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【獣医師監修】猫の事故・ケガの防止法 もしものときの対処法も解説

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猫は好奇心が旺盛です。目を離したすきに家具の隙間に入ったり、危険なものをかじったりして、ケガをする可能性もあります。家の中での事故やケガ、脱走など危険な状態を回避する方法と対処法を知っておきましょう。

この記事の監修

長谷川 諒 先生

 獣医師・潜水士
 Ani-vet代表
 往診専門 レイクタウンねこ診療所院長

きたじま動物病院所属獣医師

シュシュキャットクリニック所属獣医師
 ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 北里大学獣医生化学研究室研究生在籍 研究テーマ「伴侶動物の鉄代謝」

●所属:国際猫医学会日本猫医学会日本獣医学会

●主な診療科目:内科(猫)/一般診療(外科、内科)/予防医療

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猫を事故やケガから守るための工夫

猫を事故やケガから守るために、家の中でできる工夫をご紹介します。

誤食しそうな物は出しておかない

猫は何でも噛んで確認します。ひも類やボタンなど小さい物、毛や羽根のついたおもちゃなど、誤食の危険のあるものはしまっておきましょう。

家具のすき間は入り込めないようにしておく

猫は好奇心から、家具の横や後ろの狭いすき間に入り込みがちです。引っぱり出せなくなる場合もあるので、すき間はあらかじめ物などでふさいでおきましょう。

エアコンの風や直射日光が直接当たらないようにする

とくに子猫の場合ですが、体温調節の機能がまだ未熟なので、直射日光が入る部屋では春先でも熱中症になったり、冷房の風で体温が下がったりしてしまうことがあります。

コード類は隠すかカバーをする

猫はひも状の物で遊ぶのが好きです。コードを噛むと感電の恐れもあるので、カーペットの下に隠したり、カバーを付けたりしてガードしましょう。

引き出しや押入れは開けっぱなしにしない

引き出しや押入れに猫が入り込んでいると知らずに閉めて、閉じ込めてしまう危険があります。扉や引き出しなどはきっちりと閉めておきましょう。

床掃除用の洗剤の使用は控える

掃除用洗剤を使って床を拭くと、その床で遊んだ猫が誤ってなめてしまった場合、下痢や嘔吐、中毒を起こす可能性があります。できれば、床掃除は水拭きにしましょう。

キッチンの生ゴミや洗剤は片付けておく

食べ物のニオイや好奇心からキッチンに近づく猫も多いものです。生ゴミの誤食や漂白剤での中毒の恐れもあるので、こまめに片付けましょう。

そのほかの工夫・対策

家の中の危険を取り除く

・誤食しそうなものは、猫の見えないところにしまう
・落下そうな場所にマットを敷く
・キッチンやお風呂場などに猫を近づけない など

脱走させない工夫をする

・玄関ドアにペット用フェンスを置く
・突っ張り棒やストッパーで網戸を固定する
・ベランダの柵が通れないように、日よけシェードやすだれを取り付ける など

家の中の8つの危険

人が安全に生活する環境の家の中でも、猫にとっては危険なところがたくさんあります。家の中で、どこか危険なのか、見直すべきポイントや対策を紹介します。猫が安全に暮らせる環境を整えていきましょう。

誤食する

家の中の事故で最も多いのが誤食です。流しの三角コーナーに捨ててあったものを誤食する事故は、食欲旺盛な若い猫にとくにおこりがち。金具が付いたソーセージのフィルム、ハムや焼き豚の巻き紐、刺身のトレー、食品用ラップ、アルミホイル、ポリ袋などは片付けましょう。
糸や毛糸など猫がおもちゃにすると危険なものや、猫が食べると危険な観葉植物も置かないようにして。なめると有害な物はフタ付きの容器に入れ、届かないところに置いておきましょう。

感電する

猫によってはコードをかじるクセのある猫がいます。コタツのコードやパソコンのケーブルだけなど、好みの素材や形状があったりするので、猫がかじりたがるコードはカバーをかけてガードをしましょう。使わないときや留守にするときはコンセントを抜いておきましょう。
感電するとひどい場合は大やけどをしたり、ショック状態になったりすることがあります。

