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猫の経歴が出汁⁉ 「おでん」みたいに"いろいろな背景の猫がいる"猫カフェ

神戸市の太期由美子さんが自宅をリフォームして作った猫カフェ「おでん」。そこには、血統書の有無を問わず、さまざまな経歴をもつ猫たちがいます。譲渡を目的とした「保護猫カフェ」の機能も備えながら、より広い視点で猫との共生を考えた末のマルチな活動をご紹介します。
※記事内容は2021年10月10日現在のものです。

母子の思いが共鳴してカフェ事業を一念発起

神戸市の閑静な住宅街にある「猫の屋 おでん」(以下、カフェ)。長年、「猫と暮らす楽しさを伝え、猫をきっかけに人同士の繫がりが育める場所を提供したい」と思っていた太期由美子さんが、2019年4月にオープンした猫カフェです。

カフェを始めようと準備を始めたのはそれより5年ほど前にさかのぼります。神戸市にある企業に勤務する太期さんは、当時、念願のペット事業部へ異動、業務を通じて猫をとりまくさまざまな社会問題にも触れるようになると、猫カフェ開業の具体的な計画を考え始めました。一時は会社を退職することも考えましたが、2017年には、社内で在宅勤務や副業の解禁などの働き方改革が行われたことも幸いしました。
写真提供/猫の屋 おでん
入口では木彫りの「おでんくん」がお出迎え
太期さんが「総合的に考えると会社勤めをしながら、自宅でカフェをオープンするのがベストかも」
と母の量子さんに相談すると「私もそう思う」との答え。

「長年にわたって私の思いを聞き続けてきた母が背中を押してくれました」と太期さんはおっしゃいます。

しかし、自宅をカフェに改装するのは想像以上に大変だったそうです。築35年の家は、大幅な手直しも必要となり、ほぼ建て替えに等しかったといいます。災害による工期の遅れなどの紆余曲折を経て、晴れてオープンした店内に初めて足を踏み入れたときは感慨無量だったとか。

「静かで、ゆったりした時間を楽しめる、いい場所ができたと思いました」と太期さんは語ります。
写真提供/猫の屋 おでん
ピロティがおしゃれな自宅の2階がカフェ

多種多様な猫たちは”おでん”みたい⁉

写真提供/猫の屋 おでん
気ままに過ごす猫たち。「自宅=カフェは、24時間、猫の面倒を見られて安心」と太期さん
カフェには、種類も経歴もさまざまな猫が暮らしています。純血種、ミックス、保護団体などから預かった猫もいれば、直接レスキューした猫もいます。「猫の屋 おでん」というユニークな名前の由来は、そんな猫の多様性と、いろいろな具がある"おでん"とが似ているから、と太期さんは答えます。

「預かり猫には全員おでんにちなんだ名前を付けています(笑)。猫たちのこれまでの歩みを”出汁”として、適正な飼育とは何かということを訪れる人が考えていくことで”煮込ま”れ、”旨味”になれば。そんな思いを込めています」

会社での仕事を通じて、殺処分や多頭飼育崩壊、保護猫の譲渡会や地域猫のボランティア活動など猫をとりまく環境を知る一方、そうした猫に関する社会問題がまだまだ広く知られていないことも実感してきたという太期さん。「保護猫のいるカフェ」ということをあまり大きく謳わないのは、できるだけ間口の広い「猫カフェ」でありたいからだそうです。

「猫を迎えたい方だけでなく、ただ猫とふれあって癒されたい方も満足していただければと思っています。ここで初めて猫を迎えようと思った方や保護猫という存在を知ったという方も多いんですよ」
写真提供/猫の屋 おでん
猫がいる空間で予がをする「ねこヨガ」も開催。参加費の一部は保護猫活動に寄付している
取材協力・写真提供/猫の屋 おでん
http://nekonoya-oden.com/

出展/「ねこのきもち」2021年10月号『ねこのために何ができるだろうか』
構成/ハナマサ
※この記事で使用している画像は2021年12月号『ねこのために何ができるだろうか』に掲載しているものです。
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