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猫の健康診断にも「血液検査」がある 検査でわかることは?

みなさんは、定期的に猫の健康診断を受けていますか?健康診断最大のメリットは、病気の早期発見や早期治療です。見た目は健康そうに思えても、実は怖い病気が潜んでいることがあるため、定期的な健康診断は欠かせません。

そこで今回は、健康診断で行うことが多い「血液検査」の内容について、獣医師の重本仁先生にお話を伺いました。

血液検査では何を調べるの?

Mix(茶トラ)のロビンくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
血液は、赤血球・白血球・血小板という細胞成分と、血漿(けっしょう)という液体成分から成り立っている体液です。そのうち、細胞成分を調べる検査を「血球検査」、液体成分を調べる検査を「血液化学検査」といい、それぞれで検査内容やわかる病気などが異なります。

ちなみに猫の血液は、後ろ足の内股部分か首のあたりから採血するのが一般的です。

血液検査で行う2つの検査

ロシアンブルーのレグルスくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

血球検査

血球は種類によって役割が異なるため、血球の数や大きさなどを調べると、体の状態がわかるのです。以下、検査項目の例をご紹介します。
・RBC(赤血球数)
酸素を運ぶ役割を担う赤血球。基準値よりも数が多いと脱水が疑われ、逆に数が少ないと貧血のおそれがあります。
・WBC(白血球数)
細菌やウイルスと闘う役割をもつ白血球。基準値よりも数が多いと何らかの感染症にかかっていると考えられ、少ないと免疫力低下の疑いがあります。
・PLTまたはPlat(血小板数)
出血をした際、血液を固める役割をもつ血小板。基準値から大幅に増減している場合は、白血病などのさまざまな病気が考えられます。

血液化学検査

血漿には、タンパク質や糖質、老廃物やミネラルなど、たくさんの成分が溶け込んでいます。その成分を細かく調べることで、さまざまな病気の発見につながるのです。以下、検査項目の例をご紹介します。
・TP(総タンパク)
さまざまな成分を運ぶアルブミンや、免疫力を担うグロブリンなど、多数のタンパク質から構成されているTP。基準値を超えると、病気の疑いがあります。
・ALTまたはGPT
肝細胞に多く含まれている酵素です。基準値よりも多く血中に出てくる場合は、肝臓の異常や腫瘍などが疑われます。
・BUN(尿素窒素)
タンパク質の一種で、腎臓の老廃物です。この数値が基準より高いと、腎機能が低下しているおそれがあります。

オプションで病気の有無をチェック!

Mix(ミケ)のルビィちゃん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の状態や獣医師の意向によっては、オプションでさらに詳しい検査も可能です。ピンポイントで成分を検査するため、病気の早期発見にもつながります。

甲状腺ホルモン検査

猫がかかりやすい病気である、甲状腺機能低下症と亢進症を診断する検査です。
サイロキシン・遊離型サイロキシン・甲状腺機能刺激ホルモンという、3種類の甲状腺ホルモンを調べます。

腎機能検査

猫は、腎臓病にかかりやすいことでも知られています。この検査では、血中のシスタチンCや、尿中タンパク/クレアチニン比などを細かく調べることで、通常の血液検査よりも早期に腎臓病を発見することが可能です。腎臓病の進行状態も明らかにできます。
健康診断を行うかどうかは、飼い主さんの任意です。しかし愛猫の健康を考えるなら、定期的に健康診断を行うことを強くおすすめします。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「ねこのきもち」2022年4月号『猫は不調を隠しがちだからこそ「元気なうちから」が大切です。 健康診断へ行こう!』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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