飼い主さんが外出しなければいけないとき、愛猫を長い時間お留守番させるのは心配ですよね。みなさんは、愛猫のためになにかお留守番対策をしていますか? じつは飼い主さんのちょっとした工夫で、猫は安心して過ごせるものなのです。
この記事では、飼い主さんが実践したい留守番前の準備とアフターケアについて紹介します!
猫を留守番させるときにしておきたい準備3つ
飼い主さんが外出前にするべきことは、愛猫が安全に安心して過ごすための準備 です。そのなかでも、とくにやっておきたい準備が3つあります。優先順位が高い順に見ていきましょう!
準備①:誤食やケガを防ぐための「事故防止対策」をしよう
猫を留守番させるとき、部屋の中に猫が誤食しそうなものや、事故につながりそうなものを置きっぱなしにしていませんか?
人が使うものや食べ物はもちろんですが、日頃から使っている猫グッズでさえも、猫だけで使うとなると危険な存在になることがあります。誤食やケガは命に関わる恐れもあるので、猫が留守番する環境を猫目線で確認し、事故対策をしましょう。
誤食しないように、人の食べ物や猫用のおもちゃは「猫が届かないところ」にしまおう
人の食べ物は、猫にとっては有害なものもあります。猫が届かないところにしまっておきましょう。
また、猫用のおもちゃも誤食の可能性があるので、開き戸などの中にしまっておいてください。猫が開けてしまう可能性がある場合には、市販の開き戸ロックを付けておくと安心です。
ひとつの部屋に閉じ込めてしまわないように、ドアストッパーを付けよう
猫が部屋を行き来する際に、誤ってドアに体を挟まれてしまったり、部屋に閉じ込められたりする恐れもあります。留守番中にそうした事故を防ぐためにも、ドアストッパーを強めに差し込んでおきましょう。
「ねこのきもち」読者がしている対策は?
「ねこのきもち」読者のみなさんは、猫のお留守番時の事故防止対策として、こんなことを実践しているようです!
・「電気コードは抜けるものは抜いて見えない場所に。抜けないものはカバーを装着!」
(栃木県 Tさん/ココくん<オス・7才> はなちゃん<メス・6才・アメリカンショートヘア>)
・「キッチンに入らないように柵を設置しています」
(大阪府 Sさん/あかねちゃん<メス・7才>)
・「猫タワーなど高さのある場所の下には落下したときのことを考えて、クッションやマットを敷いています」
(埼玉県 K・Hさん/にゅうくん<オス・1才> ビスコくん<オス・9か月>)
・「ティッシュペーパーの取り出し口を下にしてイタズラ防止!」
(京都部 Iさん/カリラちゃん<メス・3才 アメリカンショートヘア>)
準備②:ほぼ寝ているからこそ、猫グッズを増やす&位置を変えてみよう
猫は1日の大半を寝て過ごすといわれており、留守番中もほとんど寝ています。だからこそ安心して眠れるようにしてあげたいですよね。
また、猫が起きて活動するときにストレスなく過ごせるように、食事やトイレ、グッズの数やそれらの位置を考慮してあげる必要があります。これは留守番のときだけでなく、日頃から意識してあげたいことです。
時間によって居場所を選べるように、布や猫ベッドを数カ所に置いておこう
留守番の時間が長いと、時間帯によって猫にとって居心地のいい場所が変わってきます。
たとえば、日中は猫ベッドを窓辺に置いてひなたぼっこができるようにしてあげたり、夜はふわふわの布で寒さを感じることなくくつろげるようにしてあげるなど、さまざまな場所に猫ベッドや布を置いて、猫が自由に選べるようにしてあげましょう。
「水が飲みたい」と思ったタイミングを逃さないよう、水飲みボウルをあちこちに設置しよう
猫はおしっこの病気にかかりやすいです。また、シニア猫や体調の悪い猫ほど、水を飲むことをおっくうに感じてしまう傾向も。
猫の「飲みたい願望」にすぐ応えられるように、水飲みボウルはあちこちに置いておきたいです。ひとつはいつも過ごしている部屋に置いておき、もうひとつは猫が移動する通り道に置いてみるなど、工夫してあげましょう。
留守番時間が長いなら、フードを1.5食分置いておこう
留守番の時間が長いと、猫がお腹を空かせてしまうこともあるでしょう。一気食いせずに少しずつ食べる猫の場合は、1.5食分置いておくと不満を感じにくくなると思います。フードを一気食いしてしまう猫には、自動フード供給器が便利なのでおすすめです。
ただし、留守番中に与えた分は1日の給与量から引いて、与え過ぎないようにしてくださいね!
