1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 雑学・豆知識
  4. 猫のかかりつけの病院選びの新しい指針「キャットフレンドリークリニック」と「猫の専任従事者」

猫と暮らす

UP DATE

猫のかかりつけの病院選びの新しい指針「キャットフレンドリークリニック」と「猫の専任従事者」

JSFM(以下ねこ医学会)は2017年から猫の専任従事者を育成するプログラムを開始。その内容や、プログラムを修了した専任従事者の声をご紹介します。

*記事内容はすべて、2023年4月10日現在のものです。

看護スタッフもさらに猫を知るために

撮影/後藤さくら
ねこ医学会は、日本の猫医学の底上げや猫にやさしい動物病院づくりを目的として2014年に設立されました。取り組みのひとつが、世界的な基準となるキャット・フレンドリー・クリニックの普及です。
設立当初からの理事であり、東京猫医療センター院長の服部幸先生は、会設立の前年にすでにキャット・フレンドリー・クリニック認定をアジアで2軒目に取得されていました。

「認定を受けることによって、自分の動物病院の診療内容や施設が国際的に見てどのレベルにあるかを知る目安になりました。ただ、認定取得がゴールではありません。大切なのは国際基準を知った上で、さらに猫に対してフレンドリーな診療ができるかを学び続けることだと思います」と服部先生。2023年2月末時点で、全国のキャット・フレンドリー・クリニックは156病院。猫にやさしい病院が広がりつつあります。
撮影/後藤さくら
猫の日常をよく見て、ちょっとした変化に気づくことが大切です(服部先生)
さらにねこ医学会では、2017年からCATvocate(以下猫の専任従事者)の認定制度をつくりました。日本で初めての、猫の専任従事者を育成するためのプログラムです。受講できるのはプロとして動物医療に関わっている人。特に愛玩動物看護師、アニマルケアスタッフの受講が多く、ベーシックコースはコロナ禍でオンライン開講になった年で、およそ150名の受講がありました。
撮影/後藤さくら
獣医師には目が届きにくい待合室での猫の状態を把握して、獣医師に伝える役目も

ベーシック修了生は次のアドバンスセミナーを受けることができます。こちらでは、毎年テーマを決めたセミナーとワークショップが行われます。異なる動物病院のスタッフとのディスカッションもあり、今年からは、アドバンス修了生を対象にマスターコースも開講される予定です。

認定取得の動物病院はかかりつけ選びの指標に

撮影/後藤さくら
「獣医師は病気を診ますが、看護師は獣医師より猫と触れ合う時間も長く、状態をよく見て、飼い主さんと猫と獣医師をつなぐ役割をします。診療のサポートだけでなく、入院時の世話や病院の受け付けなども行い、その際は待合室での猫の様子の確認も。だからこそ猫についての知識を深めて欲しい。猫の看護師スキルアップのプログラムです」(服部先生)
写真提供/JSFM
2022年の猫の専任従事者アドバンスセミナーの様子
「東京猫医療センター」のアニマルケアスタッフの松元暢子さんは、大学時代、猫の行動学の研究室に所属し、猫専門病院で働くという夢を実現させて、東京猫医療センターに勤務。猫の専任従事者認定制度を第1回から受講し、アドバンスコースも修了しています。

「私がアドバンスコースで聴講したのは実際に被災地で活動した獣医師から『災害が起きたときにどう動いたらいいのか』。その後参加者同士のディスカッションがありました。ある動物病院さんは毎年避難訓練をしているというお話をされました。猫のことだけを学ぶ場は少ないので、学んだことを日々の仕事に活かせるように心がけています」(松元さん)

キャット・フレンドリー・クリニック、猫の専任従事者のいる動物病院は、飼い主さんのかかりつけ医選びの指標になるはずです。 
お話しをお伺いした人/
JSFM理事・猫専門動物病院「東京猫医療センター服部幸院長
「東京猫医療センター」アニマルケアスタッフ 松元暢子さん

出典/「ねこのきもち」2023年6月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/後藤さくら 写真提供/JSFM
構成/小出広子

※この記事で使用している画像は2023年6月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る