光の量によって大きさが変わる猫の瞳孔。実は気持ちによっても変化が見られ、猫同士のコミュニケーションにも大きく役立っているとされています。今回は猫の心情と目の関係について、動物看護師の小野寺温先生に教えていただきました。
猫が平常心のとき
部屋の明るさにもよりますが、平常心の猫はまぶたの力が抜けて瞳孔が縦長になります。このときの猫の表情は、人がびっくりしているときの表情に見えることもあります。
猫が興奮・緊張しているとき
猫の瞳孔は周囲が暗いときに大きくなりますが、遊びで興奮したり、おもちゃに狙いを定めて緊張したりしているときにも大きくなります。また、まぶたに力が入るため、ふだんと比べてつり目がちにもなるでしょう。
なお、猫の興奮具合によっては、瞳孔がまん丸になることも。瞳孔が大きくなればなるほど、興奮度が高いと考えられます。
猫が親愛の気持ちのとき
目があったときや人に呼びかけられたときなどに、一瞬目を閉じるのは猫にとってのあいさつ。「信頼していますよ」のサインです。
人も同じように返してあげると、猫を安心させられますよ。
猫が観察・主張しているとき
猫は興味をもったり、相手に気づいてほしかったりするときに、じーっと見つめることがあります。
新しいおもちゃを見つけたときや、飼い主さんが何か作業をしている最中に見られるしぐさです。しかし、同じように猫をじっと見つめ返してしまうと、「敵意」をあらわすことになるので注意しましょう。
猫が警戒しているとき
大きな音に警戒したり、遊びの最中で興奮したりしていると、つり目に見えることも。耳に力が入ると顔全体が後ろに引っ張られるため、まぶたも一緒に引き上げられるからといわれています。
警戒心が強いほど顔全体に力が入って耳が反るので、さらに目がつり上がり、表情がきつく見えることもあるでしょう。
猫の目は、感情の変化に応じてさまざまな変化を見せます。目をじっと覗き込むと猫を怖がらせてしまうため、さりげなくチェックしてみてくださいね。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学助教 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。