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どの猫にも起こり得る問題行動「ウールサッキング」を解説

聞きなれない言葉かもしれませんが、じつは「ウールサッキング」という行動をしてしまう猫は少なくありません。
この行動は、ときには動物病院で受診が必要で、問題行動として扱われることがあります。
飼い主さんからの質問に「ペット問題行動クリニックBLISS」の菊池亜都子先生に回答してもらいました。
ブランケットに包まる猫
Mariia Kokorina/gettyimages

Q.ウールサッキングって何ですか?

A.異物を好んで吸ったり、噛んだり、摂食することです

ウールサッキングとは「毛織物吸い行動」とも呼ばれ、布類などを吸ったり、噛んだり、摂食したりする行動のこと。これは同じ行動を繰り返す「常同障害」のひとつで、たとえば毛布を食べるといった行動を頻繁に繰り返します。猫が毛布などを少々吸うだけなら危険はありませんが、噛みちぎって飲み込むと消化できずに腸にたまります。手術で異物を摘出しなければならないケースもあり、そうなる前に受診が必要です。
Getty

Q.猫が好んで口にするのはウールだけですか?

A.布類以外に紙類、ポリ・ビニール類を好む猫もいます

 布類であれば何でも対象になりますが、とくにウール、フリース、毛布が多いという印象です。また、布類ではない物質もウールサッキングの対象になり、紙類、ポリ・ビニール類、プラスチック類などを好んで口にしたがる猫もいます。
撮影/中川文作

Q.ウールサッキングをする原因は何ですか?

A.早期離乳や心の病が原因と考えられています

詳細な原因は解明されていませんが、乳飲み猫のうちに母猫から離される「早期離乳」が要因のひとつと考えられています。また、ストレスや欲求不満が生じるような環境下に置かれている猫や、トラウマを生じるようなできごとに遭遇した経験のある猫も、ウールサッキングの行動を起こしやすいようです。

Q.誤食とは違うのですか?

A.誤ってではなく“好んで口にしている”点が違います

誤食は、食べ物だと思い込んで誤って食べてしまうこと。たとえば、刺身のニオイの付いた食品トレーを食べるのは誤食です。ウールサッキングは食べ物に関係なく、自ら対象物を探し出して口にしているという点が、誤食と違います。

Q.飼い主はどんなときに気付くことが多いですか?

A.布類が穴だらけで気付くケースが多いでしょう

押し入れなどにしまった毛布が穴だらけになっていたり、段ボール箱が食いちぎられていて気付くケースが多いよう。ただ、猫が隠れた場所で行っている場合、食べていても気付きにくいもの。「もしや?」と思ったら、ふだんの愛猫の様子をチェックしましょう。食べ物のニオイがしないものをよくなめたりかじったりしている、食べ物以外の特定のものに執着して自らよく近付いている、嘔吐したものに食べ物以外のものがよく混じっている、ウンチに食べ物以外のものがよく混じっているなど見られたら、ウールサッキングをしている可能性があります。

Q.動物病院で治療はできますか?

A.原因によっては治療可能です

胃腸障害などの病気が原因で異物を食べたがる猫もいるため、まずは身体的な病気が隠れていないか検査が必要。そのうえで心の問題が原因となれば、不安を和らげる薬が処方されることがあります。なお、薬物投与だけではなく、適切な環境づくりや食生活の対策も必要です。

Q.ウールサッキングをしやすい年齢や猫種は?

A.あらゆる年齢で見られ、東洋系の猫種に多いと考えられています

8カ月齢以前に発症することが多く、あらゆる年齢で見られます。東洋系の純血種であるシャム(下写真)、バーミーズ、バリニーズに多いとされていますが、ミックスなどにも生じるでしょう。ちなみに性差はありません。
Getty
いかがでしたか? 
ウールサッキングという問題行動について、専門家の菊池先生に伺いました。
ウールサッキングを放置していると健康を害することもあるので、気になる飼い主さんはかかりつけの獣医さんに相談するといいでしょう。
参考/「ねこのきもち」2021年2月号『冬はとくに注意! どの猫にも起こり得る問題行動「ウールサッキング」を知っていますか?』(監修:獣医師、「ペット問題行動クリニックBLISS」菊池亜都子先生)
文/SAY
撮影/中川文作
※この記事で使用している画像はねこのきもち2021年2月号『冬はとくに注意! どの猫にも起こり得る問題行動「ウールサッキング」を知っていますか?』に掲載されているものです。
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