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猫にやさしい動物病院の基準「キャット・フレンドリー・クリニック」とは

大切な猫の健康を守るために、動物病院をどう選ぶかは大事なポイントですよね。
そこで知っておきたいのが、猫に優しい動物病院の国際基準規格である「キャット・フレンドリー・クリニック」です。
ISFM(国際猫医学会)が提唱し、日本ではJSFM(以下ねこ医学会)が普及活動を行う、この「キャット・フレンドリー・クリニック」について、JSFMの理事であり、猫専門動物病院「東京猫医療センター」院長の服部 幸先生にお話を伺いました。
*記事内容はすべて、2023年4月10日現在のものです。

猫にやさしい動物病院の「道しるべ」

撮影/後藤さくら
「ねこ医学会」は、日本の猫医学の底上げや猫にやさしい動物病院づくりを目的として2014年に設立されました。
取り組みのひとつが、世界的な基準となる「キャット・フレンドリー・クリニック」の普及です。
会ではセミナーや講演、国際猫医学会の情報を翻訳し紹介するなどの活動を行ってきました。設立当初からの理事であり、東京猫医療センター院長の服部 幸先生は、会設立の前年にすでにキャット・フレンドリー・クリニック認定をアジアで2軒目に取得されていました。

撮影/後藤さくら
猫がリラックスできる環境で診察中の服部先生
撮影/後藤さくら
東京猫医療センターの待合室は1階、診察室は2階にあります
猫に特化した服部先生の動物病院では、待合室を1階、診察室を2階と3階に分け、処置中の猫の声が待合室になるべく届かないようにするなど、もともと猫にストレスがかからない病院づくりをされていました。

それでも認定を取るためには、およそ100項目の国際基準をクリアしなければなりません。具体的には、ソフト面ではスタッフ教育及び継続教育などの最低学習時間や猫の扱い方などの項目があります。ハード面では、猫専用の待合室があるか、または物理的な隔壁によって猫と犬とがお互い見えないよう猫専用区画があるかなどの項目も多く並びます。

一般の方も参加できる「猫の集会」を開催

獣医師と動物看護師のための猫に特化した勉強会としてスタートした猫の集会。2022年からは、さらに猫について学んでもらおうと一般向けレクチャーも開講しました。

猫の幸せと健康のために

獣医師と動物看護師向けの勉強の場として、学術的な講義や臨床病理実習、腫瘍科実習、内視鏡実習、腎泌尿器実習といったスキルアップのための内容が盛り込まれてきた猫の集会。ここ数年はコロナ禍の影響でオンライン開催でしたが、2022年はようやくリアル会場でも開催。そして昨年からは、一般の方にもさらに猫について学んでもらおうと、一般向けのプログラムをスタートしています。
写真提供/JSFM
2020〜2021年はコロナ禍のためオンライン開催でしたが、昨年はハイブリッド開催。みなさん熱心に聴講されています
内容は、「猫の乳がんのおはなし」「これって老化?」「日常に潜むキケン」「猫の気持ちの読み方」「知っておきたい『動物病院へのかかり方』」、パネルディスカッション「猫、ひとりっこはさびしいですか?」など、一コマ20分のプログラムを10テーマ開講しました。講師陣は日本の猫医療のスペシャリストばかりです。

「ここで学んでもらい、飼い猫たちの幸せと健康につなげてもらえたら」と服部先生。第10回を迎える2023年は、会の日程も2日間になり、一般の方向け講座の時間も増えて、内容もさらに盛りだくさんに。グッズ販売などもあるので、気軽に出かけてもらいたいとのことです。
お話しをお伺いした人/猫専門動物病院「東京猫医療センター」服部幸院長
出典/「ねこのきもち」2023年6月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/後藤さくら 写真提供/JSFM
構成/小出広子

※この記事で使用している画像は2023年6月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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