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猫の「ぽっちゃりしてかわいいね」は要注意 肥満がもたらす健康上のリスクは

太っている猫はかわいいという風潮がありますが、人と同じようにさまざまな健康リスクが増えるといいます。そこで今回は、ねこのきもち獣医師相談室の藤井亜希奈先生に、猫の肥満のリスクや、ダイエットする際のポイントについて解説していただきました。

猫の肥満の割合ってどのくらい?

猫を撫でる
rai/gettyimages
――「太っている猫がかわいい」という風潮もありますが、先生が診察される猫の中で、実際どのくらい割合の猫が太っていると感じますか?

藤井先生:
「地域差や来客層によると思いますが、感覚としては約3割です」

肥満によるリスク

ぐっすり眠っている猫
bee32/gettyimages
――猫の肥満をそのままにしておくと、どんな健康リスクが考えられますか?

藤井先生:
「糖尿病や心筋症、関節炎・皮膚炎・脂肪肝・呼吸器のトラブルなど、さまざまな病気にかかるリスクが考えられます」

――肥満のままシニア猫になってしまったら、どんなリスクや注意点が考えられますか?

藤井先生:
「例えば、高齢になってなんらかの手術が必要になり、麻酔をかける機会に遭遇した場合、麻酔が効きにくい・麻酔から醒めにくいといったリスクが高くなってしまいます。また関節炎は一度発症すると元に戻すことは難しい病気です。高齢になってからダイエットして痩せたとしても、関節炎は治らない、といったトラブルを抱えることになってしまいます」

猫のダイエットのポイントや注意点

猫のグルーミング
kaorinne/gettyimages
――最後に、愛猫をダイエットさせる際のポイントや注意点があれば教えていただけますか?

どのくらいの量のフードやおやつを与えているのか確認する

藤井先生:
「同居家族がいる場合、自分1人がおやつを与えているのかと思いきや、ほかの家族も同じように与えていた、ということもあります。また、フードのあげ方もご家族で統一されていないことがあるため、計量カップに線をひくなど誰が与えても同量のフードになるように工夫しましょう。フードが少なく見えてかわいそうだから多めに与えていた、というのが自分1人だけとは限りません」

与えているフードを見直す

藤井先生:
「与えているフードについても見直しが必要かもしれません。減量に特化した療法食もあり、市販の減量用フードよりもカロリーが抑えられつつ食べ応えのあるものもあります。さまざまなタイプの減量用フードがあり、フードによってはその猫ちゃんに合わないものをあるかもしれないので、必ず動物病院で相談しましょう。また、手作り食を与えている場合、栄養バランスが悪く、栄養素不足から過剰に食べていることもあります。手作り食のレシピについても、動物病院で相談されることがおすすめです」

おやつの量を見直す

藤井先生:
「猫ちゃんとのスキンシップを取るためにおやつを使っている場合、量を決めないといつの間にか過剰に与えていた、ということがあります。1日のうちに与える量をあらかじめ決めておくことがおすすめです。また、可能であればおやつではなく、1日のうちに与えるフードからおやつぶんを分けておき、そこからおやつとして与えるとなおよいでしょう。

フードを一気食いしてしまう猫ちゃんなら、一気食い防止用のフードボウルもありますので活用しましょう。与えていた量を小分けにして頻回食にするのも、満足感が得られやすいです。また、知育トイを使い、遊ばせながら食べるようにするのもおすすめです。
『ちょっと大変だな……』という場合は、ふだん与えているフードを減量用の療法食に置き換えるだけでもダイエット効果が得られます」
日頃のフードやおやつを見直すことは、愛猫の健康を守ることにつながります。愛猫の肥満が気になったら、まずは動物病院で相談して、早めの対策を心がけたいですね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・藤井亜希奈先生)
取材・文/清水ゆか
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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