猫も口内炎になるということをご存知ですか?猫の口内炎は痛みが強く、人の口内炎より深刻です。今回は、猫の口内炎の原因やなりやすい猫の特徴、治療方法や予防方法について、ねこのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生に教えていただきました。
猫の口内炎は人と同じ?違う?
猫の口内炎は人の口内炎と違って治りにくく、激しい症状や痛みを引き起こすのが特徴です。食事が困難になるケースや、全身状態の悪化に繋がるおそれもあります。生涯にわたって付き合っていかなくてはならない場合もあり、人の口内炎より深刻です。
こんな症状が見られたら要注意!
口内炎のなりはじめには、次のような症状が見られます。
・口を気にする様子が見られる
・口周りが汚れる
・口臭がきつくなる
・ドライフードを食べたがらなくなる
また、症状が悪化してくると痛みも強まるため、食欲がなくなる、水を飲まなくなるといった変化も。元気もなくなり、じっとしていることが多くなります。
猫の口内炎の原因やなりやすい猫の特徴は?
猫の口内炎の原因
猫の口内炎は、はっきりとした原因がわからないことも多いですが、以下のような原因が多いとされています。
・ウイルス感染や歯周病から波及
・猫自身の免疫や体力の低下
・免疫異常
口内炎になりやすい猫の特徴
どの猫でも口内炎を発症してしまう可能性はありますが、特に以下のような特徴がある場合、口内炎になる可能性が高くなる傾向がありますので、注意してみてあげましょう。
・外に出る事がある、または屋外で生活していた事がある
・猫カゼにかかったことがある
・歯周病になっている
・腎不全などで体力や免疫力が低下している
治療法や予防法は?
口内炎の治療方法
猫の口内炎の治療は、基本的には対症療法が中心です。比較的症状が軽い場合は、まず口腔環境を清潔にし、痛みや炎症がある場合には抗生剤やステロイド剤などを使って和らげていきます。軽症であれば、短期間の治療で改善することもあるでしょう。
口内炎が重症化している場合は、全身麻酔をしたうえで、炎症がひどい部分の歯やすべての歯を抜くことがあります。このような抜歯治療が有効なケースもありますが、必ずしも完治するとは限りません。
ウイルス感染が疑われる場合には、ウイルスを抑えるためにインターフェロンの投与や塗布を行うこともあります。
口内炎の予防方法
絶対に有効という予防法はありませんが、細菌の温床となる歯垢・歯石の付着をデンタルケアで防ぐことはとても重要です。また、口内炎になっても初期の段階で発見できるよう、日頃から口腔内を確認してあげましょう。
猫の口内炎は完治させることが難しい病気です。悪化すると食欲や元気が低下するだけでなく、抜歯治療などが必要になることもあります。そのため、早期発見できるように、日頃から愛猫の口の中をしっかりチェックしてあげてくださいね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。