角膜炎と結膜炎の違い、知ってる?
猫がよくかかる目の病気といえば、角膜炎と結膜炎。症状が似ていることから、その違いは素人目にはわかりません。
結膜炎は、まぶたの裏の粘膜と白目部分である角膜に炎症が起こる病気です。主に、猫かぜなどウイルス性の病気にともなってかかる目の病気で、結膜が赤くはれる、むくむ、目やにが大量に出る、涙が止まらなくなるなどの症状です。
一方、角膜炎は、目の表面をおおう透明な膜・角膜に炎症が起こる病気。多くの場合、ほかの猫とケンカしたり、自分で目をかきすぎたことによる外傷が原因です。痛みが強いため、猫は目をショボショボ開けにくそうにしたり、涙を流す、角膜が白くにごるなどの症状があります。
知っておこう! 角膜炎・結膜炎の症状4つ
症状その1:目がぱっちり開かない
目がはれたり、痛み・まぶしさを感じるため、猫は目を開けにくそうにします。ショボショボしたり細めたりすると、結膜炎・角膜炎の可能性が。
↑2カ月前から、涙が多くなり、目を開けにくそうにしていた猫ちゃん。両目とも結膜炎の診断で、点眼薬で改善
症状その2:涙が止まらない
結膜や角膜に炎症が起こると、目を守って炎症をおさえようと涙が止まらなくなります。涙が出るのは、片方の目だけではなく、両目の場合もあります。
↑重度の結膜炎のため、左目だけ涙があふれ、目が開けにくくなった猫。目薬と全身療法(注射)により4日で回復
症状その3:目が充血する
目が充血するのは、炎症や出血がある証拠。目のフチの皮膚が赤くなったり、白目全体に血管が浮き出て赤みをおびたり、目の一部が赤くなることも。
↑目のフチが充血しているオッドアイ(両目の色が違う)の猫ちゃん。目ヤニ、涙が出続ける症状もあったが、点眼薬で改善
症状その4:目ヤニが大量に出る
黄色や茶色の目ヤニ、時には血の混じった赤い目ヤニが出ることも。
↑両目ともに目ヤニが多く、鼻水・くしゃみの症状もあった保護猫。点眼薬と全身療法(注射)で改善
結膜炎・角膜炎は長期間放置して重篤化すると、最悪の場合、失明してしまうこともある恐い目の病気です。
軽いうちなら点眼薬で改善するので、猫ちゃんが目をしきりにかく仕草をしたり、目を開けにくそうにしていたら、獣医さんに診てもらいましょう。
出典元/「ねこのきもち」2018年2月号『症例写真でよくわかる! 猫がかかりやすい目の病気』(監修:江島博康先生 東京ウエスト動物病院院長)
文/ヤマモト トモミ