飼い主さんが問題ないと思っていても、プロの目から見たらじつはトイレ環境に問題があることが。今回は飼い主さんのお宅に行って往診も行う、獣医師の小林先生が往診先のお宅で「心配かも」と感じたトイレエピソードを教えていただきました。
「トイレ砂を丸ごと取り替えたことがない」という飼い主Aさん宅。汚れた部分を取り除いては新しい砂を補充する"秘伝の砂"を使い続けていた!
トイレ砂は丸ごと取り替えて
「汚れたトイレ砂を取り除いては新しい砂を補充。一見キレイになったように思える継ぎ足しスタイルは、衛生的によくありません。年数が経つほど汚れもニオイも取れにくくなるので、定期的な砂の総入れ替えと容器の丸洗いは欠かさないで」
段差を乗り越えた場所にトイレを置いていた飼い主Bさん宅。シニアになっても全力で段差を乗り越えようとしていて。移動させても、いつもあった場所に向かう様子が不憫でした……
トイレは、ずっと使い続けられるところに
「猫は『いつもと同じ』を好むので、シニアになって足腰が弱くなっても、今までのトイレを使おうとするもの。若いうちから将来を見据え、シニアになっても使い続けられるトイレ環境を整えておくといいですね」
トイレのすぐ横に水を置いていた飼い主Cさん宅。結果、水を飲まなくなり……!
猫が口にするものの近くにトイレを置かないで
「猫のスペースと決めているのか、トイレ付近に飲み水を置いているお宅が。猫は清潔な水を好むので、積極的に飲まなくなることもあります。飲水量が減れば排泄にも悪影響。
トイレは水飲み場から離して置いて」
ふだんから気を付けているつもりでも、猫にとっては好ましくないトイレ環境を作っていることもあるよう。ストレスのないトイレ環境が愛猫の健康につながるので、もし上記エピソードに当てはまる場合は要注意です。
参考/「ねこのきもち」2017年7月号『ニャ論調査2017 トイレ編』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
文/浪坂一
構成/ねこのきもちWeb編集室
※この記事で使用している画像は2017年7月号『ニャ論調査2017 トイレ編』に掲載されているものです。