溺れる

浴槽に湯が張ってあるときに猫をお風呂に入れるのはとても危険です。湯量が多い浴槽に落ちると浴槽の縁に前足をかけようとしても滑り、底を蹴るのも難しいため、もがいて大量の湯を飲み、溺れる可能性があります。
浴槽に湯を張っているときはお風呂のドアとフタをきちんと閉める、フタは頑丈なものを使用する、洗濯機へのくみ上げホースなどをドアやフタに挟むときにも、ホースを挟む部分のフタをカットするなど工夫が必要です。

挟まれる

ドアが風にあおられて閉まる、猫が一緒に入ってきたのに気づかずにドアを閉めてしまうなどして猫がしっぽや前足などを挟まれてしまう場合があります。
骨が折れたり、脱臼や神経に影響を及ぼしたりする場合もあるので、急にドアが閉まらないようにドアストッパーをしておくなど安全対策をしておきましょう。

切る

空き缶のフタや割れたガラスなどを出しっぱなしにしておくと、猫が走り回ったり飛び降りたりしたときに手足を切る危険があります。
すぐにフタ付きのゴミ箱に入れるなど猫が届かない場所にしまいましょう。

絡まる、宙吊りになる

猫の爪は先がカギ状になっているため、いろいろなところに引っかかってしまいます。とくに体重が軽い子猫はレースカーテンを駆け上ることがあり、そこで絡まったりすると大暴れして脱臼したり、骨折したりする危険があります。爪はこまめに切っておきましょう。
ベランダにリードや綱でつなぐのも危険です。猫は絶対にベランダにださないか、もし出す場合はキャリーケースやケージに入れたままにしてください。

やけどする

興奮して走り回っているときに、キッチンで火にかけたやかんに突進して、やかんをひっくり返したり、煮立った鍋に飛び込んだりすることがあります。遊び好きでやんちゃな子猫はとくに注意しましょう。また、ストーブの上に飛び乗ったりしての事故や、電気アンカでの低温やけどにも注意してください。電気アンカやホットマットを使用する際は猫に直に触れさせず、温度が高くなりすぎないよう調節しましょう。

また猫が原因の火災にも注意が必要です。室内で飼う犬や猫がガスコンロやIH調理器のスイッチを入れてしまい、周辺が焼けるなどして火災になるケースが増えています。スイッチを押すだけで点火できるタイプの製品で起こりやすい事故です。ペットが押してもスイッチが入らないようロックをかける、外出時にはガスの元栓を閉める、製品のプラグを抜くなどの注意をしましょう。

落下する

元気で体重が増え出す1才前後の猫に多いのが、興奮して走り回り、開いた窓から落下するケースです。猫は平衡感覚に優れているので、2〜3階の高さから落下しても重症とならないケースもあります。しかし、それは着地面が平らでなめらかな土や草の場合です。自転車置き場や植え込み、溝、柵などがある場所では、あごや胸をぶつけて骨折するなどの大怪我をしたり、内臓がダメージを受けて命にかかわることになったりすることもあります。
ベランダには出さない、窓を閉め忘れない、網戸が劣化したり破れたりはずれやすくなったりしていないか気を配りましょう。

アクシデントが起こったときの対処法

誤食をしてしまったとき

何を、どのくらい食べたか、食べてからどれくらい時間がたっているかを可能な限り確認してください。そして、まず動物病院に電話をして指示を仰いでください。
誤食したものが猫に毒性のあるものかどうかによって、緊急度が異なります。
毒性がないものの場合、便と一緒に排泄されればいいですが、胃腸内で詰まると手術が必要になることもあります。

誤食したものの一部が猫の口から出ていても、その先がどこにあるか確認できない場合は、無理に引っ張ったり、吐かせたりしようとしないでください。また、飲食も厳禁です。受診のときには、誤食した残りや、猫が吐いている場合は、吐いたものも持参しましよう。

出血したとき

たいていの出血は、すぐに止まるので焦らずに、まず清潔なタオルやガーゼで患部を止血しましょう。2~3分から、長くても15分ほどで止血できるはずです。
止血直後に患部を消毒するのは、やめましょう。再び出血することがあります。消毒は、ある程度時間をおいてから動物病院でしてもらいましょう。
また完治するまでは傷の状態をしっかり観察して、腫れたりジュクジュクしたりして治りが悪い場合は早めに受診しましょう。

