猫と暮らす
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猫が「尿石症」と診断されたら、どうしたらいいの?|獣医師が解説します!
今回は「尿石症」の結石には種類があるのか、どのくらいの頻度で尿検査を受けるのかといった疑問を取り上げます。
重本 仁先生王子ペットクリニック院長(東京都北区)
濃縮した尿が結晶・結石となり、排尿障害を起こす
結石ができた部位やサイズにより、排尿時にさまざまな異変が見られます。どの場合も、病気が進行すると結石が尿路を完全に塞いでしまい、オシッコがまったく出なくなることも少なくありません(尿路閉塞)。とくに尿道の細いオスは結石が詰まりやすい傾向にあり、早く発見しないと老廃物などが体を巡る「尿毒症」を併発して、命を落とす危険があります。
尿石症のおもな症状
●いつもより尿量が少なく、何度もトイレに行く
●排泄ポーズをしているのに尿の跡がほとんどない
●陰部を気にして、しきりになめている
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」①
同居猫も尿石症にかかりましたが、結石の名前が違ったような…。
結石には種類があるのでしょうか?
神奈川県 H・Sさん
Nちゃん(メス・4才)、Mくん(オス・2才)
※尿石症を発症したのは、Nちゃんは10カ月齢、Mくんは1才当時。
結石は数種類ありますが、大半がストルバイトとシュウ酸カルシウムです
治療は、小さなストルバイト結石なら専用の療法食で溶かし、大きな結石や溶けにくいシュウ酸カルシウム結石は手術で取り除くのが一般的です。また、体質や食事、生活環境によっては再発する猫も多く、治療後も猫の様子に注意しながらのケアが必要になります。
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」②
検査で結石が見つかり、療法食やサプリメントで治療をしました。
再発が心配ですが、尿検査はどのくらいの頻度で行うのが望ましいですか?
ちなみにわが家はシステムトイレです。
神奈川県 A・Uさん
Mくん(オス・2才)
※尿石症を発症したのは1才当時。
異変がなければ3カ月に1回程度の尿検査が目安です
なお、尿検査も大切ですが、再発予防には猫の排尿を促す工夫も取り入れたいもの。水飲み器を追加して水をたくさん飲ませる、トイレをマメに掃除して清潔に保つ、などを心がけてください。療法食とサプリメントで治療したようですが、こちらも獣医師に相談しながら続けるといいでしょう。
ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。
いざというときに思い出し、役立ててくださいね。
参考/「ねこのきもち」2021年3月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/SAY
イラスト/みやしたゆみ
※この記事で使用している画像は2021年3月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。
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