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群馬県で犬猫用シェルターを運営する「犬猫生活福祉財団」が目指す「3つのゼロ」とは

群馬県前橋市で保護猫シェルターやスペイクリニックを運営する一般財団法人犬猫生活福祉財団。
「収容ゼロ・殺処分ゼロ・不適切飼育環境ゼロ」を目指した取り組みの様子を紹介します。
*記事内容はすべて、2023年5月30日現在のものです。

多くのノラ猫たちの命を救いたい

撮影/後藤さくら
群馬県前橋市郊外にある「犬猫タウン前橋」は一般財団法人犬猫生活福祉財団(以下財団)が2022年1月開所の前橋市初の本格的な犬猫用シェルター。保健所や動物愛護センターから引き出した犬や猫たちが暮らしています。活動のきっかけは、財団の代表理事の佐藤 淳さんが1匹のノラ猫を保護したことから。その猫は4日後に3匹の子猫を出産。懸命に生きる姿を目にして、この猫たちにいいものを食べさせてあげたい、多くの命を救いたいと、「収容ゼロ・殺処分ゼロ・不適切飼育環境ゼロ」の3つのゼロを目指して財団を設立したのです。
撮影/後藤さくら
群馬県・前橋市郊外。元は小さな博物館&カフェだった施設をリノベーションした犬猫タウン前橋
東京都内に事務所を置く財団ですが、シェルターは群馬県にあります。「場所探しは事務所からアクセスしやすい関東圏で、保護シェルターが少ない地域にしようと。また、こうした活動を前向きに捉えてくれる、連携しやすい行政の地域をと考え、前橋市にコンタクトしました」と財団事務局長の福田敬土さん。「行政からは地域づくりの先頭に立つ方を紹介してもらい、地域に溶け込むお手伝いをしていただきました」。また、山本龍市長が定例記者会見の場に招いてくれたおかげで地元メディアにも活動が紹介され、地域でも徐々に認知してもらえるようになったと言います。

「愛護」だけでなく「福祉」の視点を

財団の名称に「福祉」とあるのは、動物愛護の気持ちを出発点に、広く動物の福祉、生活の質まで考えて活動するという意志を表しています。たとえば、犬猫タウン前橋には、猫たちの部屋が5つありますが、空気清浄機を置いた部屋もあり、猫たちが少しでも快適に過ごせるようにしています。一番広い部屋はおよそ24畳の通称「にゃんこ村」。取材時は多頭飼育崩壊の現場から保護されてきた猫エイズキャリアの猫たちの部屋になっていましたが、本来は3段ケージが周りに並ぶ中、猫たちがゆったり遊んだり、譲渡希望の方と触れ合ったりできるフリースペースになっています。
撮影/後藤さくら
一番広い部屋の通称は「にゃんこ村」。見学会などの会場にもなります
撮影/後藤さくら
「にゃんこ村」より狭く、本来は猫エイズキャリアの猫の部屋。今は健康な猫がここで過ごしています
「環境エンリッチメント、つまり猫本来の行動に着目した住環境づくりをしていこうと、スタッフたちとつねに意識しています」と福田さん。部屋にある猫タワーや爪とぎ器、隠れる場所などは、動物行動学の先生やスタッフ、ボランティアさんの意見を取り入れて、猫たちが快適に過ごせるように設置しました。ただ収容スペースを確保するだけでなく、猫たちの本能、行動を考え、ストレスがかかりにくい福祉を意識した環境に重点を置いています。
お話しをお伺いした人/犬猫生活福祉財団事務局長の福田敬土さん
出典/「ねこのきもち」2023年10月号『ねこのために何ができるのだろうか』
撮影/後藤さくら 写真提供/犬猫生活福祉財団
構成/小出広子

※この記事で使用している画像は2023年10月号『ねこのために何ができるのだろうか』に掲載しているものです。
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