トイレを複数個設置して、キレイなトイレのストックを
猫はキレイ好きな性格なので、排泄して汚れたトイレを使いたがらないことがあります。留守番中はすぐに片付けてあげられないので、ふだんのトイレに+1個設置してあげてください。
追加するトイレは、留守番中にニオイが気にならない距離に設置するといいでしょう。
「ねこのきもち」読者がしている対策は?
「ねこのきもち」読者のみなさんからは、猫のお留守番対策として、こんな声が寄せられました。
・「留守番中にふみふみできるようブランケットを準備します」
(滋賀県 I・Kさん/ルーちゃん<メス・5才>)
・「水飲み場を1階と2階に設けています」
(鳥取県 Oさん/誉くん、要くん<ともにオス・1才>)
・「できるだけ好きな場所を選んで過ごせるよう、安全な部屋を開放しています」
(三重県 R・Kさん/あおちゃん<メス・7才・ラグドール> むくくん<オス・7才・ラグドール>)
・「冬は暖かい布を、夏はひんやりマットを敷いています」
(北海道 Sさん/アクセルくん<オス・5才・メインクーン>)
準備③:起きているときも退屈を感じないよう、刺激のある環境をつくろう
猫は留守番中に起きている時間は短いものの、飼い主さんのいない部屋で過ごすことは退屈なものです。危険のない程度に、猫が刺激を感じて楽しめる環境にすることで、留守番時間を短く感じさせることができるかもしれません。
夢中になって時間を忘れてしまうような、安全に「ひとり遊び」ができるものを準備しよう
猫は退屈からストレスを感じると、イタズラをしたり、同居猫がいる場合はケンカをしたりすることも。退屈を感じないよう、遊びながらフードを食べられる知育おもちゃなどを置いておくとよいでしょう。
また、爪とぎ器の数を増やしてあげるのもストレス解消になります。
上下運動を促すよう、高さのある場所に布や猫ベッドを置こう
猫が留守番中でも上下運動をしたくなるように、家具や猫タワーなど高さのある場所にくつろぎスペースを置いてみるのがいいでしょう。
その際の注意点としては、猫は下からジャンプするため、上にあるものがすべて見えているとは限りません。ケガにつながる危険なものがないかどうか、よく確認しておいてください。
「ねこのきもち」読者がしている対策は?
「ねこのきもち」読者のみなさんからは、猫のお留守番時の退屈対策として、こんな声が寄せられました。
・「相性がいいのか、複数飼いにしてから留守番中3匹で仲良く過ごしています!」
(埼玉県 Mさん/ココアちゃん<メス・20才> レオくん<オス・2才> リリィちゃん<メス・ 1才>)
・「外が見えるようにカーテンを開けて出かけています」
(愛知県 Oさん/寅次郎くん<オス・3才>)
・「上下運動を楽しめるよう巨大な猫タワーを設置しました!」
(鳥取県 Oさん/誉くん、要くん<ともにオス・1才>)
ここまで紹介したものは、ぜひお出かけ前に準備してみてください。ただし、出かける直前に慌てて準備をしてしまうと、猫がその雰囲気を察して不安な気持ちになってしまうことがあります。
余裕をもって準備ができるよう、早めに取りかかりましょう!
お出掛け直前に確認しておきたい5つのこと
①猫の様子はいつもどおり?
