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【獣医師監修】猫にトイレのしつけは必要?排泄ケアやスプレー対策も

猫に限らず、ペットを迎えると必ず浮上するのがトイレ問題ですよね。そこで今回は、猫にトイレのしつけは必要なのかという疑問点をはじめ、快適なトイレ環境や排泄ケアのポイント、粗相やスプレー行為といった問題行動の対策法などについて解説します。

ねこのきもち獣医師相談室

愛猫の困りごとや悩みについてアドバイスをする、「ねこのきもち」獣医師チームです。豊富なアドバイス経験をもとにした丁寧な情報発信を心がけています。誰でも無料でご利用いただけるチャット相談 「ペットケアONLINE」も展開中。
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猫にトイレをしつける必要はない?

かごにあごを乗せる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫はもともと単独行動かつ警戒心が強い動物のため、敵に自分の居場所を特定されないよう砂の上で排泄をし、排泄物に砂をかけてニオイを消すという習性を持っています。

そのため、トイレ砂を用意したうえで少しサポートをしてあげれば、自分で排泄してくれるようになるので、いちいちトイレのしつけをする必要はありません

トイレの場所を覚えさせることは必要

トイレのしつけは必要ないものの、設置したトイレが排泄する場所だと、猫に覚えさせる必要はあります。猫は自分の排泄臭がする場所をトイレと認識するため、排泄物がついたトイレ砂や、粗相をしたときにオシッコを拭いたティッシュをトイレに置いてあげると、トイレの場所をスムーズに覚えやすいですよ。

また、猫がトイレに行きたいそぶりを見せるたびに、トイレの場所に誘導してあげることで覚えさせる方法もありますニオイをクンクン嗅ぐ、お尻をむずむずさせるといった行動は、トイレに行きたいという「トイレサイン」のひとつなので、見つけたらすぐに猫をトイレの場所まで連れて行ってあげましょう。

なかには使い方が「惜しい」猫も

排泄に関する習性は備わっているといっても、飼い主さんを悩ますケースがゼロというわけではありません。なかには、トイレからはみ出たところで排泄してしまったり、トイレで寝てしまったりすることも。

いずれの場合も、猫は悪気があってしているわけではないので、排泄物がはみ出さないくらい大きなトイレに換えたり、トイレより居心地のいい場所をつくってあげたりと、猫に寄りそった対策を考えてあげるといいでしょう。

猫の粗相やスプレー行為はどうしつければいい?

白猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫のトイレに関する問題行動として挙げられるのが、トイレ以外の場所で排泄してしまう「粗相」と、部屋の中や布製品などに強いニオイのするオシッコをかけてしまう「スプレー行為」です。それぞれの原因と対策法を見ていきましょう。

猫が粗相をする原因

猫が粗相してしまう原因としては、トイレや砂が好みではない、トイレが汚い、排泄しづらい場所にトイレが設置されているなど、トイレ環境に不満を持っていることが挙げられます。

猫がトイレに関して何か不満を持っている場合は、以下のような行動を取ることが多いので、一度排泄の様子をチェックしてみてください。

猫がトイレに不満を持っているときのサイン


  • なかなかトイレに入らない

  • トイレや排泄物のニオイをずっと嗅ぐ

  • 体勢を何度も変える

  • 片方の前足がトイレから出ている

  • 排泄物を隠すのをそこそこでやめてしまう

  • 排尿時間は長いのに回数は少ない

  • 何度もトイレに戻る など

なお、あまりに粗相の頻度が多い場合は、トイレ環境に不満があるのではなく、何かしらの病気を患っているおそれがあります。排泄回数や排泄後の様子に異変が現れていることも多いので、上記の不満サインとあわせてチェックしておきましょう。

猫がスプレー行為をする原因

一方、スプレー行為は猫の本能的な行動のひとつで、オス猫が自分の存在や縄張りを主張したり、不安感を紛らわせたりしたいときに行うことが多いといわれています。

外猫の声や気配をよく感じる、新しい猫を迎え入れた、引っ越しをして急に環境が変わったなど、猫が刺激やストレスを受けやすい環境にいるとスプレー行為をしやすいので、住環境や猫との接し方を見直すことが大切です。

粗相やスプレー行為を軽減させるための対策法

猫の粗相やスプレー行為を軽減させるためには、日ごろから以下のような対策を行うことが大切です。

トイレ環境を見直す

トイレ環境に対する不満から粗相をしてしまうのであれば、トイレ環境を気に入ってくれるように見直すことが一番です。詳しくは後述しますが、トイレの数や置き場所、トイレ砂の種類などを猫の好みや適正なものに換えてみるといいでしょう。

粗相やスプレー行為をした場所を掃除する

粗相やスプレー行為をした後のニオイが残っていると、そのニオイにつられて同じ場所で粗相やスプレー行為を繰り返してしまうおそれがあります。

粗相やスプレー行為をした場所にはできるだけ猫を近づけさせないようにし、ペット用消臭剤なども使ってしっかりとニオイを取り除きましょう。

去勢・避妊手術を行う

縄張りの主張などによるスプレー行為は、オス猫の性衝動が要因となっていることがほとんどです。個体差もありますが、スプレー行為をしはじめる前に、去勢・避妊手術をすることで、スプレー行為の抑制や軽減を期待できます。

ストレスを発散させる

スプレー行為は、不満や不安感から受けるストレスから行っている場合も多いので、1日10分ほどのおもちゃ遊びを取り入れて、あり余るエネルギーやストレスを発散させてあげましょう。

猫をしかるのは逆効果になるので注意!

