猫と暮らす
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口の中の痛みや心臓病が原因のことも 猫の危険な「よだれ」の見分け方
猫がよだれを垂らして寝ている様子を見たことがある人もいるでしょうが、よだれには調子のいいときに見られるものと、不調の際に見られるものがあります。
この記事では、猫の「問題のないよだれ」と「危険なよだれ」について、ねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
猫の「よだれ」について

よだれ(唾液)の分泌は、主に自律神経(交感神経・副交感神経)の働きによって調節されています。
目覚めて活動しているときや緊張している際に活発に働く「交感神経」の作用でよだれの分泌量が減り、寝ているときやリラックスしているときに活発に働く「副交感神経」の作用で分泌量が増えます。
また、それ以外にも口の中の刺激や胃腸の不調に伴う吐き気、呼吸困難などの際には、よだれの分泌量がさらに過剰に増えることがあります。
下記でもう少しくわしく解説していきます。
猫の調子がいいときに見られる「よだれ」とは?

猫の調子がいいときのよだれは、主にリラックスして副交感神経が活発に働いている際に見られます。たとえば、睡眠時やグルーミング、マッサージなどをしてもらっている際に少量よだれが出る程度であれば、問題がないといえるでしょう。
猫が不調のときに見られる「よだれ」とは?

一方、猫が不調のときのよだれは、リラックスしていない状況で多量に出ているのが特徴です。病気など何らかの原因で、過剰によだれの分泌が増えている可能性が考えられます。
口の中に違和感があったり、痛みなどの刺激を受けている状態だと、よだれが増す傾向があります。たとえば…
などのほかにも…
といった稀な要因である場合もあります。
また、胃腸の不調や乗り物酔い、異物誤食による腸閉塞などによって強い吐き気を伴う際には、その吐き気から多量のよだれが見られることもあります。さらに、心臓や呼吸器の不調による呼吸困難の際にも、呼吸が荒い症状と合わせて多量のよだれが出ることもあります。
心配なよだれの症状が続く場合は動物病院へ

愛猫がリラックスしているタイミングで多少のよだれが出るのは、むしろ自律神経が健全に働いている証ですが、リラックスしていないタイミングで過剰によだれが出たり、よだれがひっきりなしに出続けるのは、それなりの原因がある場合が多いです。
心配なよだれの症状が続くようであれば早めに動物病院を受診し、よだれが増えている原因を調べてもらいましょう。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami
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