落下したとき

猫は着地が得意なので、大ケガをすることは少ないですが、状況や環境によっては、骨折したり、内臓など目に見えない部分が傷ついたりしていることもあります。まずは、呼吸状態や、出血はないか、意識はあるか、立ち上がれるか、など全身の状態を確認をしましょう。少しでも異変が見られる場合は動物病院にすぐに電話をして、受診の緊急度について指示を仰ぎましょう。

受診する場合は、バスタオルなどにくるみ、キャリーケースに入れてください。内臓が傷ついたり、骨折している可能性があるのでなるべく動かさないように注意しましょう。ただし猫がパニックになって暴れていたら、無理をせず落ち着くまで少し待ちましょう。
何ともないように見えても、痛がる様子はないか、歩き方がおかしくないか、排泄できているかなど数日間は観察してください。

ヤケドをしたとき

ヤケドの多くは、足先など部分的なもの。すぐに患部を冷やせば治まるので、落ち着いて行動してください。全身に熱湯をかぶるなど全身ヤケドを負った場合は、命にかかわります、冷やしながら緊急受診をしてください。

ヤケドをしたら、まず冷却剤で患部を冷やしてください。一刻も早く患部を冷やすことが大切です。
タオルで巻いた冷却剤か、濡れタオルを使うといいでしょう。受診する場合は、冷やしながら動物病院に向かいます。
広い範囲を冷やす場合は、冷やし過ぎによる低体温症に注意してください。太い動脈がある胸や脇の下などを避けて、背中側や足を冷やすようにしましょう。

溺れたとき

浴槽に落ちても、たいていの猫は自分で泳いで出られるので大事に至ることは少ないですが、一番心配なのは、水が肺に入って呼吸不全や誤えん性肺炎を起こすことです。口を開けて呼吸していないか、苦しそうではないか、舌が紫がかってないかなど、呼吸状態をしっかり確認しましょう。

水やぬるま湯ではなく、高温のお湯で溺れた場合には、ヤケドの有無もチェックしてください。被毛で皮膚の状態がよくわからないときには、念のために冷やしながら緊急受診をしたほうがいいでしょう。 溺れた後、いつも通りにしているなら家で様子を見てもOK.です。ただし、しばらくは猫の状態をよく観察して、呼吸状態がいつもと違ったらすぐ受診してください。

感電したとき

電気コードを噛んで感電してしまったら、まずは、電源を切り、全身の状態を確認してください。猫の口からコードが離れない場合も、猫の体に触れず、電源を切るかコードを抜いてください。続いて、呼吸状態をチェックしましょう。電気コードを噛んで感電した場合唇や舌をヤケドすることもあります。できれば、口の中を確認して、ヤケドしていたら、早めに受診してください。

感電した猫は驚いて動揺して、暴れたり隠れてしまったりすることもあります。猫が少し落ち着くのを待ってから体のチェックをしましょう。また、時間がたってから何かの症状が表れることもあるので、元気そうでも受診しておくのが安心です。

車にひかれたとき

どのような状態でひかれたかにもよりますが、大きなダメージを受けて、命にかかわる可能性があります。見た目を明らかに異変がある場合には、まずは飼い主さん自身の気持ちを落ち着かせて、全身を確認して動物病院に連絡しましょう。
全身の状態(脈、呼吸、出血の程度など)を詳しく伝えて指示を仰いでください。内臓破裂や骨折の可能性もあります。動かすとさらに傷める恐れもあるので、なるべく動かさないようにキャリーケースにいれましょう。開口部の狭いキャリーケースしかない場合は段ボール箱などを使ってください。
見た目に異変がない場合も、早めに受診しましょう。

けいれんを起こしたとき

けいれんは、てんかんやほかの脳神経疾患だけでなく、肝臓病や腎臓病、低血糖などさまざまな原因で起こる場合もあります。けいれん中はできる限り落ち着いて猫を観察して、治まったら動物病院に電話をしてください。万が一1分以上たっても治まらない場合は、緊急受診しましょう。

猫が高所でけいれんを始めたら、落ちてケガをしないように、床に下しましょう。床でけいれんを始めたら、体をぶつけてけがをしないように、周囲のものを片付けてください。
「けいれんが続いた時間の長さ」は、診断の上でとても重要な情報です。飼い主さんの感覚では長く感じてしまいがちなので、できれば時計を見て時間を正確に計ったり、スマートフォンで動画撮影をしたりなど、けいれんの様子をできるだけ正確に獣医師に伝えるようにしましょう。