出かける前に、猫の行動や表情に変化がないかを確認しましょう。帰宅後、猫の異変を確認する際にも役立ちます。
②「行ってくるね」など、いつも通りの声がけをした?
飼い主さんが慌てて出て行ってしまうと、猫は不安な気持ちのまま過ごすことになってしまいます。出かけるたびに「行ってくるね」など決まった言葉を話しかけてあげると、猫にとっては「必ず帰ってくるよ」という合図にも。できるだけ声がけをしてから行きましょう。
③猫を部屋に閉じ込めていない?
外出前に飼い主さんが準備をしている途中で、気付かぬうちに猫がついて回っていることもあります。トイレや浴室、寝室などに閉じ込めていないか、出かける前にもう一度確認しましょう。
④窓の戸締りはした?
脱走防止のためにも、出かける前はすべての窓の鍵を確認しておきましょう。猫には届かないと思うような位置にある窓も、忘れずに鍵をしておいてください。
⑤暑過ぎず、寒過ぎない室温になっている?
理想の室温は留守番時間や匹数によって異なりますが、基本は22~24℃を目安にエアコンを設定しておくとよいでしょう。猫は涼しさよりも暖かさを好みやすいので、気持ち高めに設定すると安心です。
うっかり見落としがちなことも、猫にとっては一大事になってしまいます。上記5つの最終チェックをしてから、飼い主さんは出かけるようにしてくださいね。
留守番後に愛猫にしてあげたいアフターケア3つ
いくら準備を万全にしていても、数時間の留守番後は、猫も多少の不安を抱えていることも。お世話も行き届いていない場合があるので、帰宅後にはアフターケアをしてあげましょう!
①室内をチェックして、安全確認をしよう
外出前に事故防止の対策をした場合でも、猫が留守番中に安全に過ごせたか、危険はなかったか、過剰にストレスを感じなかったか、確認してみてください。
下記の5つのポイントをチェックしましょう。
- 粗相をしていないか
- 壁や扉などに爪とぎをしていないか
- 吐き跡がないか
- 誤食していないか
- フードや水が減っているか
粗相をしている場合は、相当な緊張状態にあったり、トイレに不満がある可能性があります。扉や壁に爪とぎをしているようなら、不安やイライラから爪とぎ器以外の場所でしているのかもしれません。
部屋の中で細かいものが破損していたり、なくなっているものがないかの確認も大切です。もし何度も吐いたり、元気がない場合には誤食の可能性もあるので、動物病院を受診しましょう。
また、フードや水がまったく減っていない場合も、不安や不満が原因だったり、病気のサインの可能性もあります。水が異常に減っている場合は、おしっこの病気の可能性もあるので、注意しましょう。
留守番中の猫の状態は、室内を見ればわかるともいいます。帰宅後すぐに確認してみてくださいね。
②トイレを掃除して、フードを与えよう
続いて、猫の身の回りのお世話をしてあげましょう。とくにトイレが汚れていたり、お腹が空いていることは、猫にとって大きな不満に!
飼い主さんの帰宅後は猫からの要求も強いはずなので、安全の確認ができたら速やかに対応してあげましょう。
トイレ掃除の際は、排泄物の色や形に異変はないかどうかも確認してください。
③コミュニケーションを補おう
トイレの要求やフード欲が満たされたあとは、飼い主さんへの気持ちを満たしたいという猫もいます。飼い主さんのニオイや感触を実感できると猫は安心できます。ひととおりお世話を終えたら、猫とのコミュニケーションを図ってみてくださいね。
飼い主さんと一緒にできる遊びは、猫にとって喜びに。じゃらしおもちゃを動かしてあげたり、ボールを投げたり、コミュニケーションをとりながらダイナミックな動きができる遊びを5分ほどしてあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年4月号『ちょっとの心がけで、絆はもっと強まる 猫の留守番 ビフォーアフターにすること』
(監修:東京・六本木の小動物診療所獣医師 徳留史子先生)
※一部の写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と一部の写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※体験談の内容は掲載当時のものです。
文/sorami