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つらい余命宣告…後悔しない愛猫との「最期の過ごし方」【愛猫のための終活】
もし愛猫の余命があとわずかとわかったら…
もし、獣医さんから愛猫の余命宣告を受けたら、一緒にいられる残り少ない時間を大切にしてください。ただし、できることは人それぞれ。無理をせず、その時の最善をつくせば猫ちゃんには十分、飼い主さんの愛情が伝わるでしょう。
看病や介護が必要な場合に備え、ふだんから考えておくことは次の3つ。
1.猫の病気について知っておく
ふだんから、猫がかかりやすい病気について知識を蓄えておきましょう。いざという時、その知識が看病・介護に役立ちます。
2.家庭内での方針を決めておく
愛猫には、どんな治療をどこまで受けさせるか、最期は病院か自宅かなど、家族でよく話し合っておきましょう。もし、自宅で介護・看病でお世話が必要になった時、仕事・家事をどうするかなども相談しておきましょう。
3.介護・看病にかかる費用をイメージ
もし、愛猫が重い病気にかかった場合、どういった治療をどこまで受けさせるか、そのためにどれくらい費用がかかるかをイメージしておきましょう。人間のような健康保険はないので、少しずつ積み立てておく、元気なうちにペット用保険に加入するなどで備える方法もあります。
猫が最期、苦しそうだったら…
愛猫のために、飼い主さんが最期に選んであげられるのは次の3つ。
1.無理な治療はせず自然に任せる
延命措置はせず、自然に任せて、最期を迎えさせてあげる方法。愛猫に天寿を全うさせてあげるのです。
2.可能な限りの治療をする
食事が難しくなった猫に点滴で栄養を補給したり、抗がん剤治療を施したり、人間と同じような延命治療をできる限りする方法です。続けただけ費用もかさむため、治療方針など獣医師との相談が必要でしょう。
3.動物病院で安楽死を施す
安楽死は、飼い主にとってつらい決断で、受け入れがたいものでしょう。ただし、治る見込みがなく、猫がひどい痛みに苦しんでいるようなら、そこから解放させてあげるひとつの手段となります。
筆者も、愛猫があごにガンをわずらった時、獣医師から安楽死を提案されたことがあります。結局、あごの半分を切除する手術をしてもらい一時は元気になりましたが、半年後に亡くなりました。
愛猫には最期、つらい思いをさせてしまったので、その手術が良かったのかどうか、未だにわかりません。
いざとなった時に備え、愛猫にどのような死を迎えさせてあげられるのか、あらかじめ考え、知っておくことが大切です。
愛猫とのお別れの瞬間、その時は…
たとえ最期の瞬間にいられなくても、それまでの限られた時間に、どれだけ一緒にいられたか、大切に思って愛したかが重要です。
最期の瞬間、運良く一緒にいられたら、愛猫に寄り添って優しく声をかけてあげましょう。生き物は、最期まで耳は聴こえるといわれます。きっと、あなたの声を胸に、愛猫は虹の橋を渡るでしょう。
もし、旅立つ瞬間に一緒にいられなかったとしても、火葬までの時間を大切に過ごしましょう。夏場の暑い時期でも、亡きがらの周囲に保冷剤を置けば、1〜2日間はそばにいることができます。悔いないように、ゆっくり時間をかけてお別れをしましょう。
猫は、年を重ねてもあまり見かけが変わらないので、いつまでも元気でいてくれるように感じます。でも、必ず“その時”は訪れます。愛猫との思い出に悔いを残さないよう、元気なうちから終活を進めることをおすすめします。
出典/「ねこのきもち」2016年2月号『愛猫のための終活とペットロス』
イラスト/秋葉あきこ
文/ヤマモトトモミ
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