熱中症になったとき

熱中症は意識があるかないかによって処置の方法が変わります。猫が呼びかけに応えるか、自分の力で動けるかどうか確認して意識の有無を確認しましょう。ほとんどは命にかかわるほど危険な状態なので、一刻も早い応急処置が必要です。
猫の意識がある場合、部屋の窓を開けたりエアコンをつけたりして、部屋を涼しくしてください。さらに濡らしたタオルを猫の体を覆うように掛けて、冷たい水を飲ませましょう。それでも症状が改善されなければ、動物病院に受診しましょう。

意識がない場合は浴槽の残り水に猫の全身をひたしたり、シャワーを使ったりして、とにかく猫の体を冷やし、その後動物病院に電話をして指示を仰いでください。
「意識がなくぐったりしている状態」はかなり重い熱中症にかかっています。氷や保冷剤を使って体を冷やしながら一刻も早く受診してください。
意識の有無を確認せずに体を冷やし過ぎてしまうと、血行が悪くなり、体から熱を逃がしにくくなることがあります。さらにひどくなると、低体温症になることもありますので、体を冷やすときは、必ず意識の有無を確認してからにしましょう。

そのほかの緊急事態

顔が腫れた

原因はいろいろ考えられます。自己判断せず、早めに受診をしましょう。

体に何かが刺さった

大量に出血する恐れもあるので、無理に抜かず受診をしましょう。長いものが刺さった場合は、ハサミなどで切れるなら、短く切ってから受診するのがいいでしょう。

ワクチンでアレルギーが出た

変だなと思ったら、すぐにワクチンを打った動物病院に診てもらいましょう。

舌を切った

口の中は家では圧迫できないので、動物病院で麻酔をかけて処置をしてもらってください。

猫が家から脱走してしまったときの対処法

「猫が家から脱走して行方不明に!」ということがないように、玄関ドアにペット用フェンスを置いておく、突っ張り棒やストッパーなどで網戸を固定しておく、ベランダの柵が通れないよう、日よけシェードやすだれを取り付けるなどの対策をしておきましょう。
それでも脱走した場合は、以下の対応を行ってください。

【1】キャリーケース、フードなどを用意する

猫を安全に保護して連れ帰るためにキャリーケース、フード(探すときや捕まえるときに猫の気を引くため)、バスタオル(猫を捕まえるときにかぶせる)、懐中電灯(暗いところに潜んでいることが多いので)を用意しましょう。興奮した猫に引っかかれることがあるので、長袖を着用して探しにいきましょう。

【2】猫が潜みがちな場所を探す

外に出たことがない猫は、たいてい暗くて狭い場所に潜んでじっとしています。猫がいつも食事をする時間帯や人通りが減る夕方以降は猫が出てきやすくなる傾向にあります。車の下や茂み、物置などを重点的に探し、もし見つからなかったら、2〜3時間後に探す、近所の人に聞いて回る、万が一のために行政機関に連絡をするなどしましょう。

【3】猫を見つけたら安全に保護する

脱走した猫は精神的に不安定になっています。飼い主さんとはいえ、大声を出したり、急いで駆け寄ったりすると恐怖心から逃げることも。猫を追いかけたりせず、フードでおびき寄せて、バスタオルをかぶせて捕獲し、キャリーケースにいれて保護しましょう。

【4】帰宅後は全身チェックをする。

ノラ猫と接触し、ウイルスや寄生虫に感染している可能性があります。複数飼いの場合はほかの猫と一緒にせず、保護したらそのまま動物病院へ行くのがベターです。もしくは別室に隔離し、翌日受診しましょう。

脱走から保護した後のチェックポイントは以下です。
・ケガをしていないか
・歩き方がおかしくないか
・体をしきりにかいていないか
・ウンチやオシッコに変化はないか
・食べる量は減っていないか
該当するものがある場合は、すぐに動物病院へ行きましょう。

猫の事故やケガについて、対策や対処法をご紹介しました。日ごろから愛猫にとって安全な環境づくりを心がけ、万が一トラブルが起きた場合も冷静に対処できるように備えておきましょう。

監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより

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