも考えられます。ミルクの飲み方に違和感がある、子猫が自力でミルクを飲めないといった場合は、動物病院で相談・指導を受けるようにしてください。

離乳食の与え方・注意点

離乳食は、ペットショップで販売されている専用のものや、ドライフードにお湯を加えてふやかしたものなどを与えます。どちらの場合であっても、「子猫用」かつ「総合栄養食」と記載があるものを選ぶようにしてください。

前述したように、最初のうちは離乳食とミルクを半量ずつ与えるようにし、子猫の様子を見ながら徐々に離乳食の量を増やしていきます。吐き戻さないよう最初は小さじ1杯程度から始め、最終的に1日6回を目安に与えるようにしましょう。

離乳食をなかなか食べない場合は?

慣れないうちは、警戒して離乳食を食べないことも考えられます。まずは指先や小さなお皿にのせた離乳食のニオイをかがせ、少しずつ食べられるに慣らしていきましょう。

今まで飲ませていたミルクを上にかけてあげると、飲み慣れたニオイや味にひかれて食べてくれる場合もあるので、試してみてください。

固形のフードの与え方・注意点

固形のフードを目分量で与えていると、カロリーオーバーにつながって肥満を引き起こすおそれがあります。1日の必要量をしっかり計り、与える回数分にわけてから与えるようにしましょう。

なお、空腹時間が長いと、体が脂肪をためこもうとして肥満につながるおそれがあるので、1日3回以上、体がしっかりしてきたら2回くらいにわけて与えてください。

1才を過ぎたら成猫用フードにチェンジ

猫種や個体差もありますが、生後10ヶ月ごろになると1日に必要なエネルギー量はあまり変化せず、1才ごろには体の成長も止まります。

子猫用のフードは少ない量で必要な栄養素がとれるよう高カロリーなため、成猫になった後も同じように食べていると、肥満を引き起こすおそれがあります。1才を越えたあたりのタイミングで、成猫用フードへの切り替えを検討しましょう。
その際、子猫の成長には個体差があるため、かかりつけの病院で体格をみてもらい、切り替えの時期を決めることをおすすめします。また、1才前に避妊去勢手術をした場合もこの限りではありませんので、かかりつけ医に相談してみてください。

なお、いきなり新しいフードに切り替えると食べない猫もいるため、それまで食べていたフードに少しずつ混ぜながら与えていくようにしましょう。徐々に量の割合を増やしながら与えていくと、フードの切り替えがスムーズに進みますよ。

子猫のエサでトラブルが起きた場合の対処法

子猫
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体がまだしっかりできておらず、体力もあまりない子猫のうちは、エサのちょっとした変化でトラブルが起きてしまうことも考えられます。ここでは、子猫のエサでよく起こるトラブルと、その対処法についてご紹介します。

急にエサを食べなくなる

昨日はふつうに食べていたのに今日は食べてくれない、いつもの時間になってもエサをねだりにこないなど、急に子猫がエサを食べなくなることがあります。食べない原因を見極めるために、まずは以下の点について観察してみましょう。

体調に異常がないか観察する

子猫に限らず、体調を崩していると食欲が落ちる動物は多いです。エサをほしがるそぶりを見せない場合はまず体調不良を疑い、くしゃみや熱は出ていないか、動きや鳴き声がふだんと違わないか、便の状態に異常が出ていないか確認してみてください。

猫の様子に異常が見られ、1日以上エサも食べないようであれば、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。

エサの与え方や分量を変えてみる

エサはねだるけれど出したものは食べないという場合は、単純にそのエサが好みではないことが考えられます。離乳食に加えているミルクの分量を変えてみたり、一度ミルクに戻してから再度離乳食を与えてみたりと、エサの与え方を工夫してみましょう。

下痢や嘔吐をする

離乳食を食べ始めたときにゆるい便をしたり、今までふつうに食べていたのに急に吐いたりする場合は、離乳食が合っていないか、体調を崩していることが考えられます。離乳食の分量を減らしてみても便や嘔吐する状態が改善しない場合は、与えている離乳食と出した便を持参して、動物病院に相談してみましょう。

子猫の成長に合ったエサを与えてあげよう!

子猫
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食べやすいようにフードをふやかしたり、1日に必要なエネルギー量を計算したりと、子猫にエサを与えるのはなかなか大変ですよね。

しかし、子猫が健康に成長するためにはどれも必要不可欠な工程なので、愛する子猫のためにもしっかり手順を覚えて、おいしいエサを準備してあげましょう。
参考/「ねこのきもち」特別編集『子ねこのきもち』
   「ねこのきもち」特別編集『愛猫の栄養学事典』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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