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「個人でも登録できる地域猫活動を!」小さな地域猫活動で多くの市民と猫の共生を実現した柏市動物愛護ふれあいセンター

千葉県柏市の柏市動物愛護ふれあいセンター(以下、センター)では、無秩序な猫の繁殖を抑えるために、個人の地域猫活動をバックアップしています。

同情心からノラ猫にフードを与えてしまう人にも、市が関与してルールに則って活動してもらうことで、「地域猫活動」に。

猫を思う気持ちに寄り添いながら、猫が苦手な人の気持ちにも配慮し、より多くの市民と「猫との共生」を目指す市の取り組みをご紹介します。

個人でも登録できる地域猫活動

柏市には、TNR(T=捕獲、N=不妊手術、R=元の場所に戻す)などを行う地域猫活動への助
成制度があります。市民3人以上なら地域猫活動団体として登録でき、団体自らの責任下でTNRを施すと、ノラ猫の不妊手術代の一部が助成されるというしくみです。

さらに、2020年4月からは個人での地域猫活動登録制度も開始。個人が飼い主のいない猫へフードを与えることについては、「その人の飼い猫として責任を持つべき」との意見がありますが、柏市ではセンターが関わり、アドバイスすることで、地域の理解を得ながら、一定のルールに則った活動が行われています。
撮影/後藤さくら
個人で地域猫活動をしている柴山千昭さん
「本来、地域猫活動は地域の住民が複数人で行うのが理想です。しかし、私たちの最大の目的は、無秩序な猫の繁殖を抑えること。それが実現すれば、おのずとトラブルも減るはずです。同情心からノラ猫にフードを与えている個人の方も、ルールを守ってくださる方の活動は尊重したい、という思いで、踏み切りました」と大嶽さん。

21年6月現在、地域猫活動登録承認総数は、85団体と個人35名。’20年度は、合計171匹の猫が柏市の地域猫として不妊手術を受けました。
当初、柴山さんの庭先には負傷した猫や子猫を連れた母猫が多数来ていたそう。「見て見ないふりはできませんでした」と柴山さん

より多くの市民と「猫との共生」を目指す

センターでは、’20年度はコロナ禍で譲渡活動が難しい状況のなか、ボランティア団体や個人の協力もあって、123匹の猫を譲渡することができました。
センターの活動に欠かせないのは、柏市を拠点に活動するボランティアとの連携。NPO法人にゃん2は、TNR、保護猫預かり、譲渡会開催など多岐にわたって活動する、柏市近隣では希少な団体です。「柏市は‶殺処分しないセンター″を掲げているため、信頼関係は厚いです」と代表の阿久津正代さん(右)
柏市では個人登録が可能になったこともあり地域猫活動に参加する人が増えてきていますが、実際に1人でTNRを行うのはかなり難しいもの。

「将来的には、たとえば地域猫活動経験のある市民が市民を助けるサポーター登録制度のようなものをつくって、より充実した制度にしていきたいです」と大嶽さんは、さらなる試みに意欲的です。

最近、センターに地域猫活動の個人登録者からこんな声が寄せられたそうです。

「最初は1人で始めた地域猫活動ですが、徐々に近所から認められ、猫たちも可愛がられ、"本当の地域猫"になりました。」
撮影/後藤さくら
朝夕、庭先で20匹もの地域猫にフードを与える柴山さん。にゃん2に支えられながら捕獲は続いているそうです
猫が好きな人もそうでない人も協力しながら、猫と上手に付き合える地域づくり。
人と猫との共生を目指して、センターのさらなる活動は続きます。

※今回ご紹介した内容は、2021年9月に取材した内容です。
出展/「ねこのきもち」2021年10月号『ねこのために何ができるだろうか』
撮影・文/後藤さくら
構成/ハナマサ
※この記事で使用している画像は2021年10月号『ねこのために何ができるだろうか』に掲載しているものです。
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