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【獣医師監修】猫のトイレ・排泄ケアのポイント お悩み解消法も紹介

猫はとてもきれい好きで神経質な動物なので、トイレが清潔でないとストレスを感じてしまいます。今回は、猫にとって快適なトイレ環境を作るためのポイントや、トイレに関するお悩みの解消法などを解説します。

猫のトイレ・排泄ケアのポイント

まずは、トイレのしつけや猫が好むトイレ環境について、基本的な情報を知っておきましょう。

猫にトイレのしつけは必要?

本来、猫は砂の上で排泄をする習性があるので、特別トイレの場所をしつける必要はありません。猫は排泄物に砂をかけて、ニオイを消し、敵に居場所を知られないようにしていた習性があります。
もし、その猫自身の排泄臭のついたトイレ砂を以前の飼い主さん・保護主さんからもらうことができれば、設置するトイレ砂の中に混ぜておきましょう。猫は自分の排泄臭がする場所をトイレと認識して、よりスムーズにそのトイレで排泄するようになるでしょう。
もし粗相をしたら、そのオシッコを拭いたティッシュをトイレに置いておくと、トイレと認識するようになります。

猫はどんなトイレ環境が好きなの?

トイレ容器は、大きく深いものに、愛猫の好みの砂をたっぷり入れましょう。トイレの数は「猫の匹数+1個」が理想です。
猫にとって快適なトイレ環境を作るポイントは7つです。

【1】トイレは毎日掃除する

猫はとてもきれい好きな動物です。トイレが汚れていると排泄を我慢することがあり、病気につながるおそれもあるので、こまめに掃除して清潔にしてあげましょう。最低1日2回は掃除してあげるのが理想です。
トイレ砂の交換もパッケージに記載されている目安期間を超えないようにしましょう。清潔なトイレ環境は重要ですが、ある日突然新しい容器や違うタイプの砂に変わっていると、猫は不安になります。新しい容器や砂に慣れるまでは古いものも残して置きましょう。

【2】猫の好むトイレ砂を見つける

トイレ本体の形状や砂の種類は、猫によって好みが分かれます。気に入らないものだと粗相などの原因にもなるので、いろいろ試して愛猫のお気に入りを見つけてあげましょう。

【3】猫がいつもいる場所にトイレを置く

猫はトイレの場所が離れていると排泄を我慢することがあります。用を足したい、と思ったときにすぐ行けるように、1個はリビングなど猫が一番長く過ごす部屋に置くといいでしょう。

【4】猫の排泄中はあまり近づかない

排泄の有無や排泄スタイルで異変に気づけることもあるので、確認のために見るのはかまいません。ただじっと見つめるのは猫のストレスになります。見るなら気づかれないように遠くからさりげなく観察するようにしましょう。

【5】排泄物はなるべく早く片付ける

猫が排泄したらすぐにきれいにするのが理想的です。
日中に留守にすることが多く難しい場合は、トイレの数を増やして猫自身がきれいなトイレを選べるようにすると、ストレスなく排泄できます。

【6】トイレを定期的に丸洗いする

毎日掃除をしていても、少しずつ汚れが蓄積され、ニオイが出てきてしまいます。できれば2週間に1回ほど砂をすべて取り出し、トイレ本体を丸洗いして消毒しましょう。

【7】トイレを静かで暗いところに置く

排泄中の猫は危険が迫っても逃げられない無防備状態なので、なるべく静かな場所で身を隠して排泄できると安心するようです。特に警戒心が強い猫には配慮しましょう。
なるべく人が通らない、部屋の隅など囲まれているところがベターです。
何らかの理由でトイレに不満を持っていると、トイレ以外の場所、布団や毛布などに粗相をすることがあります。愛猫の好みのタイプのトイレ容器やトイレ砂を使い、こまめな掃除を心がけて、いつでも気持ちよくオシッコができるように整えておきましょう。

