母猫が子猫に獲物を与えたり、毛づくろいをしたりといった世話を焼く行動は、母性本能によるもの。性別や出産経験によらず、どの猫も多少はこのような本能を備えています。そのため、猫が「親猫」のような気分になると、同居猫などの世話を焼くといった行動をとることが。
今回は、「親猫気分」になっているときの猫のしぐさ行動について、哺乳動物学者の今泉忠朗先生にお話を伺いました。
同居猫を見守るような姿勢で寝る
母猫は子猫を守り、温める姿勢で眠るもの。同居猫を包み込むように寝ているときは、親猫の気持ちで守っているのでしょう。
同居猫の毛づくろいをする
母猫は、まだ毛づくろいができない子猫をなめて清潔にします。丁寧に同居猫の毛づくろいをするのは、「親猫気分」のあらわれといえるでしょう。
同居猫とじゃれてわざと負ける
わざと負けるのは、相手を弱く小さな存在と捉えているから。親猫が子猫に狩りの方法を教えているときのような気持ちなのでしょう。
同居猫を見守る
母猫は、子猫に変化ないか、危険が迫っていないかをそばで見守ります。そのため、親猫の気分になっているときの猫は、同居猫を見守ることもあるでしょう。
こんなしぐさ・行動も親猫気分ならでは
そのほか、同居猫が鳴くと様子を見に行く、捕えた獲物(おもちゃ)を飼い主さんに見せる(与える)といった行動を見せることも。これらもすべて親猫気分のときならでは行動といえるでしょう。
「親猫気分」になっているときの猫は、同居猫や飼い主さんを子猫に見立てています。「親猫気分」になっているなと感じたら、飼い主さんも子猫のように、高い声で鳴きマネをして遊びに誘ってもよいでしょう。ただし、とくに反応がなければしつこくしないようにしてくださいね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年12月号『“気まぐれ”に見える理由はコレでした! コロコロ替わるよ 猫のココロのスイッチ』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。