ぽっちゃり系のニャンコって、なんだか見た目がかわいいですよね。愛くるしい姿で「幸せの象徴」と思う飼い主さんもいるかもしれませんが、ちょっと待って!
猫の体重増加を甘く見るとキケンです。病気になるリスクも高くなってしまうのです。
少しの体重増加でも、猫にとっては大きな変化!
猫と人とでは、体の大きさや体重はまったく異なりますよね。それにもかかわらず、「人と同じ感覚で、1kgくらいの増加であれば大丈夫と思っている人が多い」と、フジタ動物病院副院長の戸野倉雅美先生はいいます。実際は、肥満だったというケースも多いのだとか。
次のように言い換えると、わかりやすいでしょうか?
4.0kgの猫が5.0kgになるのは、40kgの人が50kgになるのとほぼ同じこと!
これは、すごい変化ですよね。
肥満になるとなりやすい4つの病気
肥満は栄養障害のひとつ。重く大きくなった体は骨や関節、内臓に負担をかけます。これが引き金になり、さまざまな病気を引き起こし、猫の寿命を縮める危険性が……。
気をつけたいおもな病気は、次の4つです。
①糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンの一種であるインスリンの量が不足したり、はたらきが悪くなることで血糖値が上がり、さまざまな障害を引き起こす病気。
脂肪が多い猫はインスリンのはたらきが悪くなり、発症しやすい傾向に。
②乳腺腫瘍
乳腺腫瘍とは乳腺にできた腫瘍のことで、ほとんどが悪性の乳がん。原因はまだはっきりわかっていませんが、肥満が危険因子のひとつだと報告されています。
③泌尿器の病気
肥満の猫は、動くのが億劫でトイレに行く回数が減り、動かないので喉が渇かず飲水量も減る傾向に。そうすると膀胱内で尿が凝縮され、膀胱炎や尿路結石などの病気を発症しやすくなります。
④変形性関節症
変形性関節症とは、骨と骨のつなぎ目の関節に炎症を起こし、関節の滑りをよくする軟骨に損傷を生じる病態の総称。
体の重さによって、関節に負担がかかると発症のリスクが高まります。
戸倉先生は、「猫が太る原因は、肥満に対する飼い主さんの危機感が薄いからかも」と指摘します。
たとえ肥満でなくても、「太り気味=肥満予備軍」の猫は、放置していると行く末は肥満になる可能性が大! 飼い主さんは、愛猫の体型管理をしっかりしてあげましょうね。
出典/「ねこのきもち」2017年10月号『ポッチャリ猫はかわいいけど、“太らせない”で長生きに 合言葉はLet’s ニャイエット!』
文/Honoka
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。