猫と暮らす
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猫のいる家庭で「アルコール消毒液」を扱う際の注意点とは?
新型コロナウイルスに感染しないよう、みなさん日々予防対策をしていることと思います。
アルコール消毒液を常備し、家の中でも使用する人も多いかと思いますが、猫や犬のいる家庭でアルコール消毒液を使うとき、なにか注意するべきことはあるのでしょうか? 今回、ねこのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました!
猫の飼い主さんがアルコール消毒液を使う際の注意点

ーー今、アルコール消毒液を家に置いている家庭が多いと思います。猫や犬などの動物がいる家庭で、アルコール消毒液を使う際の注意点はありますか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「飼い主さんがアルコール消毒液を使うのは、通常通りの使用法で問題は起きません。ちなみに、動物病院でも手術部位の消毒に使用したり、病院によっては注射をする前に消毒をしたりします」
ーーアルコール消毒液を手に塗ってから猫を触るのも、基本的には問題ないのでしょうか? 舐めてしまうのではないか…という心配もあると思います。
獣医師:
「手に塗ったアルコールが乾いて揮発してしまえば、触っても大丈夫です。
猫のいる家庭でのアルコール消毒液の注意点としては、たとえば猫の全身をアルコールで消毒したり、キャリーバックなどの狭い場所での猫への使用はやめましょう。猫がアルコールを直接舐めてしまうとよだれを垂らしたり、酔っぱらったようになります。
経験はありませんが、猫が好んで多量に飲んでしまうと中毒になる危険性があるので、注意が必要ですね」
猫に人用のアルコール除菌シートを使うのはOK? NG?

ーー今の時期、除菌対策を徹底している人も多いですよね。「猫のお手入れもちゃんとしよう!」と思って、アルコールが含まれるお手入れシートを使用している飼い主さんもいるかもしれません。猫の日頃のお手入れは、どのようにするのがいいでしょうか?
獣医師:
「飼い猫の日常の汚れは、猫専用のシートや濡れたタオルで拭き取れば問題ありません。猫専用のお手入れシートでアルコールが含まれているものを使って、皮膚がかぶれてしまうようであれば使用をやめましょう」
ーー基本的には、ノンアルコールのもので対応するのがよさそうですね。
獣医師:
「そうですね。たとえば、アルコール(エタノールなど)を含む消毒綿などは、猫の目や鼻のケアには向いていません。アルコールがデリケートな粘膜に触れると、猫が刺激や痛みを感じたり、目が充血したりする可能性もあるためです」
ーー人の場合だと、アルコールの成分があるものだとしっかり除菌できるイメージがあるかもしれませんが、猫にはよくないのですね。
獣医師:
「とくに、人用のアルコール成分を含む除菌シートなどを猫に対して使用するのは危険なので、控えてください。人用の消毒液などは、猫や犬とって害となってしまうこともあります。たとえば、アルコール成分入りの掃除用洗剤を使って床を拭いて、その床で猫が遊ぶと中毒を起こすこともあるようです」
ーー猫や犬のいる家庭では、アルコールが含まれる製品の扱いには十分に気をつけたいですね。

今の時期、除菌に過敏になってしまうと思いますが、アルコール消毒液を猫が誤って舐めてしまうことのないよう、使用の際は注意してください。また、愛猫のお手入れは「猫専用のもの」で適切に対応するようにしましょうね!
愛猫との「#Stay Home」が安全に過ごせるよう、ぜひ心がけてみてください。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『愛猫の健康を害する可能性も…!? やりすぎると危険なお手入れ5選』
ねこのきもちWEB MAGAZINE『猫のケガ・事故の防止法』
取材・文/柴田おまめ
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