1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 病気の兆候
  5. 猫の高齢化にともない増える「がん」は恐い病気?|獣医師が解説します

猫と暮らす

UP DATE

猫の高齢化にともない増える「がん」は恐い病気?|獣医師が解説します

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫がかかりやすい病気のことは、飼い主さんならよく知っておきたいもの。
この記事ではそんな病気の解説のほか、実際に体験した飼い主さんの疑問について、獣医師の重本先生が回答します。

今回は、猫にもさまざまな種類がある悪性腫瘍の「がん」です!

お話をお伺いした先生

重本 仁先生
王子ペットクリニック院長(東京都北区)

体にできた悪性の腫瘍が徐々に大きくなる、転移するなどして命にかかわる病気

がんとは、しだいに大きくなったり、全身に転移したりして命にかかわる悪性の腫瘍のことです。人間同様に、体のあらゆる部分にできる可能性があります。
とくに猫に多く見られるのは、血液のがんである「リンパ腫」、おもにメスの乳腺にできる「乳がん」、皮膚型と内臓型がある「肥満細胞腫」、顔にできやいすい「扁平上皮がん」などです。
治療は、がんの種類によって違いますが、腫瘍を切除する「外科手術」、腫瘍を小さくして延命効果を高める「放射線療法」、抗がん剤などを使う「化学療法」の3つがあります。また、近年では副作用の少ない化学療法で、がん細胞にのみ作用する「分子標的薬」も使われるように。こちらは猫の場合、肥満細胞腫の治療に効果が期待されています。

がんのおもな症状

●体に腫れ、しこり、できものができる
●食欲がなくなる、体重が減る
●下痢、嘔吐が続く

イラスト/みやしたゆみ

乳がんのため、乳腺にしこり(腫瘍)ができた猫のイメージ。お腹の毛は剃っています。

飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」 

首元が腫れていたので受診するとリンパ腫でした。放射線治療などを受けて腫瘍は小さくなったものの、転移して息を引き取りました。シニアになるとがんを発症する割合は増えますか? また、早期発見のポイントがあれば教えてください。
――三重県 M・Yさん/Mちゃん(メス・享年12才)
※リンパ腫にかかったのは11才当時。

がんの発症率は高齢になるにつれ高くなるでしょう
造血器(血液を造る臓器)に見られる腫瘍の大半がリンパ腫です。皮膚やリンパ節、腸や腎臓など、あらゆる部位にできるのが特徴で、Mちゃんは首のリンパ節にできたのでしょう。がんは基本的に高齢になるにつれ発症のリスクは上がっていき、リンパ腫は8~10才頃から増える傾向にあります。
がんの早期発見には、スキンシップをし、猫の全身を触ったり観察したりすることをおすすめします。お腹などをさり気なくなでながら、指に意識をおいてしこりの膨らんだ感触がないか確認しましょう。また、がん細胞の増殖によって起こる代謝の変化で、急激に体重が減少することもあるので、定期的な体重測定も必要です。
健康診断の際にがんが見つかるケースもあります。シニア猫は半年に1回を目安に受けましょう。

イラスト/みやしたゆみ

体重の減少は見た目ではわかりにくいので、月に一度は体重測定をし、10%以上減少していたら受診を。
※キャリーケースに猫を入れて測定後、キャリーケースの重さを引くと、猫の体重になります。

あごに小さな赤い粒を見つけ受診。1回目の検査ではわからず、2回目で皮膚がんと診断されました。腫瘍は手術で除去できたものの、転移して旅立ちました…。診断に時間を要するがんもあるのでしょうか?
――静岡県 A・Wさん/Hちゃん(メス・享年15才)
※皮膚がんにかかったのも15才当時。

細胞診検査を複数回行うこともあるため、時間はかかります
がんの疑いがある場合、動物病院では詳細な検査を行います。まずは血液検査やレントゲン・超音波検査を行ったうえで、必要に応じて細胞を顕微鏡で検査する細胞診や、全身麻酔をしてCT検査などを追加。おそらくHちゃんも、この細胞診検査を実施したのでしょう。
細胞診検査は、細い針で病変の細胞を採取しますが、その接着が強いと細胞がうまく取れず、有効な結果が出ないこともあり、検査を複数回行うケースもあります。細い針での検査は痛みも少なく、短時間ですみますが、取れる細胞の量が限られるため、場合によっては一部切除して病理組織検査を行い、確定してから手術に臨むこともあります。
状況によってはこれらを省き、最初に手術をすることを選択し、手術後に病理組織検査をすることもあります。検査自体も時間を要するので、確定診断に至るまで少し時間がかかるでしょう。

先生、ご回答いただきありがとうございました。
ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。
いざというときに思い出し、役立ててくださいね。

監修

重本 仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2021年2月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/SAY
イラスト/みやしたゆみ
※この記事で使用している画像は2021年2月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。

CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る