野生時代の猫は「どうしたら獲物を得られるか」と考え、狩猟行動に多くの時間を使っていました。
しかし飼い猫の場合は、これらのことを考える必要がないため、猫に考えさせながらコミュニケーションをとって、適度に刺激を与えてあげたいものですね。
そこで、今回は愛猫に「おいで」を教えて、楽しくコミュニケーションをとる方法をご紹介します。
教えるときに準備するアイテムは2つ
猫が好きなおやつ
「おいで」の行動ができたら、ご褒美に与えるアイテムが「おやつ」です。愛猫にとって特別なものを選ぶといいでしょう。小さくカットして、ケースに入れておきます。
カチッと音がするもの
カチッという音を出す「クリッカー」というトレーニング器具があります。こちらはペットショップなどで購入できますが、なければノック式のボールペンでもOKです。また、舌を使った「タン!」というクリック音でも代用できます。
合図とおやつのタイミング
猫が飼い主さんの指先に鼻をピタッと付ける「おいで」。その行動が成功した瞬間に、タイミングよくおやつを与えるのは難しいものです。そのため「成功した瞬間にカチッと音を鳴らしてからおやつを与える」という順番で学習させましょう。この行動を繰り返すと、猫は「カチッと音がすれば成功」と理解します。
STEP1:猫が近くにいるときにスタート
①指先を猫の鼻先に出す
猫がそばにいるときがスタートのチャンスです。猫の鼻のすぐ近くへ指先を出します。
②猫が鼻を付けたら合図とおやつ
猫が飼い主さんの指に鼻を付けたら、クリッカーなどをカチッと鳴らして、おやつを与えます。
STEP2:慣れてきたら少し離れてやってみよう
①指先を出し、自分のほうへ動かす
猫の鼻から20cmくらい離して指先を出します。猫が立ちあがって鼻を付けようとしたら、指先を自分のほうへゆっくりと動かします。
②飼い主さんのそばで猫が鼻を付けたら成功
指先に引き寄せられるように猫がついてきたら、膝あたりで指をストップさせます。そこで鼻を付けたら成功です。音を鳴らしておやつを与えましょう。
気を付けたいのは猫の気持ち
猫の気分がノッているときに!
猫がアクティブになっているときに行うのがコツです。猫の気分がノッていないときにやろうとしても、かみ合わないかも。
1~2分で終了する
猫の集中力は短い時間しか持ちません。1回あたり1~2分で終わらせるのも、継続してトレーニングするコツです。猫が「もっとやりたい」と思っているうちにやめましょう。
顔の前で音を出さない
クリッカーは思っている以上に大きい音を出します。顔の前でいきなり鳴らされると、驚いてしまうかもしれません。なるべく離れたところで鳴らしてください。
音とおやつは必ずセットで!
「おいで」のトレーニングでは、「音がしたらおやつがもらえる」と猫に覚えてもらうことが大切です。間違えて音を出しても、おやつは必ず与えましょう。
猫は行動と結果を結び付けて記憶します。ですから、よい結果が得られたら猫はその行動を繰り返すようになるでしょう。この「おいで」のトレーニングは、猫に分かりやすく学習させる方法なのです。
参考/「ねこのきもち」2016年10月号『猫がワクワク “手”の動きと“音”で通じ合う コミュトレ(コミュニケーショントレーニング)やってみよう』(監修:愛玩動物飼養管理士 坂崎清歌先生)
文/HONTAKA
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。