猫と暮らす
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愛猫が慢性腎臓病になるとワクチン接種できない!? 獣医師が解説します
この記事ではそんな病気の解説のほか、実際に体験した飼い主さんの疑問について、獣医師の重本先生が回答します。

重本 仁先生王子ペットクリニック院長(東京都北区)
腎臓の働きが悪くなり、老廃物を体外に出せなくなる病気
もともと飲水量が少ない猫は体外への水分の喪失を減らすために、代謝の過程で生じる老廃物を濃縮した尿として排泄するため、腎臓に負担をかけやすいのです。そのため個体差はありますが、8才頃から腎臓の機能が衰え始め、慢性腎臓病にかかる猫が増える傾向に。また、これまでに尿石症にかかった経験のある猫は、よりリスクが高くなるとされています。
この病気は早期に発見して、進行を遅らせることが大切です。定期的に健康診断を受けて、下記の症状が見られたら早めに受診を。
慢性腎臓病の初期症状
・ふだんの1.5倍以上、水を飲む
・食欲が落ちてやせる
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」①
岡山県 M・Kさん Bくん(オス・12才)、Eちゃん(メス・12才)
※慢性腎臓病と診断されたのはともに6才当時
高齢猫ほど体調に配慮して接種することをおすすめします
基本的に、慢性腎臓病にかかっている猫でも、体調に問題がなければワクチン接種は可能です。高齢猫ほど病気にかかると重症化しやすいため、定期的に接種しておくほうが安心ですから、かかりつけの獣医師に再度相談してみてはいかがでしょうか。
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」②
愛知県 E・Aさん Cくん(オス・9才)
※慢性腎臓病と診断されたのは5才当時
検査で病気の進行具合を知り、それに応じた治療を続けて
慢性腎臓病の場合、食事療法が寿命を延ばすのに一番効果があるというデータがあり、療法食を与え続けるのが理想です。療法食は複数のメーカーがドライフードとウエットフードを扱っているので、獣医師に相談のうえ、嗜好に合わせて選ぶといいでしょう。
ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。
いざというときに思い出し、役立ててくださいね。
監修

重本 仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/2020年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/SAY
イラスト/みやしたゆみ
※この記事で使用している画像は2020年10月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。
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