冬はインフルエンザが流行する季節です。人間のインフルエンザは、愛猫にもうつったりしてしまうのでしょうか?人間のインフルエンザと猫の関係は?猫にもインフルエンザはあるの?今回はインフルエンザにまつわる疑問に迫っていきます。
人間のインフルエンザって猫にうつる?
人の季節性インフルエンザは猫にうつらない
一般的な人間のインフルエンザは「ヒト季節性インフルエンザ」と言い、人と人の間でしか感染しないものです。ですので人から猫へうつるといった、生物の種を超えてのインフルエンザ感染は普通起こらないものです。たとえ飼い主さんが今インフルエンザになっても、猫にうつる心配はまず必要ありません。
ヒト季節性インフルエンザが猫に感染したというレアケース報告も
一般的なインフルエンザとされる「ヒト季節性インフルエンザ」については、猫は非常に感染しにくく、万が一感染したとしても重症化するのはごく稀と考えられています。厳密に言うと、ヒト季節性インフルエンザが猫に感染したという報告が、ごくわずかながらあります。人間がインフルエンザを発症した数日後に、同居していた猫も食欲不振や元気がないなどの症状を見せた例があり、ヒト季節性インフルエンザのウイルスが変化して猫に感染したと考えられています。
このようなケースはかなり稀なもので、通常であれば起こらない事例です。猫への感染の心配は、ほぼ必要ないと捉えても全く問題ないと言えます。
飼い主さんがインフルエンザになった際の猫との接し方
猫との過度な接触は避ける
飼い主さんがインフルエンザを発症してしまったら、いつもより猫との接触を控えるようにすると安心です。ヒトのインフルエンザは猫にはうつらないものですが、咳やくしゃみをしながら猫と接するのも、お互いのストレスになりえますし、人の咳やくしゃみでウイルスが猫に付着し、他の家族が感染する可能性もあります。
まずは、人である飼い主さんの回復を第一に考えましょう。一人暮らしで猫の世話をするのは自分だけという場合は、猫に食事を与える等の最低限のお世話ができれば大丈夫です。飼い主さんが早く回復して元気を取り戻すことが、猫にとって一番嬉しいことだと言えます。
室内飼いを徹底する
飼い主さんがインフルエンザで体調不良の際は、猫の室内飼いを徹底することが大切です。猫が外からいろいろな細菌やウイルスなどを持ち帰り、人の体調に悪影響を与えることが懸念されます。普段なら問題ない細菌やウイルスにも、体力の弱まった人間の体には反応して更に体力が低下する場合もあります。
また、一人暮らしの飼い主さんは、猫のお世話も一人で行わないといけません。猫とご自分の安全を守る意味でも、室内で過ごさせるようにしましょう。
猫にもインフルエンザはある?人にもうつるの?
猫のインフルエンザはない
人には人のインフルエンザがありますが、猫には猫のインフルエンザがありません。猫インフルエンザウイルスというものは、存在しないためです。
猫インフルエンザや猫風邪と呼ばれているものは、正しくは「猫カリシウイルス感染症」や「猫ヘルペスウイルス感染症」という病気のことを言います。発症の原因はカリシウイルスやヘルペスウイルスの感染で、風邪と同じ症状が見られ、猫同士の間でのみうつります。この猫風邪は決してあなどってはいけないもので、治るまでに長期化したり症状が重症化することもある危険な病気です。
もしも愛猫に猫インフルエンザや猫風邪のような症状が見られたら、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。
インフルエンザを発症したら猫も人もゆったり過ごそう
人のインフルエンザは基本的には猫にうつりません。体力も気力も奪われるインフルエンザは、飼い主さん自身がまずはしっかりと療養して元気を取り戻すことが先決です。そして、飼い主さんが療養中は猫もお家でゆっくり過ごすようにしましょう。
参考/ねこのきもちWEBMAGAINE「【獣医師解説】あなどれない「猫風邪」早期治療が安心のカギ!」
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/紺道ゆあん