粗相やスプレー行為をしかってしまうと、猫が排泄したことを怒られたと勘違いしてしまい、排泄を我慢したり粗相やスプレー行為を悪化させたりするおそれがあります。

飼い主さんとの信頼関係もゆらぐ危険性があるので、しかるのは控えて、粗相やスプレー行為をさせないための対策に力を注ぎましょう。

猫の粗相やスプレー行為に関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

猫にとって快適なトイレ環境とは

目をつむっている猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

トイレの数は「猫の数+1」が理想

トイレをほかの猫と共有するのを嫌がる猫は多いので、基本的にトイレは1匹ずつ用意するのが望ましいでしょう。また、1つが汚れてもほかのトイレを使えるよう、「猫の数+1個」分用意しておくのが理想的です。

猫はトイレの場所が遠いときは排泄を我慢してしまうことも多いので、いつどんな場所にいてもスムーズにトイレができるよう、猫がよくいる場所に1個ずつトイレを置いておくことも大切ですよ。

理想の設置場所は「静かで人が通らないところ」

猫は敵に居場所を特定されないよう警戒しながら排泄していたこともあり、静かで人通りが少ない場所にトイレが設置されていると安心します。

部屋の隅や猫用ケージの中、人のトイレや洗面所など、風通しもよく、猫の異変や様子をチェックしやすい場所を選ぶのがおすすめです。

シニアになっても使いやすい場所に置くことも大切

猫はいつもと同じ場所を好む動物なので、何才になっても同じ場所で排泄します。しかし、段差がある場所や滑りやすい場所にトイレを置いていると、足腰が弱ってくるシニア猫には行きづらく、粗相の原因にもなります。

そのため、段差のない平らな場所や、滑るポイントや危ないものを置いていない場所など、猫が年を取ってからでも行きやすい、安全な場所にあらかじめトイレを設置することが大切です。

また、ステップ台や使い古したタオルを横に置いておくなど、猫がトイレをまたぎやすいように工夫をしておくのもおすすめですよ。

置き場所を変えたいときは?

前述したように猫は同じ場所を好むため、トイレの置き場所は基本的に変えず、別の場所に置きたい場合は新たにトイレを追加するのが望ましいとされています。

置き場所が確保できないなどトイレの追加が難しい場合は、いきなり別の場所にトイレを移すのではなく、猫のストレスにならないよう少しずつ位置をズラしていくようにしましょう。

トイレは猫が使いやすいものを選ぶ

猫用トイレはシステムトイレや屋根つきタイプ、ドームタイプなど、さまざまな大きさや種類があるため、猫の好みや使いやすさにあわせて選ぶのが一番です。

とはいえ、サイズが合っていないと排泄物をまわりにまき散らしてしまうおそれがあるので、猫が立ったときに全身が入るサイズのものを最低限選ぶようにしてくださいね。

猫砂は猫の好みやお手入れのしやすさで選ぶ

トイレ用の砂もさまざまな素材・種類のものがありますが、使い勝手がよいものとしては、以下のものが挙げられます。


  • トイレに流せて持ち運びにも便利な「ペーパーサンド」「おから」

  • 排泄物のニオイ予防にもなる「ヒノキ」

  • 脱臭力や吸水・速乾にも優れる「シリカゲル」

  • 尿がしっかりと固まって処分しやすい「鉱物系」

  • 洗って再利用ができる「ゼオライト」「木粉」 など


好む感触は猫によってそれぞれ違うほか、トイレ用の砂の処分方法も自治体によって異なるため、猫・飼い主さん双方が納得できるものを選ぶことが大切です。

排泄物は早めに片づける

猫はきれい好きなため、排泄物が残っていると、トイレに行きたがらなくなってしまいます。猫が排泄したら早めに片づけるようにして、清潔さを保つようにしましょう。

猫にとっての適切なトイレ環境については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。

清潔なトイレ環境を保つためのお手入れ方法

見上げる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

トイレ掃除や猫砂交換の頻度

ふだんのお手入れでは、排泄物と汚れた砂部分の片づけ、オシッコの飛び散りの拭き取りなどを行ってください。

ただし、それだけではオシッコやニオイがどんどんこびりついてしまうため、月に1~2回(2週間に1度)砂を全て交換し、あわせてトイレも丸洗いもするようにしましょう。

トイレの掃除・消毒方法

トイレ本体の掃除には中性洗剤、消毒には塩素系漂白剤を使用します。中性洗剤をつけたスポンジでトイレの汚れをこすり落とし、水と規定量の塩素系漂白剤を入れた容器に30分ほどつけ置きしましょう。

オシッコが結晶化してしまって落ちにくい場合は、重曹やクエン酸で結晶をふやかして落とすようにしてください。ただし、こちらの方法は半日~24時間と時間がかかるため、予備のトイレを用意することも忘れないでくださいね。

猫に寄り添った対策でトイレを成功させよう!

上から見てくる猫
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トイレのトラブルは家の中が汚れるなど飼い主さんの負担になるだけでなく、猫の健康を害すおそれもある大変なものです。

日ごろから猫の好みのトイレグッズを用意したり、快適なトイレ環境を整えたりと、トラブルなくトイレができるよう、猫に寄りそった対策をすることを心がけてくださいね!
参考/「ねこのきもち」2018年5月号『愛猫を守るためにできることが見えてくる!イマドキ飼い猫の真実』
   「ねこのきもち」2018年7月号『よかれと思って置いているけれど・・・みんなのおトイレMAP これでOK?』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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