猫のトイレに関するお悩みQ&A

【Q】トイレ砂はもちろん、排泄したウンチまで激しくかくので、ウンチがトイレの外に出てしまうことがよくあります。
【A】フチが高い野菜洗い用の容器の中にトイレを置くようにすると、容器がカバーとなって排泄物が飛び散らず、ずいぶん楽になるでしょう。

【Q】排泄後、足の指に挟まったトイレ砂をトイレの外に出てから落とすため、トイレのまわりに砂が飛び散ることがあります。
【A】細かい粒から大粒の砂に替えると砂が足の指に挟まらず、飛び散らせなくなるでしょう。猫は排泄物のニオイを消し、敵に居場所を知られないようにしていた習性があります。激しくかく行為は、不安を消し、安心感をアップさせるためのものでしょう。

【Q】これまでトイレで排泄していた猫が、トイレ以外の場所で粗相をするようになりました。
【A】粗相があった場合、多くは何かしら理由があります。まずは、きれいなトイレ環境を整えることが大切です。粗相は、猫がトイレ環境に不満をもっていることが原因の場合が多いです。ですから、家のトイレ環境や猫の状況に応じて、トイレの掃除やトイレ砂の素材、置き場所、個数などを見直す必要があります。また、病気のサインの場合もあるので、受診したほうがいいケースもあります。 

【Q】長毛猫で排泄物がお尻の毛に付きがちなのですが、お尻を拭いてもいいものでしょうか?
【A】猫は、基本的には排便のたびにお尻を拭かなくてOKです。
拭かれることにストレスを感じ、ウンチを我慢する可能性もあります。猫の性格にもよりますが、捕まえられてお尻を拭かれることにストレスを感じる猫は少なくないでしょう。とくに、ウンチのあとすぐにお尻を拭かれる経験を繰り返していると「トイレでウンチをすること」と「お尻を拭かれること」を結び付けて覚える可能性大。その結果、ウンチを我慢して便秘になるなど健康を害したり、トレイ以外の場所で隠れてウンチをしたりするようになるおそれもあります。
猫は通常、とてもキレのよいウンチをしますし、自分で舐めてきれいにするので、拭く必要はありません。長毛の猫でお尻周りの毛が汚れやすい場合は、トリミングの際にお尻周りの毛をカットしてもらいましょう。高齢の猫や病気の猫は、汚れが付いている場合のみ、湿らせたコットンなどでやさしく拭きましょう。

どんな問題も鍵を握るのはトイレの状態です。
猫のトイレトラブルの相談を受けた時、お宅の環境やトイレの状態を実際に見て、アドバイスすることがあります。その経験から、猫のトイレトラブルをなくすには、できるだけこまめに掃除をして、清潔に保つことに尽きると思います。
こまめに掃除をすると、猫がストレスなく排泄できるだけでなく、愛猫の排泄シーンや排泄物を目にする時間も自然に増えます。異変に気付きやすくなるのもメリットでしょう。

授乳期の子猫とシニア猫のトイレ・排泄ケア

授乳期の子猫やシニア猫の場合、特別なトイレ・排泄ケアが必要になることも。その方法について解説します。

乳児期の子猫の排泄ケア

生後3週齢前後までは、子猫は自分では排泄できず、母猫にお尻をなめてもらって排泄します。
母猫がいない場合はその排泄サポートを飼い主さんがしてあげましょう。
詳しくはこちらで紹介しています。

シニア猫のトイレ・排泄ケア

足腰が弱ってきたシニア猫は少しの段差もまたぐのが一苦労で、粗相の原因にもなります。ステップ台を横に付けるなど、またぎやすくなる工夫をしましょう。使い古したタオルをたたんで、ステップ台の代わりにしてもよいでしょう。
猫のストレスを緩和し、排泄に関するトラブルを防ぐためにも、トイレの置き場所や清潔さは重要です。できれば毎日掃除をし、愛猫にあった容器やお気に入りの砂を使うなど工夫しましょう。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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