猫と暮らす
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意外と多い、猫の「皮膚病」はどんな病気?|獣医師が解説します
この記事ではそんな病気の解説のほか、実際に体験した飼い主さんの疑問について、獣医師の重本先生が回答します。
重本 仁先生王子ペットクリニック院長(東京都北区)
さまざまな原因で 皮膚に異変が起こります
皮膚病の原因の中には、猫から猫へと簡単に感染していくものがあります。予防には、猫も猫の周りも清潔を保つよう、衛生面に配慮することが大切です。
治療は原因によって異なりますが、飲み薬や塗り薬の投与、アレルギー対応の療法食に切り替える、寄生虫の駆除薬を投与する、などが一般的。完治に時間を要するケースもあるの
で、症状が治まっても自己判断せず、獣医師の指示を守る必要があります。
皮膚病のおもな症状
●部分的に脱毛する
●特定の部位をなめる
●皮膚に赤み、発疹・湿疹、カサブタが見られる
飼い主さんからの疑問「そこが知りたい」
治療して症状は治まりましたが半年後に再発。
アレルギーの疑いがあるようですが検査でアレルゲンを特定できますか?
K・Sさん
Fくん(オス・2才)
※皮膚病と診断されたのは6カ月齢当時
近年、猫も血液検査でアレルゲンを特定できるケースが増えました
Fくんはアレルギーの疑いをもたれているようですが、特定のものに接触することで炎症が起こる「接触皮膚炎」があります。食器の素材が肌に合わずにアレルギー反応を起こし、口元に症状が出る猫も。
近年では、動物病院で猫のアレルギー検査もできるようになり、アレルゲンが特定できるケースも増えました。再発を繰り返すようでしたら受けておくと安心でしょう。なお、検査は血液を採取して行います。
塗り薬と飲み薬を処方されて、間もなく完治。
ただ、ときどきフケが出ていますがこれは皮膚病のサインでしょうか?
F・Kさん
Kくん(オス・3才/アメリカンショートヘアー)
※皮膚病と診断されたのは2才当時
フケが大量に出るなら病気のサインかもしれません
フケは皮膚からはがれ落ちた角質細胞のことで、猫も人と同様に、見た目は白い粉のようです。これは皮膚の代謝が正常に行われている証なので、少量のフケなら問題ないでしょう。しかし、大量にフケが出ている場合は、皮膚に異変が起きている可能性が大です。その際、かゆみをともなうケースが多いので、悪化する前に動物病院で受診しましょう。
ご紹介した飼い主さんのエピソードは、あなたの愛猫に起こる可能性もあります。
いざというときに思い出し、役立ててくださいね。
監修
重本 仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/2021年1月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』
文/Betty
イラスト/みやしたゆみ
※この記事で使用している画像は2021年1月号『ねこに多い病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。
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