暑い季節は、急激な温度や湿度の変化により、猫も人と同じように「夏バテ」になることがあります。しかし、原因を取り除いても回復しないようなら、別の病気が隠れているかもしれません。今回は、「夏バテ」と「夏バテに似た症状が見られる他の病気」の見分け方などについてご紹介します。
猫の「夏バテ」症状と原因は?
猫も人と同様に、夏になって急に暑くなったり、逆に冷房が効きすぎて体が冷えてしまったりすると、体に負担がかかり体調を崩しやすくなります。これが「夏バテ」の主な原因です。
猫が夏バテになると、「元気がなくなる」「下痢(軟便)」「水を過剰に飲む」「食欲不振になる」などの症状が見られますが、原因となる環境を改善すれば自然と回復することが多いようです。
しかし、夏バテの原因となる環境を変えても症状が改善しない場合は、以下のような病気にかかっているおそれがあるので注意してください。
「夏バテ」に間違われやすい病気
胃腸炎
夏バテの症状に加え、「嘔吐を繰り返す」「ウンチときに“しぶり”が見られる」といった症状が見られたら、胃腸炎にかかっているおそれがあります。胃腸炎はストレスや寄生虫感染、誤食などが原因で起こるとされていますので、早めに動物病院を受診して適切な処置を受けましょう。
腸閉塞
腸閉塞になると、「胃液だけを繰り返し吐く」「うずくまって元気がない」などの症状が見られます。重症化すると激しい腹痛が原因で、ショック状態に陥ってしまうことも。
腸閉塞は腸内に異物が引っかかることで起きますが、猫の場合は異物化した毛玉が原因で発症することも少なくありません。放っておくと腸管が壊死するなどして大変危険ですので、すぐに動物病院を受診してください。
尿石症
オシッコがたまる膀胱や、尿管・尿道などのオシッコの通り道に結石ができる尿石症。尿石症は体質に加え、ストレスが影響して発症することもあります。
「トイレに行く回数が増える」「オシッコが出ない(量が少ない)」「オシッコが濁っている」「血尿が出る」など、排尿の異常がみられる場合は、必ず動物病院を受診しましょう。
腎臓病
腎機能が低下し、血液中の老廃物を取り除くことができなくなってしまう腎臓病。発症すると夏バテのような症状に加え、「オシッコの量が増える」「嘔吐する」「脱水症状になる」などの不調が見られるようになります。
過去に尿石症や猫カゼで脱水症状になったことのある猫や、歯周病のある猫などは発症しやすいと考えられているので注意が必要です。
他の病気が考えられる場合は早めの受診を!
「夏バテ」と「夏バテに似た症状が見られる他の病気」は、なかなか見極めが難しいかもしれませんが、原因を取り除いても症状が治まらない場合や、気になる症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「ねこのきもち」2020年7月号『症状や猫の様子でカンチガイしないで!その「夏バテ」、じつは病気かも』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/いけてぃん
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